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世の中には様々な問題があり、それを解決することがビジネスの基本となっています。
インターネットが普及した現代で、解決策を見つけることは非常に容易になっていますが、中には自力で解決しなければいけない問題も多くあり、そこにビジネスが存在しているのです。普段の生活の中で問題点を見つけることは多々ありますが、その解決策を考えることが非常に困難な事は周知の事実であると思います。そこで今回は、ある問題を解決するために使う「特性要因図(フィッシュボーン図)」をご紹介します。
記事の最初にはテンプレートもご用意していますので、ぜひご利用ください!
特性要因図
(フィッシュボーン図)とは
特性要因図とは、別名フィッシュボーン図とも呼ばれ、問題の解決を視覚的に行うために使われる手法です。
作成後の図の形が魚の骨に似ていることからこう呼ばれています。
1956年、化学工学者の石川馨氏が考案した手法で、もともとは製造業で起こる問題の特定と対策手法を検討するために作成されました。
現在では、製造業に限らず、マーケティングなど様々な分野で活用されています。
特性要因図を利用するメリット
見えているものから見えていないものまで、問題のあらゆる要因を出しつくすことから多くのメリットがあります。
課題を全て洗い出すことができるため、どのように解決していくのかを考える際に先入観なく考えることができるようになります。
また、視覚化されることで、問題の要因がどのような形で成り立っているのかすぐわかり、共通認識を持つことが容易になります。
さらにこれらはノウハウとして蓄積されるため、問題を解決する際の品質を高め、より効率的に問題解決を行うことができるようになります。
特性要因図を作成する手順
特性要因図は大きく分けて4つの段階に分けて作成します。
背骨「解決したい問題」の決定
一番初めに、特性要因図を利用して解決したい問題を決定します。
これが魚の「背骨」に当たる部分となります。
大骨「主な要因」の決定
決定した「解決したい問題」の要因となっているものを書き出します。
ここでのポイントは、ブレインストーミングなどを利用して時間をかけずに思いついたことから挙げていくことです。
そして、4Mと呼ばれる「Man(人)」「Machine(設備や技術面での環境)」「Method(方法)」「Material(ビジネス面でのツール、手法)」をベースに検討することも頭に入れておきましょう。
中骨・小骨「主な要因の分解」
思いついた主な原因をより詳しく深掘りし、原因の解決策を鮮明に思い浮かべられるレベルにしましょう。
この時によく利用されるのが「なぜなぜ分析」と呼ばれる手法で、「1つの事象に対して5回のなぜをぶつける」という方法です。
これにより、本質的な原因を突き止めていくことができます。
主要因を洗い出す
大骨や中骨、小骨の中から、問題解決に直接影響を与えると考えられる要因を決めて色を使って識別していきます。
問題の要因となっているものの多くは、「管理不足」「怠慢」「手抜き」などによって起こるものであると定義されています。
そのため、書き出した中からこれらに当てはまるものがないか探して印を付けていきましょう。
特性要因図作成の際に注意すべきこと
非常に簡単に作成することができる特性要因図ですが、作成時に注意していただきたことが2点あります。
1点目は、客観的な視点を持って図の作成を行うということです。
問題の要因を特定するために利用されるため、そこに主観が入っていてはいけません。
主観の中には問題の要因ではないものが含まれていることも多く、ブレインストーミングなどで挙げた要因の中に不純物が混じってしまうと、本当に改善すべき要因を発見することが困難になってしまいます。
そのため、要因を挙げる際は主観的にならず、客観的な視点を持つことを意識しましょう。
2点目は、最初から要因を4つにこだわらないということです。
4Mという言葉を出したため、特性要因図を作成する際は4Mに沿って4つのみを書き出すと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、実際には層ではありません。
要因は4つ以上であることも多いため、数にこだわらず挙げていきましょう。
それよりも数が3つ以下である時は、4Mの中で抜けているものを探し、追加するようにするということを意識することが重要です。
特性要因図が活躍する場面
特性要因図(フィッシュボーンチャート)は、何か問題や課題、改善したい点がある場面で活躍します。
具体的には「売上の減少」や「商談率の低下」、「解約率の増加」など、問題や課題が表面化してきている場面のことです。
これらの問題などを解決するためには、悪影響を及ぼしている全ての原因を見極め、解消していく必要があります。
しかし、企業には無限のリソースがあるわけではないため、限られた人員やスキルで効率的に解決していくことが求められるのです。
この時、特性要因図を活用することで、問題の要因を洗い出し、根本的に改善すべき点はどこなのかを確認することができ、また、どこから改善することが効率的なのかを判断することができます。
基本的には上記のように問題や課題の解決、改善点がある場面で活躍しますが、ものごとのプロセスを把握、共有したいという際にも活躍します。
特性要因図を用いることで、頭の中では整理しきれない情報を図式化することができるため、中心にあるもの(主要因)から話題を逸らすことなく思考、ディスカッションを行うことが可能となります。
まとめ
今回は特性要因図(フィッシュボーン)について解説しました。
何のツールも必要とせずに、問題解決のための本質である、要因を絞りだすことができるこの手法は、問題がある場所ではどこでも利用できます。
そのため、日常生活の問題に対しても活用することができるため、そういった所から活用の練習をしてみるといったこともできます。
非常に柔軟性の高い手法ですので、ぜひ一度お試しください!