Marketo

Marketo(マルケト)とは?初心者向けに導入から運用までのポイントを解説

目次

Marketo(マルケト)は、世界的に知られるMAツールですが、実際にはどのような機能や特徴を備えているのでしょうか。

本記事では、Marketoの基本的な概要や機能に加え、BtoC向けMAツールとしての印象が強かったMarketoの変化について、利用者の評価を交えながら詳しく解説します。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの基礎知識

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、獲得した見込み客情報を一元的に管理し、見込み客の獲得から育成、選別、さらには営業案件の創出までの複雑なマーケティング活動を支援する仕組みやツールのことを指します。

MAツールですべてのマーケティング業務を完全に自動化できるわけではありませんが、見込み客(リード)の育成確度に基づく優先順位の設定属性やニーズに応じた適切なアプローチ方法の選定などを自動的に行うことが可能です。

Marketo(マルケト)の概要と特徴

Adobe Marketo Engage(マルケト)は、全世界で5,000社以上に導入されているエンゲージメント・マーケティング・プラットフォームです。Marketoは、9つの主要機能を備えたMAツールであり、スコアリングや分析、広告といったマーケティング担当者にとって役立つ機能を提供しています。

これらの機能を効果的に活用することで、マーケティング業務の効率化が実現できます。また、BtoB、BtoCを問わず幅広く導入されている点も大きな特徴です。

Marketo(マルケト)の主要機能解説

MA(マーケティングオートメーション)

ターゲティング見込み顧客のナーチャリング1on1での顧客体験の実現が可能です。また、メールやWeb広告など複数のチャネルを統合できるため、マーケティング活動の把握や効果測定をスムーズに行えます。

メールマーケティング

メールの作成・配信機能を提供します。レスポンシブ対応のテンプレートを利用することで、どのデバイスでも見やすいメールを作成可能です。また、顧客のアクションに応じた自動配信も行えます。

モバイル

スマホアプリにプッシュ通知を送信できる機能です。さらに、アプリ内広告の表示や、ビーコンやジオフェンシング技術を活用したロケーションベースのメッセージ配信も可能です。

ソーシャル

ソーシャルメディアを活用したマーケティング活動を支援します。FacebookやTwitterのSNS共有ボタンや動画を使った情報拡散、パーソナライズ広告によりコンバージョン率の高いSNSを特定できます。これにより、ROI向上が期待できます。

デジタル広告

検索連動型広告やディスプレイ広告の最適化機能です。セグメント化された顧客データを活用し、よりパーソナライズ化した広告を配信可能です。さらに、Webサイトから離脱した訪問者を呼び戻すためのリターゲティング広告も実現できます。

Webサイト

Webサイト訪問者に対するパーソナライズマーケティングが可能です。新規顧客には参照元URLやロケーションを基に、既存顧客には顧客情報やWeb上での行動データを活用したナーチャリングを実施します。

ABM(アカウントベースドマーケティング)

マーケティング、営業、カスタマーサクセスなど複数のチームが連携し、適切な担当者にアプローチできる機能です。従来の広範囲なBtoBマーケティングに対し、ピンポイントなアプローチ高いCV率を目指せます。

マーケティングアナリティクス

マーケティング活動の効果測定を行う機能です。ドラッグ&ドロップ対応の直感的なインターフェースで操作可能です。視覚化されたレポート作成機能により、進捗状況や収益への影響を簡単に把握できます。

プレディクティブコンテンツ

訪問者がWebサイトで必要なコンテンツを効率的に探せる機能です。機械学習とプレディクティブアナリティクスを活用し、それぞれの訪問者に最適なコンテンツをレコメンドします。

Marketo(マルケト)で実現できる成果

Marketoは、多機能なマーケティングオートメーションツールで、顧客ステージの管理LP作成各種マーケティング施策との連携など、多様な活用方法を提供します。ここでは、Marketoに期待できる具体的な効果を紹介します。

適切な顧客層の絞り込みで効率的なマーケティング活動を展開

Marketoには、収集したデータを活用してデジタル広告を自動最適化する「Ad Bridge」機能が搭載されています。この機能を活用することで、精密なターゲティングが可能となり、無駄な広告コストの削減が実現します。

最適化された検索エンジン対策で検索結果の上位獲得を実現

Marketoのダッシュボードでは、SEOへの最適化状況をグラフ化して確認できます。設定したキーワードに基づいて、自社サイトの順位を把握できるほか、Marketo独自の測定スコアを改善することで、検索結果の上位表示を達成可能です。

個別ニーズに応じたカスタマイズされたサービス提供を可能に

Marketoには、顧客に合わせたパーソナライズ機能が搭載されています。顧客の特徴や行動に基づいて自動でメールを送信する機能や、ソーシャルメディアのサポート機能などがあります。
これらを活用することで、休眠顧客に有効な施策を実施できるほか、自社コンテンツと最適なソーシャルメディアの組み合わせを客観的に判断できます。

Marketo(マルケト)導入によるメリット

豊富な機能を搭載

10種類のアプリケーションが利用可能であり、あらゆる企業がMAツールとして必要十分な機能を活用できます。これらの機能を効果的に使いこなすことで、マーケティング活動だけでなく営業やインサイドセールスの効率化も実現し、成果を最大化しやすくなります。

活発なユーザーコミュニティの存在

Marketoには、以下の3種類のユーザーコミュニティが用意されています:

  • ユーザー会
  • ユーザー分科会
  • オンラインコミュニティ

これらの場では、Marketoに関する情報だけでなく、マーケティング全般の知見やノウハウの意見交換も可能です。公式がこうした交流の場を提供している点は、大きなメリットと言えます。

専門家による充実したサポート体制

Marketoでは、初期導入支援マーケティング戦略の立案支援を含むコンサルティングサービスを提供しています。これにより、企業はMarketoを活用した効率的な成果達成が可能となります。自社の目標達成を強力にサポートしてくれる点も魅力的です。

Marketo(マルケト)導入における課題と注意点

ランニングコストが競合製品より高い

Marketoのデメリットとしてまず挙げられるのは、競合製品と比較してランニングコストが高い点です。

  • Marketoは豊富な機能を持つ反面、導入費用やライセンス料、カスタマイズ費用、サポート料金などが高額になる傾向があります。
  • 特に中小企業や予算に制約がある企業にとって、コスト面が大きな障害となる場合があります。

そのため、事前に全体的な価値やROI(投資利益率)を評価し、費用対効果を試算することが重要です。

初心者には操作が難しく感じられる

Marketoのもう1つのデメリットは、機能が多すぎて初心者には操作が難しい点です。

  • Marketoは、マーケティングオートメーションから分析、コンテンツ管理まで幅広い機能を提供しています。
  • しかし、多機能すぎることがかえって操作の難しさやストレスを生む可能性があります。

初心者の場合、これらの機能を理解し適切に操作するには時間が必要であるため、公式のトレーニングプログラムサポートサービスを利用することが推奨されます。

日本語対応が不十分な場合がある

Marketoは、英語が主流のグローバルなマーケティングプラットフォームであるため、日本語対応が不十分と感じる場面もあります。

  • 公式ドキュメンテーションやサポートが英語表記の場合が多いため、特に日本語でのサポートを求めるユーザーには不便を感じさせることがあります。
  • 不明な機能や表現に直面した際には、公式サポートへの問い合わせ外部の翻訳サービスを利用する必要があるため、ユーザーによっては使いにくいと感じることもあります。

Marketo(マルケト)の実績:世界5,000社以上の信頼

Marketo(マルケト)は、全世界39か国、5,000社以上の企業に導入されている、豊富な実績を持つMAツールです。

多くの実績を持つMAツール

Marketoは、長年にわたる導入実績を誇り、さまざまな業種・規模の企業で信頼されているツールです。その広範な利用実績から、多様なニーズに対応可能な汎用性の高さが特徴です。

初めてのMA導入でも安心

MAツールの導入が初めての場合でも、Marketoは豊富な実績と充実したサポート体制を備えているため、安心して利用を開始できます。専門的なサポートにより、導入から運用までスムーズに進めることができます。

Marketoは、マーケティング活動の効率化を目指す企業にとって最適な選択肢と言えるでしょう。

Marketo(マルケト)と競合MAツールの機能比較

ferret One(フェレットワン)

ferret Oneは、BtoBマーケティングに必要なCMS機能MA機能を包括的に備えたツールです。Web制作からリード獲得、顧客管理までをカバーしながら、操作がシンプルで使いやすいのが特徴です。

  • Marketoとの違い:
    BtoBマーケティングに特化しており、特に株式会社ベーシックの「ferret」が提供するため、マーケティング施策の相談や支援も受けられる点がメリットです。初心者やスキルに不安がある場合でも安心して活用できます。
  • 公式サイト: ferret One

HubSpot Marketing Hub

Marketing Hubは、HubSpotが提供するMAツールで、見込み顧客の獲得育成を効率化できる設計です。

  • Marketoとの違い:
    インバウンドマーケティングに特化しており、低コストで始められる点が大きな魅力です。一方で、より大規模かつ幅広いマーケティング活動を行いたい場合は、多機能なMarketoの方が適しています。

Salesforce Pardot(パードット)

Pardotは、世界トップのCRMツール「Salesforce」と連携することでMAツールとしての最大効果を発揮する設計になっています。主にBtoB企業向けに強みを持つツールです。

  • Marketoとの違い:
    Salesforceとのシームレスな連携に強みがあり、BtoB企業に最適です。すでにSalesforceを利用している企業におすすめですが、BtoC向けの企業にはMarketoの方が適していると言えます。

Marketo(マルケト)導入をおすすめしたい企業の特徴

自社に合った機能をカスタマイズしたい企業

Marketoは高いカスタマイズ性を持つMAツールで、自社のニーズに合わせた機能を柔軟に導入できます。ただし、カスタマイズにはコストが伴うため、マーケティング規模が大きく、費用対効果を最大化できる大企業に特に向いています。

また、Marketoを効果的に活用するには、高いマーケティングスキルを持つスタッフが必要です。スキルに不安がある場合は、コンサルティングサービスの活用などを検討することで、導入後の運用をスムーズに進められます。

SFAやCRMを導入しており、データを一元管理したい企業

Marketoは、API連携の豊富さが特徴で、SFAやCRMをはじめとするさまざまなツールやソフトウェアと連携可能です。これにより、各ツールのデータを一元管理したい企業にとって、効率的なマーケティング運用を実現する選択肢となります。

Marketo(マルケト)活用成功事例:3社の実績紹介

最適な顧客育成アプローチの実現で成果を上げた

村田製作所では、プロモーション活動が分断されており、顧客の購入プロセスがつながっていないという課題を抱えていました。この課題を解決するため、顧客行動の見える化購買プロセスの整備を目的にMarketoを導入。
Webサイトのコンテンツを充実させ、見込み顧客を発掘し、Marketoのデータ分析機能顧客にあわせたアプローチを活用することで、リードナーチャリングに成功しました。

販売手法を刷新し、問合せ数を15倍に拡大

株式会社トヨコンでは、飛び込み営業や押し売り営業などの従来型セールスに課題を感じていました。顧客のニーズを把握し、適切なタイミングでアプローチするためにMarketoを導入。
導入後は仕組みが浸透し、問い合わせ件数が15倍に増加、さらに問い合わせからの受注率が20%に達するなど、大きな成果を上げています。

組織全体の目標一致により案件数を40倍に増加

さくらインターネット株式会社では、マーケティング部と営業部の連携不足が課題でした。そこで、両部門がMarketoを活用する短期ミッションを実行。
この取り組みにより、部署間でゴールを統一し、マーケティング部がナーチャリングしたリードを営業部が引き継ぐ流れを構築。結果として、案件化数が40倍に増加しました。

MAツールの選び方とは

BtoB向けかBtoC向けか

MAツールには、BtoB向けBtoC向けのものがあります。

  • 法人向けビジネスと消費者向けビジネスでは、見込み顧客数アプローチ方法プロセスが異なるため、それに応じてツールの機能も変わります。
  • MAツールを導入する前に、自社のビジネスモデルに適した機能や特徴を持つツールを選びましょう。

自社の導入目的と機能が一致しているか

市場には多種多様なMAツールがあり、それぞれ備わる機能が異なります。

  • 導入の目的を明確にし、必要な機能が備わっているかを確認することが重要です。
  • 例えば、見込み顧客のナーチャリングが目的であれば、リード情報管理スコアリング機能が充実したツールを選ぶと良いでしょう。

現場が使いやすい操作性か

  • MAツールの中には、直感的に操作できるツールもあれば、専門知識が必要なものもあります。
  • 現場で使いこなせないツールを導入してしまうと、期待する効果が得られない可能性があります。
  • 初めて導入する場合は、シンプルな機能を備えたものから始めるスモールスタートがおすすめです。

費用対効果は適切か

  • MAツールには、高価格帯から低価格帯までさまざまな選択肢があります。
  • 価格だけで決めるのではなく、費用対効果を重視しましょう。
  • 導入によるコスト削減売上増加の可能性をシミュレーションし、コストと期待される効果を比較することが大切です。

自社と同規模・同業種の他社が導入しているか

  • 導入実績は、ツール選定の有力な判断材料となります。
  • 特に、同規模同業種の企業が導入しているツールであれば、自社でも運用可能な可能性が高いと考えられます。
  • 導入事例は各ツールの公式サイトで公開されていることが多いため、事前に確認してみましょう。

最適なMarketo(マルケト)導入パートナーの選定基準とは?

提供するサポートの範囲と詳細

MA運用をワンストップでサポートしてくれる代理店を選びましょう。

  • 代理店によって得意とする領域は異なります。たとえば、「MA運用には強いがコンテンツ制作が弱い」や「支援数は多いが深いコミットメントが少ない」といったケースがあります。
  • MA運用業務は幅広いため、支援数が多くなくても、深く関わってくれる代理店の方が安心して任せられます。

過去の導入支援における成功事例

代理店の具体的なサポート実績を確認しましょう。

  • Marketoの導入や設定が主な支援内容の代理店もありますが、MAツールは導入後の運用が重要です。
  • 貴社の目標達成をサポートするために、施策の立案や運用支援に積極的に取り組んでくれる代理店を選ぶことが大切です。

導入・運用にかかるコスト

代理店の費用が、長期的に支払い可能な予算内かを確認しましょう。

  • MA運用は一時的な活動ではなく、事業が続く限り継続的に実施するものです。
  • サービス内容や実績が優れていても、予算に合わなければ継続は難しくなります。費用対効果を考慮して、バランスの取れた代理店を選びましょう。

まとめ

Marketoは、10種類のアプリケーションを活用することで、リード獲得から他部門との連携まで対応可能な多機能MAツールです。ほとんどのマーケティングオートメーションをMarketoだけで完結できるほどの機能を備えており、操作が複雑に感じる場合でも充実したサポートを受けることができます。

自社だけでの運用が難しいという場合には、ぜひこの機会に「運用・導入支援パートナー(コンサル)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

関連記事

カテゴリー一覧

TOP