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ソーシャルセリングとは?SNSを活用して顧客関係を構築する方法を解説!

「ソーシャルセリング」は、国内外で注目を集めている手法で、特にマーケティングやBtoB営業担当者などが仕事を進める上で有益なメリットが期待できます。

この記事では、ソーシャルセリングの基本的な概要や、さらに具体的な手法や使えるツールについても詳しく紹介していきます。

ソーシャルセリングとは?

ますます、ソーシャルセリングについて詳しく説明します。

ソーシャルセリングは、主にSNS(ソーシャルネットワーク)を活用して、見込み客(リード)を見つけ、コミュニケーションを通じて信頼関係を築き、最終的には購入に結び付けるBtoBマーケティング手法です。

この手法は、見込み客だけでなく、既存の顧客に対するアフターケアやより深い関係構築にも応用でき、これにより顧客ロイヤリティを確立するのに役立ちます。

特に、SNSを活用しているため、人材マッチングやフリーランス向けのサービスなどの業界と非常に相性が良いです。

日本ではまだあまり普及していませんが、アメリカではソーシャルセリングが営業活動の主流となっています。これは国土の違いだけでなく、アメリカのビジネスパーソンがSNSの活用方法に関するトレーニングを受けていることも影響していると考えられます。アメリカの成功事例は、ソーシャルセリングがなぜ効果的なのかを理解する手がかりとなります。

SNSマーケティングとの違いとは?

SNSを活用したマーケティングには、一般的にSNSマーケティングとソーシャルセリングという2つの異なるアプローチがあります。

SNSマーケティングは、広く多くの潜在顧客に向けて情報を拡散し、主に認知度向上やブランディングに焦点を当てています。潜在顧客の育成や購買促進も目指していますが、アプローチは幅広い層に対して行われます。

対照的に、ソーシャルセリングはSNSを利用して、個別の見込み客や既存顧客に対して直接的な営業活動を行います。1対1のコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、具体的な購買や契約などの行動に結び付けることが主な目的です。この手法は、より具体的な購買段階に焦点を当てています。

ソーシャルセリングのメリット

比較的コストがかからない

ソーシャルセリングは、伝統的なセールスプロセスに比べてコストが比較的低いです。

SNSプラットフォームを活用することで、販売活動やコミュニケーションのための追加的な経費を最小限に抑えながら、効果的な販売が可能です。

顧客の情報収集源がソーシャルメディアになっている

現代では多くの人々がソーシャルメディアで情報を収集し、意見を共有しています

ソーシャルセリングでは、これらのプラットフォーム上での活動を通じて、顧客の嗜好やニーズに関する貴重な情報を入手できます。これにより、より効果的な個別対応が可能になります。

リモートワークの顧客に対応できる

ソーシャルセリングはオンライン上で行われるため、地理的な制約なく顧客と対話できます。

これはリモートワークが一般的な状況において特に有益であり、営業担当者が顧客とリアルタイムでコミュニケーションを図ることが容易です

ターゲットに直接アプローチができる

ソーシャルセリングは、ターゲットとなる個々の顧客に直接的かつパーソナライズされたアプローチができる利点があります。

これにより、商品やサービスに関する具体的な質問に迅速に対応し、顧客の興味を引くことが可能です。

見込み顧客が欲しい情報をすぐに発信できる

ソーシャルメディアを活用することで、企業はリアルタイムで情報を発信できます。

これにより、見込み顧客が欲しい情報やニーズに応じたコンテンツを即座に提供でき、購買意欲を高めることができます。対面での営業活動では、商談を行うまでにアポイントを取る必要がありますが、ソーシャルセリングでは日時を問わずアクションを起こせます。

ソーシャルセリングの3つの実践ステップ

プロフィールを最適なものにする

SNSユーザーとの信頼関係を築くためには、担当者のプロフィールを適切に提示し、十分な情報を提供する必要があります。これは相手の特性やバックグラウンドを理解する際に、プロフィールを確認することが一般的だからです。プロフィールに掲載するべき情報は以下の通りです。

  • 企業の名前
  • 企業の概要(業種・分野)
  • 担当者の名前
  • 担当者の経歴・保有資格・趣味

プロフィールを充実させることで、信頼感を構築しやすくなります。また、プロフィール写真が顔写真であることで、相手に安心感を与える効果も期待できます。

継続的に投稿を続ける

を持ってもらうには、定期的なコンテンツ投稿が大切です。なぜなら、見込み客に興味を持ってもらう機会を増やせるためです。

投稿内容としては、「価値あるノウハウの提供」や「自社サービスについて」などが挙げられます。また、営業担当者のプライベートに関する投稿もポイントで、相手に親近感を持ってもらいやすくなるでしょう。

投稿する際は完全にプライベートなことでなく、「一日の業務内容」や「イベントに参加した際の様子」などが適切です。ソーシャルセリングを行う際は、価値提供と自社にまつわる情報の発信をしましょう。

見込み顧客に対していいねやコメントなどで反応する

見込み顧客に対する積極的なアプローチの一環として、SNS上での交流は非常に効果的です。営業担当者が見込み顧客の投稿に「いいね」やコメントなどで反応することは、信頼構築と関係構築において重要な一手段です。

まず第一に、見込み顧客の投稿に対して適切な反応を示すことで、その顧客が発信する情報や意見に真剣に耳を傾けている姿勢をアピールできます。これにより、相手に対するリスペクトや興味を示し、相互の関係性を築く一助となります。

また、いいねやコメントを通じて自社やサービスに関連する情報を巧みに組み込むことで、自然な形で関心を引くことができます。ただし、この際には無理な営業的アプローチは避け、相手の興味やニーズに敏感に反応することが肝要です。

最終的に、見込み顧客との対話を通じて信頼関係を築き、顧客のニーズに適切に対応することで、購買行動へと繋げる可能性が高まります。いいねやコメントは、単なる反応以上に、持続的で意味のあるコミュニケーションの端緒となります。

ソーシャルセリングを行う際の3つの注意点

営業活動に即座に繋がると思わない

ソーシャルセリングを始めても、初期のうちはフォロワーを増やしたり、顧客になって欲しいユーザーを探すため、なかなか営業につながりにくいと感じることもあると思います。

しかし、ソーシャルセリングの目的はユーザーとの関係構築なので、信頼関係を築くまでには相当な時間を要します。すぐに成果が現れるものではないので、注意が必要です。

商品やサービスの広告投稿やDMで売り込みをしない

ソーシャルセリングはターゲットにしている、顧客と信頼関係を構築するのが目的です。企業の製品に対する広告やPRばかりしていると、営業目的なのが浮き彫りになってしまい、ネガティブな印象を抱きやすいです。また、DMなどで強引な営業活動をしてしまうとかえって逆効果となってしまいます。

SNSでコミュニケーションを図る際はDMを送りますが、毎日のように送っていては相手に不快感を与えかねません。

コミュニケーションを取る際は、価値提供を忘れずに適度な頻度でのやり取りが求められるでしょう。

プロフィールは無駄なく一目で分かるようにする

SNS上で、プロフィールがほとんど情報がないか、または役に立つ情報が十分に掲載されていないユーザーが少なくありません。逆に、ユーザーが気になる情報以外の部分が充実しているケースも見受けられます。

ソーシャルセリングの観点から言えば、ユーザーは自分の疑問や不安を解決してくれる専門家を見つけることを求めることがよくあります。そのため、プロフィールには自身の得意分野や専門知識が一目で理解できるような内容を記載することが重要です。プロフィールが他の人に負けないという自己アピールが明確に表現されることで、ユーザーは信頼性を感じやすくなります

ソーシャルセリングに最適な5つのSNSツール

LinkedIn

LinkedInは、ビジネス特化型の有料SNSであり、日本語サポートがないために一部利用者には不便を感じるかもしれませんが、全世界で6億人以上のユーザーが活用しています。LinkedInは見込み客を絞り込むためのフィルタリング機能や高度な検索システムなどが豊富で、これらを活かすことで効果的な結果が期待できます。

LinkedInは採用活動やヘッドハンティングなど、企業が人材探しに活用するケースもあり、その使い方次第で高い効果を生むことができます。Facebookと似た仕組みを持ち、個人や企業がそれぞれのページを作成できるのが特徴です。

有料広告もLinkedInでは利用可能であり、ユーザーが自身のプロフィールに登録した情報(企業や所属先など)を活かして、特定の業種や役職に絞って広告を出稿することもできます。LinkedInはビジネス関連のコネクションを強化し、ターゲットを絞った効果的なマーケティング手段となります。

SlideShare

SlideShareは、LinkedInが提供している資料共有サービスで、スライドショー形式での資料公開が可能です。このサービスでは、スライドの閲覧・公開が無料であり、Linkedlnと比較して気軽に資料を共有できるのが大きな特徴です

企業はサービスの紹介資料や社内のプレゼン資料を一般公開し、自社のブランディングを向上させたり、社内勉強会の成果物として活用することができます。また、動画の挿入が可能であり、ダウンロードの可否を設定できるため、資料が不当に悪用される心配もありません。

Twitter

Twitterは140文字までの投稿が可能なSNSツールで、日本ではFacebookよりも多くのユーザーを有し、拡散力が非常に高いため、幅広いユーザーにリーチできるのが最大の利点です。

一般的にBtoCのイメージが強いTwitterですが、最近ではビジネスパーソンが情報収集や交流のために積極的に利用するケースも増え、BtoBの利用事例も増加傾向にあります。

企業アカウントや個人アカウントの登録が可能で、手軽に投稿できる点が強みであり、これによりコミュニケーションを取りやすく、アクセスしやすい雰囲気が醸成されています。

ただし、Twitterはエンターテイメント性を好むユーザーが他のSNSよりも多いと考えられるため、過度な宣伝やビジネス寄りのアプローチは避け、親しみやすく、コミュニケーションを重視した投稿が求められます。

Facebook

Facebookは、国内での月間アクティブユーザー数が2500万人、世界中でのユーザー数が22億人と、国内外で幅広いユーザー層に支持されているSNSです。

Twitterが20代を中心に人気を集めているのに対し、Facebookは40代・50代を中心に利用されており、ユーザー層には一定の年齢層の拡がりが見られます。

Facebookでは個人と企業の両方がアカウントを作成できますが、個人の場合は実名登録が必要なため、信頼性が高く、ビジネス利用に適しています。

同時に、Facebookはプライベートなコミュニケーションにも広く利用されるため、ビジネス以外のシーンからもページへのアクセスが期待できます。これは他のSNSよりも見込み客にアプローチする機会が多い可能性があります。

Instagram

Instagramは世界全体で約10億人のユーザーを抱え、国内においても月間アクティブユーザーが約3,300万人という高い人気を誇るSNSです。特に10代から30代の女性ユーザーが中心に活動しています。

このプラットフォームはアパレル、美容、フィットネス、スポーツなどといった分野との親和性が高く、BtoCの成功事例が多く見受けられます。Instagramでは位置情報のタグ付けが可能で、これを活用して店舗やイベントの告知に効果的に利用できます。さらに、投稿された写真や動画には商品タグを設置でき、直接的に商品情報を提供できるため、販売促進にも効果的です。

Instagramの機能を適切に活用することで、認知拡大に寄与するストーリーズや期待されるリールなどの機能をうまく組み合わせることで、効果的なアプローチが可能です。このプラットフォームは、多岐にわたるコンテンツを通じて広範なターゲット層にリーチできるため、マーケティング戦略において有力な手段となります。

さいごに

日本ではあまり浸透していないソーシャルセリングですが、顧客と深い関係を低コストで始められる営業方法としてとても効果的です。今回紹介したSNSのプラットフォームは、無料で始められて、ソーシャルセリングに最適なので、まずはプロフィール設定をしてみてはいかがでしょうか?

 

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