目次
- 1 kintoneはどんな企業・部署に向いているのか?
- 2 kintoneの基本料金プランと費用感【一覧表付き】
- 3 なぜkintoneの料金が「高い」と感じられるのか?
- 3.1 ユーザー単位課金による「見えやすいコスト増加」
- 3.2 より安価な他社ツールとの単純比較
- 3.3 活用メリットや成果が“可視化されていない”ため
- 4 kintoneの費用対効果を発揮させる3つのポイント
- 4.1 小さく始めて、大きく育てる考え方が重要
- 4.2 外部連携・自動化ツールを活用して「作業工数を削減」
- 4.3 ノーコードだからこそ、”誰が責任を持つか”を決める
- 5 実際の中小企業・部署単位での導入事例2選
- 5.1 原価管理のリアルタイム可視化に成功
- 5.2 スケジュール管理と案件管理の一元化に成功
- 6 まとめ|kintoneの導入はプロに相談しよう
日々、営業進捗や顧客管理をExcelや紙ベースで回しながら、「このやり方、そろそろ限界かもしれない。」なんて違和感を覚えたことはありませんか?
情報の更新漏れ、属人化、バラバラな管理ファイル。
現場は頑張っているのに、データ管理が追いつかずに業務が滞る──
そんな悩みを抱える中小企業の管理職に、いま注目されているのがkintoneです。
本記事では、
「kintoneって実際いくらかかるの?」
「うちみたいな規模でも本当に使えるの?」
そんな疑問にお答えしながら、
料金体系から費用対効果、成功事例までをわかりやすく解説します。
kintoneはどんな企業・部署に向いているのか?

kintoneが力を発揮するのは、次のような企業・部署です。
- 社員数30~300名程度の中小企業
- 情報システム部門が整っていない企業
- Excelや紙、バラバラなツールで業務を回している現場
- 営業部門、総務部門、カスタマーサポート部門などの実務部署
- 属人管理に課題を感じ、情報共有・業務効率化を本気で進めたい企業
たとえば、
営業チームで案件の進捗管理をExcelで回していたが、
ファイルが増えすぎて最新状況が分からない
そんな悩みを抱えているなら、kintoneがまさにぴったりの解決策になります。
また、総務部門で申請業務や問い合わせ対応が紙やメールで煩雑化している場合も、
kintoneなら現場主導で「すぐに使える仕組み」を作れるため、
現場の負担を大きく減らすことができます。
kintoneの基本料金プランと費用感【一覧表付き】

kintoneの料金体系は、
1ユーザーあたり月額制で、とてもシンプルです。
選べるプランは大きく2種類。
「どこまで機能を使いたいか」に応じて選ぶことができます。
プラン | 月額料金(1ユーザーあたり・税抜) | 主な特徴 |
---|---|---|
ライトコース | 780円 | ・基本的なアプリ作成・データ管理ができる ・プロセス管理、グラフ作成は不可 |
スタンダードコース | 1,500円 | ・すべての機能が利用可能 (プロセス管理、グラフ作成、外部サービス連携など) |
kintoneには、初期導入費用やシステム設定費用は基本的に発生しません。
ただし、以下のようなケースでは別途費用がかかる場合があります。
- 外部パートナーに依頼して初期構築・カスタマイズをする場合
- オプション機能(プラグイン・連携サービス)を利用する場合
- ストレージ容量を追加する場合(標準は5GB/ユーザー)
つまり、「基本運用だけなら、月額料金だけ」と考えて問題ありません。
導入規模やカスタマイズ内容によって追加コストが発生することは、事前に把握しておきましょう。
なぜkintoneの料金が「高い」と感じられるのか?

kintoneは、業務の属人化解消やプロセスの可視化、ノーコード開発による柔軟な業務アプリ構築など、多くのメリットを持つ業務改善プラットフォームです。しかし、その価格については「少し高いのでは?」と感じる企業も少なくありません。
ここでは、企業がkintoneを「高い」と感じてしまう主な理由を3つの観点から整理して解説します。
ユーザー単位課金による「見えやすいコスト増加」
kintoneの料金は「ユーザー単位」で発生し、最低10ユーザー〜が契約条件です。
たとえばスタンダードコース(1ユーザーあたり月額1,800円)を100人規模の企業が導入すれば、月額18万円以上のコストになります。
- 必要最低限のユーザーにしか配布できない(コストを抑えるため)
- 利用者間の情報共有に断絶が起きやすくなる
- 全社展開に踏み切れないことで「中途半端な活用」になり、効果を実感しにくくなる
このように、金額がわかりやすく見えてしまう構造だからこそ、「費用対効果が見合っているのか?」という疑念を抱かれやすいのです。
より安価な他社ツールとの単純比較
kintoneと似た用途で導入される他社サービス(例:Microsoft 365、Notion、Backlogなど)は、機能を絞ったりスモールチーム向けの安価なプランを用意していたりするため、「機能あたりの価格」で単純比較される傾向があります。
- Microsoft 365 Business Basic:月額650円(1TBのストレージ、Office Webアプリ含む)
- Google Workspace:月額680円〜(ドキュメント共有、チャット、会議機能など)
これらと比較すると、kintoneの「1,000〜1,800円」は見劣りするように映ってしまうのも無理はありません。特に、機能の広さよりも「価格の安さ」が重視される企業では、この傾向が顕著です。
活用メリットや成果が“可視化されていない”ため
料金が高く感じる根本的な要因のひとつは、「活用できていない=成果が見えない」状態にあります。
- アプリが乱立して整理されていない
- 部門ごとに使い方がバラバラ
- 開発や設計が属人的で引き継ぎに苦労している
- 結局、Excelでの作業が並行して残っている
こういった状態だと、「月額1,800円/ユーザー分の価値を得られているのか?」という疑問が生じます。
反対に、業務時間の削減やコミュニケーションロスの改善など、定量的な成果が明確になれば、むしろ「安い投資」だと感じられるでしょう。
kintoneの費用対効果を発揮させる3つのポイント

小さく始めて、大きく育てる考え方が重要
kintoneは、最初から全社展開を目指すよりも、
まずは一部署や一業務単位でスモールスタートするのがおすすめです。
たとえば、
- 営業部の案件管理アプリを1つ作ってみる
- 経理部の申請業務を1つデジタル化してみる
こうした小さな成功体験を積み重ねることで、
現場に定着し、自然と利用範囲を拡大していくことができます。
いきなり完璧な仕組みを目指すのではなく、
「使いながら育てる」意識を持つことが、kintone活用の最大のコツです。
外部連携・自動化ツールを活用して「作業工数を削減」
kintoneは他のツールと連携することで、手動作業を大幅に削減できます。
活用すべき代表的な連携先は以下の通りです。
- GoogleカレンダーやSlack、Chatworkなどの通知連携
- GASやPowerAutomateを活用したワークフローの自動化
- Excel帳票出力ツール(RepotoneU Pro など)
手作業の削減により、“月◯時間の削減”といった具体的な成果が出やすくなり、費用対効果を明確に感じられるようになります。
ノーコードだからこそ、”誰が責任を持つか”を決める
kintoneは誰でも簡単にアプリを作れる一方で、
自由度が高いぶん「設計がバラバラになる」リスクもあります。
そのため、
- 「どの部署が責任を持つか」
- 「誰がメンテナンス・ルール設計を担うか」
はあらかじめ決めておくべきです。
おすすめは、現場から「kintone推進リーダー」を一人立てることです。
現場目線を持ちながら、全体最適を意識できる人材が中心となれば、使いやすさと運用しやすさを両立した仕組みを作ることができます。
実際の中小企業・部署単位での導入事例2選

ここでは、実際にkintoneを導入して、アナログ・Excel管理から脱却し、業務改善に成功した中小企業の事例をご紹介します。
kintoneは単なるツール導入に留まらず、「数字をリアルタイムで見える化し、業務精度とスピードを向上させる」という点で、強い効果を発揮しています。
原価管理のリアルタイム可視化に成功
建設業界では、現場ごとの材料費や経費をExcelで個別管理することが多く、
二重三重の入力作業やデータ整合ミスが現場と経理双方の負担になっていました。
建設業のA社も、各ツールに分散した数字情報を手作業でまとめており、
リアルタイムな予算管理ができず、収支対策が後手に回るという課題を抱えていました。
そこでkintoneを導入し、
- 経費の自動計算で手入力作業を大幅削減
- 現場ごとの予算消化状況をリアルタイムで把握
- 現場監督向け・経理向けに応じた集計切り替えをワンクリックで実現
さらに、「krewDashboard」プラグインを活用して、kintone上のデータをピボットテーブル化し、
KGI・KPIに対する進捗管理をリアルタイムで可視化しました。
これにより、「今どこで、どれだけ利益が出ているか」を現場全体で共有できる体制を整え、
意思決定のスピードと収益性を大きく向上させています。
スケジュール管理と案件管理の一元化に成功
設備点検業務を行うB社では、これまでスケジュール管理をグループウェア、案件管理を別媒体(Excel等)で行っており、情報が分断されることで入力・更新ミスが発生しやすい状況にありました。
そこでkintone導入により、
- 案件情報とスケジュール情報をワンクリックで紐付け登録
- 定期点検スケジュールの仮登録→確定登録フローを構築
- 仮予約・確定予約のステータス管理も一目で可視化
カレンダーPlusプラグインを活用することで、従来のグループウェアに近い使い勝手を保ちつつ、
スケジュール情報・案件進捗・作業注意点・請求状況までを一元管理できる仕組みを実現しました。
結果登録漏れ・日程調整漏れがゼロになり、業務の正確性と効率が大幅に向上しています。
まとめ|kintoneの導入はプロに相談しよう
Excelや紙での管理に限界を感じているなら、kintoneは現場改善への最適な一歩です。
小さく始めて、大きく育てられるため、中小企業でも無理なく導入・運用できます。現場に負担をかけず、業務をスマートに変えたい。そんな企業にとって、kintoneは確かな選択肢となるでしょう。
しかし、自由度が高いツールだからこそ「何から始めるべきか」「どう業務に組み込むか」で迷うことも多いのが実情です。
特に、数字管理や業務改善といった“成果”につなげるためには、課題に合った設計と使い方が欠かせません。
「業務に合うアプリの作り方が分からない」
「使いやすく設計したいけど社内に詳しい人がいない」
そんな方のために、弊社ではkintoneの導入支援サービスを提供しています。
業務整理からアプリ構築、運用設計、社内への定着サポートまで、“費用対効果を感じられるkintone活用”をプロが伴走。
まずは、貴社の業務フローや課題をヒアリングした上で、最適なkintone活用方法をご提案します。
ご相談は無料ですので、kintoneの導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!