「その営業、マーケティングに無駄はないか?」はMA/SFA/CRMで解決する

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    上場を目指すスタートアップが、「思わぬポイント」でつまずく。あなたはそのポイントを知っているだろうか。

    それは、内部監査でもなく、役員の採用でもない。

    答えは、あらゆる”数字の可視化”である。この数字の可視化が行われていなかったせいで、VCやCVC、エンジェル投資家からの資金調達額が少なくなったり時価総額にも影響を及ぼすのだ。

    なぜ社内のあらゆる数字の可視化が重要なのか。

    本稿を読み終えたとき、あなたは自社の数値の問題と向き合わざるを得なくなるだろう。

    ◆従業員3000人規模の大手企業から、創業2年目のスタートアップまで支援

    話を聞くのは、立命館大学時代の友人と大学在学中に起業し、ビジネスパーソンの道を歩み始めた久泉陽(ひらいずみ・よう)氏。大学卒業後、事業と並行して新卒で銀行に入行。中小企業の財務などを担当した。

    その後、転職やフリーランスを経て、MA(マーケティングオートメーション)選定・構築支援やSFA(営業支援システム)ツールなどを手掛けるGENNE(ジェンヌ)株式会社を設立した。 

    同社は設立からわずか3年目ながら、クライアント数は200社を越えている。従業員数3000人規模の大手企業から設立2年目のスタートアップまで幅広く支援しており、久泉氏は、「100社あれば100通りの支援方法があり、すべてオーダーメイドで提供している」と話す。 

    業務の無駄を省き、顧客の成果を最大化させる。久泉氏が目指す、「マーケター、セールスの新しい働き方」とは。

     GENNE  CEO 久泉陽
    1996年生まれ。京都出身。立命館大学卒。大学在学中から海外へ行き、ハイブランドの卸売事業立上。 新卒で銀行に入行し、為替の知識を活かし個人の資産運用・法人融資の審査を担当。 2019年よりMarketing-Roboticsに入社し、十数社のMAツール運用代行・インサイドセールス立上げ支援を実施。昨年比アポ獲得300%増・粗利120%増を実現。 2020年8月に独立以降もセールステックを活用し、BPOを軸に営業体制の構築支援に従事。

    ◆設立2年目のスタートアップから3000人規模の大企業まで200社を支援

    GENNEはSFA(商談から受注まで)やCRM(受注以降の顧客とのコミュニケーション)の設計から、顧客育成を効果的に行なうMA(マーケティングオートメーション)の設計、さらに、メールマーケティングやインサイドセールスの代行といったマーケティング業務から、セールス代行に強みを持つコンサルティングや運用代行まで一貫して、マーケティング、セールス業務をサポートしている。

    クライアントはアーリーステージのスタートアップ企業から、不動産会社などの中小企業、従業員数3000人規模の大企業まで幅広く、8割がBtoB企業だ。 

    「スタートアップはシード、シリーズA、B、Cとラウンドが上がるごとに、資金調達する際、高い信用力が求められます。そうなると、商談の獲得率やその内訳、『どの案件を獲得するのにどれくらいの単価がかかったのか』など、数字を可視化する必要があります。もちろん、上場時の時価総額にも影響を及ぼすでしょう」

    GENNEではそういった部分を構築し、『何に無駄な予算を割いているのか』『どのマーケティングチャネルに注力したらいいのか』などをコンサルし、最終的には内製化運用できるまでサポートしている。

    「2022年、シリーズBラウンドで総額45億円の資金調達を実施したバーチャルオフィス事業を提供するoViceも、GENNEがMAの選定・運用代行していたスタートアップの1つです」

    とはいえ、駆け出しのスタートアップはマーケティングやセールスに割ける予算が限られているのも事実だ。

    「企業によって、支援方法はさまざまです。スタートアップの場合は、個別に戦略設計を立てるために事前に10万円お支払いいただき、その後、その戦略をどこまで伴走するかを何度も打ち合わせし、予算に合わせた提案をしています」

    ◆「足で稼ぐ」アナログな不動産企業の営業設計を4カ月で内製化 

    中小企業や大手企業では、スタートアップとは全く異なるセールス、マーケティングの課題がある。 

    「例えば不動産会社では、足を使った飛び込み営業や、『とりあえず片っ端から電話をする』など、アナログ的な営業手法が一般的です。さらに、複数の支店を展開していると、他店で顧客情報を把握しきれないことも少なくない。データを紙やExcelで管理しているため、営業先が被ってしまうという事態も起きています」

    では、こうしたアナログ的な営業手法をどのように変革していくのか。

    「支援先企業によって課題はいろいろとありますが、GENNEではまず、状況をヒアリングし、『メールや電話によるインサイドセールスや、フォーム投げ込み営業などは、いつ、どのタイミングからどういう顧客に対して必要なのか』など、一から営業戦略を設計しています」

    「最近支援した不動産会社では、約4カ月伴走して内製化できたり、人材会社では100件電話してアポイントが0件だったのに、40件電話しただけで12件アポが取れるようになったりといった実績があります。戦略の見直しによってここまで変化が起きるものなのです」 

    ◆セールスフォースはデータを蓄積している“だけ”になっている企業も

    久泉氏によれば、大手企業の多くは、セールスフォースで営業活動や顧客管理の効率化をしているが、「従業員によってはシステムの使い方を理解できておらず、適切に数字が入力されていない」「データを入力するだけで、フィードバックや分析が行われず形骸化する」などの状況に陥りやすいという。

    「そこでGENNEではまず、データ管理を最適化する支援をすることが多いです。ただ“蓄積されているだけ”で活用できていないデータを分析し、どのように営業活動に役立てるかを担当者にフィードバックします。すると、ある営業代行ツール経由では『アポイントメントは取れているけれど成約数は低い』など、数値が可視化され、『このツールは解約してほかのサービスを導入しよう』など、次のアクションにもつながります」

    また、大手企業では「請求管理システム」としても活用できる。

    「営業と経理担当者間で、請求書の発行や内容がうまく連携されず『この請求書は誰がどう管理しているのか』と手間が発生します。特に、経理が忙しくなる月末月初では請求書が集中し、より経理担当者への負荷が高くなります。セールスフォースの内製化までが終わったら、次は請求書とのひも付けもサポートしてほしいなど、新たな要望を受けて支援を継続させていただくことも少なくありません」

    一方で、セールスフォースと同様にGENNEの支援が終わった後も、サポート内容を上手く活用しないと形骸化する懸念もある。

    「セールスやマーケティング担当者には、収支決算書についてもっと興味を持ってもらいたいと思っています。決算書では企業の収益や費用の状況、つまり営業成績が読み取れます」

    「企業がよい決算書を作るために、みなさん働いていると思います。決算書を理解できて、『生産性を上げるにはどうすればよいのか』が分かると、弊社が内製化した仕組みも形骸化しないのではと考えています」

    ◆「無駄な業務」をなくして生まれる時間を最大限有効活用してほしい

     企業にとって適切なサービスを適切なタイミングで提供し、あらゆる「無駄」な業務をなくすことで、その企業の成果を最大化させてきたGENNE。成長可能性が見込めれば、当然ながら複数のVCからの資金調達も期待できるようになる。

    「無駄な業務をなくすことで、企業は次の事業に投資できたり、働いている人たちは生み出された時間で顧客に寄り添ったり、家族と一緒に過ごせたりする。そんな働き方が『当たり前』になることを目指しています」

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