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データ分析の新常識!Tableauのメリット・特徴・使い方を最速で学ぶ方法を解説

Tableauは非常に強力なデータ可視化ツールです。このようなツールはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールとも呼ばれ、データを人間にとって理解しやすい形に迅速に整えることができます。

Tableauの特長的な機能である「ダッシュボード構築」や「ワークシート」を活用することで、データ分析の効率が大幅に向上します。これにより、組織内の誰もがデータを視覚的に理解しやすくなり、プログラミングスキルを持たない開発者やIT担当者でも簡単にデータを扱えるようになる点が、BIツールの大きな強みです。

この記事では、「Tableauとは?」について、概要、ライセンス形態、特長、プロダクトラインナップを詳しく解説していきます。

Tableau(タブロー)とは?基本情報と概要

ビッグデータ」や「データドリブン」といったキーワードを目にする機会が増えており、近年、あらゆるデータをビジネスに活用する取り組みが注目されています。蓄積された膨大なデータを収集・分析・加工するプロセスは、BI(ビジネス・インテリジェンス)と呼ばれ、これによりエンジニアやデータ・アナリストなどの専門家でなくても、データの加工やレポート作成、分析が可能となるのがBIツールの大きな特徴です。

BIツールの中でも、Tableau(タブロー)は特に表現力操作性に優れています。Tableauの本社はアメリカのシアトルにあり、2013年には日本市場に向けた製品の販売・サポートのために、「Tableau Japan株式会社」が設立されました。さらに、2019年にはSalesforceTableauを買収し、現在はSalesforce傘下で展開されています。

Tableau(タブロー)とExcelの違い

TableauExcelはどちらもデータの整理や管理に使用されますが、特にデータ分析共有の面では、Tableauの方が優れています。

項目特徴
Tableau・分析の方法がわからない状態でもデータを深堀りできる
・クラウドでリアルタイムの共有が可能
Excel・ある程度分析ができているデータの深堀りができる
・共有はメールでの送信や出力が必要

Excelでデータを分析する場合、事前に分析方法や求めたい情報が決まっている必要があります。ピボットテーブルグラフを作成するためには、ある程度のアイデアがないと深掘りは難しく、柔軟な分析がしにくいという制約があります。

一方、Tableauでは、データを入力するだけで複数の表やチャートが自動的に生成され、どのように分析するか、何を導き出したいかが決まっていない状態でも深堀りが可能です。これにより、分析のフレキシビリティが大きく向上します。

さらに、Excelでデータを共有する場合、メールで送信したり、PowerPointで編集し直したりする必要があり、手間がかかります。Tableauでは、Tableau Cloudを使用することで、リアルタイムで情報を共有でき、ビジュアル化されたデータをそのままプレゼンテーションにも活用できます。

つまり、入力したデータを素早く分析したい場合や迅速に共有したい場合には、TableauExcelよりも便利です。

Tableau(タブロー)の主な特徴

Tableau(タブロー)の特徴は、誰でも簡単に多様なデータを分析できる点です。これにより、医療現場や金融業界製造業など、さまざまな業界でデータの可視化や分析が可能になります。

Tableauには複数の製品があり、それぞれに異なる特徴があります。主な製品は以下の4つです:

製品特徴
Tableau Desktopデータの可視化や分析に特化
Tableau Prep Builderデータの加工や変換に特化
Tableau Server・データの閲覧、共有向け
・自社サーバーが必要
Tableau Cloud・データの閲覧、共有向け
・自社サーバーが不要

Tableauをデータ分析に活用するために最も重要なのは、Tableau Desktopです。これを使用することで、データの可視化や分析が行えます。もし、ダッシュボード上のデータを他の人と共有したい場合には、Tableau ServerTableau Cloudが必要です。また、Tableau Prep Builderは、Tableau Desktopで使用するデータを適切な形式に変換するために役立ちます。

Tableau(タブロー)を導入することで得られるメリット

「グラフ作成だけならExcelで十分」と考えている方も多いかもしれません。実際、データ入力から集計、分析までをExcelで行っている企業も少なくありません。しかし、大規模にデータ活用を進める場合、Excelには限界があることがわかります。具体的には以下のような理由です:

  • 膨大なデータを扱えない(約100万行が限界)
  • 手作業によるミスが発生しやすい
  • データ分析や活用が属人的になりがち

これらの課題を解決するために、Tableau導入のメリットをわかりやすく説明します。

扱えるデータの制限がなくなり、分析の幅が広がる

Tableauはデータの上限がないため、膨大なデータも問題なく処理できます。また、業務システムで使用されるデータベースのデータも直接分析することが可能です。この「データ量と種類の豊富さ」により、分析の幅が大きく広がります。

例えば、業務システムから必要なデータをCSV形式でダウンロードし、100万行を超えるデータをExcelで分割して集計し、それを再度結合するという作業がTableauでは簡単に行えます。これにより、瞬時に複数の切り口でデータ分析を進めることが可能です。

ただし、Tableauでも無限にデータを読み込むことができるわけではありません。扱えるデータ量はPCのメモリ容量に依存しますが、16GBのメモリであれば、1000万行のデータもストレスなく扱えるため、実用的に十分です。また、データベースへの直接接続を活用すれば、1億行のデータを可視化した事例もあります。

Microsoft Accessの制限についても言及します。Accessでは1ファイルあたり2GBを超えるデータを扱うことができませんが、Tableauならば、大規模データもスムーズに処理できます。さらに、Accessのユーザーが少ないため、技術継承が難しいという問題も解決できます。Tableauはユーザーコミュニティが活発で、質問しやすい環境が整っているため、スキル習得が容易である点も大きなメリットです。

手作業によるミスをゼロにする

Excelでのデータ集計作業は、ミスの温床です。例えば、以下のような作業がよく行われます:

  • 複数のExcelからコピペ
  • 一つのExcelにデータをまとめる
  • SUM関数などを使い、計算範囲を指定して集計

これらの作業を繰り返し行っていると、年間を通して一度もミスなく作業するのは難しいです。しかし、Tableauを使えば、これらの作業は自動化することができます。集計関数を一度定義すれば、データが更新されても、その適用範囲を修正する必要はありません。これにより、手作業のミスを完全に排除できます。

Tableau(タブロー)の基本的な使い方

データに接続する

まず、データに接続する方法を説明します。Tableauでは、PC上のファイルやGoogleアナリティクスなど、さまざまなデータソースに接続することができます。

  1. 接続するには、画面左側の「接続」または画像上で示されている「Connect」ボタンをクリックします。
  2. ここでは、Tableauにあらかじめ用意されている「保存されたデータソース(例:Sample – Superstore)」を例に解説します。これを選択すると、以下のように、サンプルデータが表示されます。
    「サンプル – スーパーストア」を選択後、データが読み込まれると、次の画面に遷移します。この時点で、チャート作成の準備が整います。
    サンプルデータに基づいてシートが表示され、実際にグラフやチャートを作成することができます。

ダッシュボードを作成する

次に、ダッシュボードの作成方法について説明します。

  1. ダッシュボード作成の第一歩
    画面右側にある「新しいダッシュボード」をクリックします。
  2. ダッシュボードの設計
    新しいダッシュボード画面に切り替わったら、左側から表示したいチャートを選択し、それをドラッグ&ドロップで配置します。
    これにより、複数のチャートをまとめて表示したダッシュボードが完成します。

Tableau(タブロー)の効果的な学習方法

多くのお手本から学ぶ

Tableau Publicというデータ可視化(視覚化)のギャラリーには、世界中の素晴らしい作品が多数公開されています。これらは、データ可視化の お手本として非常に有益です。

また、ダウンロード可能な作品については、「リバースエンジニアリング」を行い、どのように作られているのかをトレースすることができます。作りたいイメージに近い作品を検索し、ダウンロードして、その作成方法を学びましょう。ブログなどでも視覚表現の作り方は紹介されていますが、実際の作品を見て解読することも非常に効果的な学習方法です。

コミュニティに参加する

Tableauは世界中で活発なコミュニティ活動が行われており、参加することで学びの幅が広がります。

日本では、**Japan Tableau User Group (JTUG)**が2012年に発足し、年に2回のイベントが開催されており、地域別や業界別の20以上の分科会があります。自分の関心がある分野や近隣の地域の分科会に参加することで、業界の事例を学び、ユーザー同士で悩みや質問を共有することができます。

また、グローバルでは、主にTwitterを通じて、世界中のTableauユーザーが積極的に交流しています。その中でも「Makeover Monday」というコミュニティは特に活発で、毎週のニュース記事などから既存のグラフを取り上げ、Tableauで作り直して共有する活動が行われています。この活動では、元のグラフの改善点を考え、新しいグラフを作成し、互いにフィードバックをし合うことで、Tableauの機能データ視覚化スキルの向上が図れます。

Tableau eLearning (15,000円 USD/年)

Tableau eLearningは、1年ほど前に提供が開始されたコースで、クラスルームトレーニングと比べて低価格であり、自分のペースで学習を進められる点が特徴です。特に、Desktop 1Desktop 2の両方を学ぶことが推奨されています。

トレーニングビデオ(無料)

Tableauが提供する無料のトレーニングビデオは、細かく分割されたトピックごとに提供されており、ワークブックも付属しているため、非常に学びやすい構成です。特定のトピックに絞って学びたい場合にも非常に役立ちます。

Tableau(タブロー)導入時に注意すべきポイント

これまでTableauの利便性や優れた機能を紹介してきましたが、導入を検討する際にはいくつかの注意点も把握しておく必要があります。ここでは、代表的な2つの注意点について解説します。

想定以上に習熟に時間がかかる(学習コスト)

Tableauは直感的に操作できる設計ですが、高度な活用を目指す場合には一定の学習が必要です。特に、Tableauを使って具体的な目的を達成するスキルを身につけるには、継続的な学習が欠かせません。

以下は、習熟レベル別の学習目安です:

  • 初級レベル(1週間~1ヶ月)
    何をするにも調べながら作業を進める段階。
  • 中級レベル(1ヶ月~半年)
    部分的にサポートを受けつつ、自分でTableauを使いこなせる段階。
  • 上級レベル(半年~)
    自分の実現したいことの約70%を、頭の中でイメージしてすぐに実装できる段階。

学習コストのハードルがあるため、BIツールとして「セルフサービス」で使えるとはいえ、習得に挫折する人も少なくありません。しかし、公式トレーニングやコミュニティが提供する学習コンテンツを活用すれば、この課題を乗り越えることができます。

他のBIツールと比較してライセンス料が高め

Tableauは非常に強力なツールですが、ライセンス料は他のBIツールと比べて高額な部類に入ります。基本的なライセンスプランであるTableau Creatorは、年間約10万円/ユーザーから利用可能です。

そのため、組織全体で導入する場合は、以下のような準備が必要です:

  • ランニングコストのシミュレーション
    ライセンス料に加えて、メンテナンスやサポート、ユーザーのトレーニングコストを含めた総費用を見積もりましょう。
  • ツールの比較検討
    他のBIツール(例:Power BI、Qlikなど)とのコスト対効果や機能差を確認し、自社に最適なツールを選ぶことが重要です。

Tableau(タブロー)の製品ラインナップと料金プラン

Tableauには、利用目的に応じた3つの料金プランがあります。それぞれのプランは、利用可能な機能や製品が異なるため、ニーズに合わせた選択が必要です。

Tableau Creator

新しいデータの分析を行う際に必要なプランで、Tableau Desktopを利用できます。また、データの加工に使うTableau Prep Builderや、クラウド環境での分析を支援するTableau Cloudも含まれています。
Tableau Creatorは、データ分析の中核を担うユーザー向けです。

項目内容
年間料金(1ユーザーあたり)108,000円(税込)
利用可能な製品Tableau Desktop, Tableau Prep Builder, Tableau Cloud
サーバー管理
すべてのデータのダウンロード
サマリーデータのダウンロード
ダッシュボードの操作
カスタムビューの作成・共有
既存ワークブック・ビジュア編集

Tableau Explorer

作成済みのデータの閲覧や一部編集を行いたいユーザー向けのプランです。Tableau Cloudが含まれており、クラウドを利用してデータを管理します。
Tableau Explorerは、閲覧と簡易的な編集を行う中間レベルのユーザーに適しています。

特徴:データ分析に必要なすべての機能を網羅しており、新しいデータの作成や編集を主体的に行うユーザー向けのプラン。

項目内容
年間料金(1ユーザーあたり)60,480円(税込)
利用可能な製品Tableau Cloud
サーバー管理×
すべてのデータのダウンロード
サマリーデータのダウンロード
ダッシュボードの操作
カスタムビューの作成・共有
既存ワークブック・ビジュア編集

Tableau Viewer

データの閲覧を主目的としたプランです。Tableau Cloudを通じて、作成済みのダッシュボードやビジュアライゼーションを確認できます。ただし、ダウンロード機能は限定的です。

項目内容
年間料金(1ユーザーあたり)21,600円(税込)
利用可能な製品Tableau Cloud
サーバー管理×
すべてのデータのダウンロード×
サマリーデータのダウンロード
ダッシュボードの操作
カスタムビューの作成・共有×
既存ワークブック・ビジュア編集×

料金プラン比較表

プラン名年間料金(1人あたり)主な利用製品データ作成データ閲覧編集・共有サーバー管理
Tableau Creator108,000円(税込)Tableau Desktop, Prep, Cloud
Tableau Explorer60,480円(税込)Tableau Cloud×一部可能×
Tableau Viewer21,600円(税込)Tableau Cloud×××

Tableau(タブロー)と連携できる主なアプリの例

Googleアナリティクス

連携のメリット

  • アクセス解析の効率化
    Googleアナリティクスは、ウェブサイトの訪問ユーザーの行動や属性を分析するためのツールです。Tableauと連携することで、より高度で詳細な分析が可能になります。
  • 具体的な活用例
    • 複雑なフィルタリング
      ユーザーの属性やコンバージョン率などを、複数条件で絞り込み分析。
    • ダッシュボードの活用
      データをTableauで視覚化し、ExcelへのダウンロードPowerPointへの貼り付けといった手間を省略可能。

適用効果
ダッシュボードを使うことで、視覚的で分かりやすいデータをプレゼンテーションや意思決定に活用できます。

Salesforce(セールスフォース)

連携のメリット

  • 顧客データの可視化
    Salesforceは、顧客管理や見込み客の管理、売上の追跡を行う顧客管理システム(CRM)です。これをTableauと連携することで、データをわかりやすく整理・表示できます。
  • 具体的な活用例
    • 売上推移の分析
      時系列で売上データを視覚化し、変化やトレンドを把握。
    • 営業活動の効率化
      顧客データを詳細に分析して現状の課題を特定し、営業チームの効率的なアプローチを支援。

適用効果
マーケティングや営業活動の戦略立案に役立ち、売上向上業務効率化につながります。

まとめ:Tableau(タブロー)を活用してデータ分析を強化しよう

Tableauを活用することで、大量のデータを効率的に管理し、簡単で見やすいレポートを作成できます。料金プランは3種類ありますが、新たにデータを作成したい場合は「Tableau Creator」の購入を検討しましょう。

また、GoogleアナリティクスやSalesforceと連携することで、さらに深いデータ分析が可能になります。営業やマーケティング、経理など、さまざまな部署のデータをTableauで可視化・分析してみてください。

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