営業支援ツール(SFA)

DX推進に使える補助金はどれ?6つの制度を比較&申請から受け取りまでの手順も解説

「DXを進めたいけど、コストと人手の壁が高い」──そんなお悩み、ありませんか?

営業管理や顧客対応が属人化していて、いつも情報がバラバラ。SFAやCRMなどのツール導入を検討しているけれど…

「費用対効果は見合うのか?」
「使いこなせず、お荷物になるんじゃ?」
「社内にツールを定着させる余裕がない…」

こうした不安から、なかなか一歩を踏み出せない中小企業・スタートアップの経営者は少なくありません。

そんな中、今注目されているのが、DX推進に使える「補助金・助成金」の活用です。実は、SFAやCRMのような業務効率化ツールの導入や、それに必要な教育・設計・構築までを対象とした公的支援制度が複数存在し、最大75%の経費補助が受けられるケースも

本記事では、DX推進に活用できる補助金制度の概要から申請方法、導入の成功事例までを徹底解説。自社の成長を支えるDXの第一歩を、低リスク・高効果で実現するためのヒントをお届けします。

DXとは?補助金の対象となる“業務のデジタル化”を解説

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉はよく聞くようになったけれど、実際に何をすれば“DX”と言えるのか、いまいちピンと来ない。そんな経営者の方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、補助金の対象になる「DX」とは、単なるデジタルツールの導入ではありません。
“業務の効率化・競争力強化を目的とした、IT・デジタル技術の活用”が、支援対象として明確に定義されています。

たとえば、以下のような取り組みは補助金対象となり得ます:

施策内容具体例想定されるツール
営業の属人化解消商談・顧客管理を一元化SFA/CRMツール(Salesforce, HubSpot等)
情報共有の非効率営業とマーケの情報連携MAツール/チャット連携/カレンダー統合
教育・育成の属人性新人研修をマニュアル化eラーニング+SFAレクチャー設計
過去商談データの活用不足受注・失注傾向の分析CRM連携による可視化ダッシュボード

補助金の申請においては、単にSFAを契約するだけではなく、

  • 社内フローの可視化・再設計
  • 担当者への研修・マニュアル整備
  • 実運用までの定着支援

といった“仕組みの構築”までを含む計画性が求められます。

【一覧比較表あり】DXで使える6種類の補助金・助成金

それでは、代表的な6つの制度について、概要・対象者・補助額を順に解説します。

「結局、自社にはどの補助金・助成金が合うのか分からない…」という方のために、主要6制度の概要・補助率・上限額・適したシーンを一覧で整理しました。

制度名補助率補助上限額主な活用用途特徴・おすすめ企業
IT導入補助金最大3/4(通常1/2)最大350万円(ソフト)最大20万円/台(ハード)SFA/CRMなどのツール導入PC・POSレジ等も対象登録ツール限定/最も申請数が多い制度
ものづくり補助金2/3最大1,250万円業務システム・自動化装置の導入設備投資を含む大規模改革向け
事業再構築補助金1/2〜2/3最大1.5億円(枠により異なる)新規事業/業態転換/SFA導入+広告費等大型投資+中長期成長計画が必須
小規模事業者持続化補助金2/3(赤字企業は3/4)最大200万円+インボイス特例ありSFA導入/LP制作/販促小規模事業者に特化した柔軟な制度
キャリアアップ助成金~3/4最大57万円/人派遣社員の正社員化/制度導入DX人材を社内育成したい企業向け
人材開発支援助成金定額(訓練により異なる)最大2,500万円SFA操作研修/DX研修/社員教育社員教育・レクチャーに活用可。最大補助額が高い

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主が自社の業務課題やニーズに応じたITツールを導入する際、その導入費用の一部を国が補助する制度です。
業務効率化・生産性向上・売上アップなど、企業の持続的な成長を支援することを目的に設けられています。

制度は経済産業省のもと、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が事務局として運営しており、申請はIT導入支援事業者(国に登録されたベンダー)との連携が必要です。対象となるITツールも、事前に登録されたものに限定されているため、あらかじめ導入ツールの確認が必要です。

■ IT導入補助金の対象者

IT導入補助金の対象となるのは、以下のような資本金・従業員数要件を満たす中小企業や個人事業主、非営利法人(医療法人・社会福祉法人・学校法人など)です。

業種資本金の上限常勤従業員数の上限
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(旅館業・情報処理業除く)5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
その他の業種3億円以下300人以下
医療法人・社会福祉法人・学校法人300人以下

■ 補助率・補助額の詳細(申請枠ごとに比較)

IT導入補助金は、事業目的に応じて複数の申請枠が用意されています。それぞれ補助対象や補助率・上限額が異なります。

▼ 通常枠(A類型・B類型)

業務用ソフトやクラウドサービスの導入に適した基本的な枠です。ハードウェアは対象外となります。

類型補助額補助率要件
A類型5万円〜150万円未満1/2以内必須プロセス1以上、賃上げ目標は加点対象
B類型150万円〜450万円以下1/2以内必須プロセス4以上、賃上げ目標の達成が必須

「プロセス数」とは?
導入するツールがカバーする業務領域を指し、以下のような分類があります:

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収
  • 供給・在庫・物流管理
  • 会計・財務・経営管理
  • 人事・労務・教育訓練など
  • 業種固有プロセス
  • 汎用・自動化・分析ツール
▼ セキュリティ対策推進枠

サイバー攻撃への備えとして、セキュリティ対策ソフト導入を支援する枠です。

  • 補助額:5万円〜100万円
  • 補助率:1/2以内
  • 対象経費:情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」利用料(最大2年分)

※指定リスト内のサービス利用が条件となります。

▼ デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型

中小企業の会計・受発注・決済・EC対応を支援し、インボイス制度や電子化対応を促進する特別枠です。

  • 対象:
     ・ソフトウェア(会計・受発注・決済・ECなど)
     ・ハードウェア(PC・タブレット・券売機・POSレジなど)
  • 補助率:
     ・ソフトウェア等:最大3/4
     ・ハードウェア等:1/2
  • 補助上限:
     ・ソフトウェア導入:最大350万円
     ・ハードウェア導入:最大20万円(1台あたり)

ものづくり補助金

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業や小規模事業者が「生産性向上」を目的とした設備投資やシステム導入を行う際に活用できる国の補助金制度です。

特にDX化(デジタルトランスフォーメーション)を伴う取り組みは、「デジタル枠」という特別枠で支援されており、AIやIoT、ビッグデータなどの活用により業務の効率化や新サービス開発を図る企業にとって非常に有用です。

■ 制度の概要|“デジタル枠”の対象とは

「デジタル枠」は、以下のようなDXに関する取り組みに対する設備・システム導入費用の補助を目的とした枠です。

  • AI・IoT・クラウドなどを活用した革新的な製品・サービス開発
  • デジタル技術を用いた生産プロセスや提供方法の改善

たとえば、営業管理のSFAツールや在庫・製造の自動化、EC基盤の導入なども該当する可能性があります。

また、審査の結果「デジタル枠」として採択されなくても、通常枠として再審査されるチャンスが残されている点もメリットです。

■ 応募要件|事業計画と2つの“デジタル化”対応が必要

▼ 共通要件(すべて必須)

申請にあたっては、以下3点を含んだ3〜5年の事業計画の策定が必須です。

  1. 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を年率平均3%以上増加させること
  2. 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
  3. 最低賃金を「地域最低賃金+30円」以上に設定すること

→ 上記目標が達成されなければ、補助金の返還義務が発生する場合もあるため要注意です。

▼ デジタル枠特有の要件(以下2点を満たす必要あり)
  • DX推進指標の活用
     経済産業省が策定した「DX推進指標」に基づき、35項目の自己診断を行い、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)に提出。
  • セキュリティアクション宣言の実施
     情報セキュリティ5か条の実践、および情報セキュリティ基本方針を社外公開すること。

■ 対象となる企業・事業者

以下の条件を満たす企業が対象となります。

▼ 中小企業
業種資本金従業員数
製造業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
▼ 特定事業者(大企業ではないが、一定規模の法人も含む)
業種資本金従業員数
製造業10億円未満500人以下
卸売業400人以下
サービス業300人以下
小売業300人以下

■ 補助率/補助額|従業員規模に応じて上限設定あり

デジタル枠では、一律で補助率2/3が適用され、従業員数に応じて補助金の上限額が設定されています。

常勤従業員数補助上限額補助率
5人以下最大750万円2/3
6~20人最大1,000万円2/3
21人以上最大1,250万円2/3

事業再構築補助金

「事業再構築補助金」は、新しい事業分野への展開やビジネスモデルの転換を支援する大型補助制度です。
特に、SFA・CRM導入やEC化、業務オペレーションの再設計など、DX化を伴う「事業の再構築」において有効に活用できます。

■ 制度の概要|事業の“再構築”で補助金が出る仕組み

本制度は、中小企業庁によって設けられた補助金制度で、以下のような大きな変革を目指す企業に対して支援されます。

  • 新分野展開(例:アパレル企業が自社ECを開設)
  • 業態転換(例:対面営業からインサイドセールス化)
  • 事業再編(例:旧来の業務を自動化し、新たな業務プロセスへ移行)

補助対象となるのは、以下のようなDX投資関連費用を含む幅広い経費です。

  • SFA・CRMツール導入などのシステム構築費
  • サブスク型クラウドツールの利用料
  • DX推進を担う人材の研修費
  • プロモーションに必要な広告費・外注費
  • ITインフラや装置のリース料

■ 応募要件|2023年以降は「成長性」がカギに

以前は「コロナによる売上減少」が条件でしたが、現在の申請には以下の2つの要件を満たすことが必要です。

  1. 認定経営革新等支援機関(※)の確認を受けた事業計画を策定していること
  2. 付加価値額を年率3~5%向上させること

※ 認定支援機関:商工会議所、金融機関、税理士法人など

また、「通常枠」は2023年の第10回以降に廃止され、代わって「成長枠」が導入されました。成長枠ではさらに以下2点が条件に加わります。

  • 市場規模が過去または今後10年で10%以上拡大見込みの事業分野に取り組むこと
  • 給与支給総額を年率2%以上増加させること(3~5年以内)

このように、持続可能な成長を前提とした事業再構築でなければ申請できない点に注意が必要です。

■ 補助対象者|中小企業だけでなく一部中堅企業も対象

事業再構築補助金の対象となるのは、以下のような中小企業・小規模事業者です。

業種資本金常勤従業員数
製造業・建設業・運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(ソフトウェア業・旅館業を除く)5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下

※ 一部、大規模法人でも「中堅企業等枠」で申請可能な場合があります。

■ 補助率/補助額|最大で“億”規模の支援も可能に

本制度では、申請枠によって補助額・補助率が異なります。詳細は公式資料をご確認いただく必要がありますが、主なポイントを以下にまとめます。

申請枠補助上限額補助率
成長枠最大7,000万円~1.5億円程度1/2~2/3(従業員数や成長性に応じて変動)
グリーン成長枠~2億円同上
緊急対策枠(過去受付)~1億円同上
大規模賃上げ枠~1.5億円同上
回復・再生応援枠~1,000万円同上

SFAや業務基盤再設計に関しては、クラウドサービスや導入に伴う教育・外注・販促費用まで幅広く対応可能であるため、補助金制度の中でも活用価値が非常に高いといえます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、少人数で運営する企業がDXや販路開拓に取り組む際に活用しやすい身近な補助制度です。
たとえば、SFAやCRMの導入、Web広告・LP制作などのプロモーション施策、業務効率化のためのツール導入といった活動を支援してくれます。

■ 制度の概要|販路開拓・業務効率化への支出を国がサポート

この制度は、中小企業庁および日本商工会議所が運営しており、小規模事業者が新たな顧客を獲得したり、業務の生産性を上げる取り組みに対して、補助金を交付する仕組みです。

具体的には以下のような取り組みが対象になります:

  • SFAや業務管理ツールの導入費
  • ホームページやECサイトの開設・改修
  • 広告運用費、販促物の制作費
  • 業務効率化のための設備投資(PC・周辺機器など)

赤字企業で賃金引上げ枠を選んだ場合、最大3/4の補助率が適用されるなど、かなり手厚いサポート内容となっています。

■ 補助対象者|従業員数の少ない小規模事業者が対象

補助金を申請できるのは、以下のような「小規模事業者」です。

業種常勤従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業・その他20人以下

また、直近3年の課税所得平均が15億円を超えていないこと、および一部大企業に実質的に支配されていないこと(出資比率などの制限)も条件となります。

■ 補助率/補助額|最大200万円+インボイス特例の加算も

小規模事業者持続化補助金では、事業内容や申請枠に応じて補助額が異なります。
以下の表は、代表的な4つの申請枠と条件をまとめたものです。

申請枠補助率補助上限額特記事項
通常枠2/350万円最も基本的な申請枠
賃金引上げ枠2/3(赤字企業は3/4)200万円最低賃金引上げが必要
卒業枠2/3200万円補助事業終了後、小規模要件を超えることが必要
創業枠2/3200万円過去3年以内に自治体の創業支援を受けたことが必要

さらに、インボイス制度対応のための投資に関連する場合は、補助上限に+50万円の上乗せ(例:通常枠→最大100万円)も可能となっています。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、派遣社員や有期雇用者を正社員化したり、待遇を改善した企業に支給される制度です。
特に、DXを外部に丸投げせず、社内の人材を育成して推進したい企業にとっては、大きな味方となります。

■ 制度の概要|非正規社員の“DX人材化”を後押し

「DXを進めたいが、社内に十分なIT人材がいない」とお悩みの企業も多いはず。
とはいえ、外部エンジニアに任せきりでは自社にナレッジが残らないという課題も。

そこで注目すべきなのがこの「キャリアアップ助成金」。
自社の業務を熟知している派遣社員や契約社員を正社員化・スキルアップさせてDX人材に転換することで、人材活用とコスト支援の両面から改革を進められます。

助成対象となる支援メニューは主に以下の2つです:

  • 正社員化支援
  • 処遇改善支援(賃金規定/賞与・退職金制度など)

■ 申請条件|キャリアアップ計画の策定と管理体制がカギ

助成金を申請するには、以下の条件を満たしておく必要があります。

  1. 雇用保険適用事業所に「キャリアアップ管理者」を置くこと
  2. 対象者ごとのキャリアアップ計画を作成し、労働局の認定を受けること
  3. 対象者の労働状況・賃金支払い記録を明確に整備しておくこと
  4. キャリアアップ計画期間中に、実際にキャリアアップ施策を実施すること
  5. その他、助成金の除外要件に該当しないこと

いずれも「きちんとした社内記録と実施状況の証明」が求められる点に注意が必要です。

■ 助成金額(例)|1名あたり最大57万円、制度導入で60万円も

キャリアアップ助成金は、以下のように正社員化や制度導入ごとに金額が設定されています。

▼正社員化コース(1人あたり)

雇用形態中小企業大企業
有期 → 正規57万円42万7,500円
無期 → 正規28万5,000円21万3,750円

▼賃金規定等共通化コース(1事業所あたり)

企業規模助成額
中小企業60万円
大企業45万円

▼賞与・退職金制度導入コース

導入内容中小企業大企業
賞与または退職金40万円30万円
両方を同時に導入56万8,000円42万6,000円

人材開発支援助成金

「DX化を進めたいが、社内にツールを使いこなせる人がいない」「新しいツールを導入しても社内教育が追いつかない」
そんな悩みを抱える中小企業にとって、人材開発支援助成金は“育成コストの不安”を軽減できる有力な制度です。

■ 制度の概要|“人材教育”を支援する厚生労働省管轄の助成金

人材開発支援助成金は、中小企業や小規模事業者の人材育成費用を補助する制度で、DXツール導入や業務改革の一環として行う社内研修にも活用可能です。

研修費用や教育訓練中の賃金を補助してくれるため、既存社員を対象にSFAやCRMツールの操作研修などを行いたい企業にもおすすめです。

■ 申請枠|目的別に多数のコースが用意されている

人材開発支援助成金には、目的や対象に応じて以下の申請枠(コース)があります。

コース名内容例
人材育成コース業務スキル向上のための社内・外部研修
教育訓練休暇等付与コース教育訓練を促進する制度の導入
人への投資促進コースITスキル習得を含む人材教育全般
事業展開等リスキリング支援コース新規事業展開・業務転換に向けた教育
建設労働者訓練・障害者開発系業種・属性特化の専門訓練

とくに「人材育成コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」は、DXに伴う研修に親和性が高く、活用しやすい枠です。

■ 補助率/補助額|最大2,500万円支給も可能

項目内容
補助率原則、訓練費・賃金ともに定額支給(訓練内容により異なる)
補助上限額36万円〜最大2,500万円(※コースや訓練規模により異なる)

たとえば、業務効率化を目的としたSFA活用研修を行った場合、講師費用・教材費・外部委託費・社員の賃金などが助成対象となります。

■ 補助対象経費|“実施にかかる費用”をまるごとカバー

以下のような経費が補助対象となります:

  • 訓練費(講師謝礼・教材費・外部研修費など)
  • 訓練期間中に支払う社員の賃金(一定の条件あり)

業務の傍らで社員を研修に参加させる場合、人的コストの不安を補える点が非常に実用的です。

補助金・助成金申請から受給までの基本的な流れ

補助金や助成金を活用してDXを推進するためには、制度の仕組みや申請プロセスを正しく理解しておくことが不可欠です。ここでは、基本的な流れを順を追ってわかりやすくご紹介します。※制度により例外もあるため、最新の公募要項を必ずご確認ください。

制度を選び、公募要項を確認する

まずは、自社の業種や課題に合った補助金・助成金を見つけることが第一歩です。DX推進を目的とする場合でも、支援の対象や要件は制度ごとに異なります。

選定時には中小企業庁の「ミラサポplus」などの検索サービスを活用すると便利です。制度概要、要件、過去事例、申請の可否判断などがまとまっており、電子申請のサポートも受けられます。

応募制度が決まったら、対象経費・補助率・必要書類・スケジュールなどを公募要項で詳しく確認しましょう。

事業計画書と申請書類の準備

補助金の審査では、計画の具体性や成果の見込みが重要視されます。申請にあたっては、以下のような書類を作成・準備する必要があります。

  • 事業計画書(目的・内容・スケジュール・費用対効果などを明記)
  • 応募申請書
  • 経費明細や見積書
  • 支援機関の確認書類など

審査基準を意識して、事業の社会的意義や生産性向上への貢献も明確に記載しましょう。

申請書類の提出

必要な書類が揃ったら、期日までに申請を行います。郵送または電子申請の形式があり、制度によって異なります。

提出方法や提出先も事前に要確認。申請が完了していなければ、どれほど準備が整っていても審査対象になりません。

審査通過後、交付申請を実施

審査を通過すると「採択通知」が届きます。ただし、これは正式な補助金交付を意味するものではありません

採択後は「交付申請書」を提出し、承認を受けることで初めて事業開始が認められます。交付決定を受ける前に着手した経費は補助対象外となるため、十分注意が必要です。

計画通りにDX事業を実行

交付決定を受けた後、事業計画に沿ってDX推進を実行します。業務のシステム化、AIやRPAの導入、クラウド環境の構築などが代表的な取り組みです。

補助対象となるのは、計画書に記載された事業内容に限られます。もし内容に変更が生じた場合は、必ず事前に相談・承認を取りましょう

実績報告書の提出

事業が完了したら、その成果や費用の使途についてまとめた「実績報告書」を提出します。補助金の審査では、支出内容が制度上のルールに沿っているかが精査されます。

不適切な支出や未報告の取り組みがあれば、補助対象外となる可能性があるため、記録や領収書類の整備も重要です。

補助金の受給

実績報告が承認されると、確定した金額の補助金が指定口座に振り込まれます。入金までには1〜2か月ほどかかるケースもあります。

また、補助金を受け取った後も、事業関連の書類は原則5年間の保管義務があります。万一の調査や監査に備えて、正確に保管しておきましょう。

補助金を活用する前に知っておきたい4つの注意点

補助金や助成金を活用すれば、DX化をはじめとしたさまざまな取り組みに大きな後押しを得られます。ただし、制度の性質上、注意すべき点も少なくありません。ここでは、利用前に必ず押さえておきたいポイントを4つに絞ってご紹介します。

必ず審査に通るとは限らない

補助金は国の予算(=税金)を原資としているため、申請があれば誰でももらえるというものではありません。予算には限りがあるため、申請内容が要件を満たしているか、事業効果があるかなどを審査したうえで、支給対象が選ばれます。

特に人気のある補助制度は応募者数が多く、採択率が30%前後に落ち込むことも。こうした点から、「申請すればもらえる」と安易に考えず、万が一に備えた事業設計をしておくことが重要です。

また、複数の補助金制度を同時に申請することは可能です(ただし、同一事業に対して重複して受給することは不可)。書類の使い回しがしやすい場合は、戦略的に複数申請しておくのも有効です。

事務処理の負担は想像以上に大きい。

補助金を受け取るまでには、申請・審査・交付決定・事業実施・実績報告など、かなりのステップを踏む必要があります。そのすべてで、各種書類の作成や証憑の管理、期限管理といった煩雑な対応が求められます。

このため、金額の大きさだけで補助金を選ぶのではなく、その裏にある「申請や報告の労力」とのバランスも考慮しておくことが賢明です。社内にリソースが足りない場合は、専門家への相談や外部委託も検討すると良いでしょう。

補助金・助成金は“先払い”ではなく“後払い”

意外と見落とされがちなのが、補助金・助成金は基本的に「立替払い」が前提であるという点です。つまり、まずは自己資金で全額支払いを行い、あとから補助対象経費の一部が返ってくるという流れになります。

たとえば、補助率2/3・上限100万円の制度を活用する場合、まずは150万円分の経費を支出しなければ補助は受けられません。

「補助金が出るから自己資金は不要」と誤解してしまうと、資金繰りが苦しくなる恐れもあります。申請前に、必要な資金の目処は必ず立てておきましょう。

不正受給は厳罰対象。うっかりミスも命取りに

補助金は公共性の高い制度であるため、使い道に関して厳格なルールが設けられています。不正と見なされると、金額の返還はもちろん、ペナルティ(年10%以上の加算金)や将来的な申請停止などの措置が科されることもあります。

たとえば、対象期間外の発注、架空請求、領収書の金額改ざん、費用の二重計上といった行為はすべてNGです。悪意がなくても「うっかり」のミスが大きなトラブルにつながる可能性があるため、日々の記録や経費管理には細心の注意が必要です。

今なら450万円お得に!DX補助金×SFA導入パッケージのご案内

ここまでご紹介してきたように、DX推進に活用できる補助金・助成金は数多く存在し、
うまく活用すれば、SFAやCRMなどの業務改善ツールも「低リスク・高効率」で導入できるということが分かったと思います。

とはいえ──

  • 自社に合った制度を選ぶのが難しい
  • 書類作成や要件整理に時間を取られる
  • 補助金を活用したツール設計に不安がある

そんな方に向けて、GENNEでは人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を活用した、SFA/CRM導入支援パッケージをご用意しています。

たとえば、600万円のSFA/CRM構築でも…

このうちレクチャー部分を「DX研修」として補助金対象に切り替えることで、
15名受講 × 30万円 × 75% = 最大450万円 の助成金を受給可能。

▶ 実際の負担額:
610万円(構築費)− 450万円(助成金)= 実質負担160万円!

導入だけでなく「定着・活用」まで含めて支援

GENNEの支援パッケージは、ツールを「導入して終わり」ではありません。
社内業務フローの可視化から設計、操作レクチャー、教育・定着支援、実績報告までワンストップでサポート。
補助金の対象になる要件整理や申請サポートもすべてお任せいただけます。

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