目次
- 1 ホワイトペーパーとは?
- 1.1 質の高いホワイトペーパーとは?
- 2 BtoBマーケティングで効果的な理由
- 2.1 リード情報を得られる
- 2.2 見込み顧客を育成できる
- 2.3 自社への印象を向上させる
- 2.4 自社と見込み顧客どちらにも利益を得られる
- 3 5つの基本的なホワイトペーパーの型
- 3.1 課題解決型
- 3.2 事例紹介型
- 3.3 ガイドブック型
- 3.4 レポート・アンケート型
- 3.5 診断・チェックシート型
- 3.6 その他
- 4 制作時に重要なポイント3選
- 4.1 社内ヒアリングを行う
- 4.2 ターゲットを明確にする
- 4.3 論理的な構成
- 5 さらに効果的な活用方法4選
- 5.1 ダウンロード後のフォロー
- 5.2 配信先を増やす
- 5.3 PDCAサイクルを回す
- 5.4 定期的に更新していく
- 6 最後に
「ホワイトペーパーって聞いたことあるけど何だろう?」
こんな疑問抱えていませんか?
マーケティングの現場に携わったことのある人なら、この言葉聞いたことがあると思います。今回の記事では、ホワイトペーパーの基本情報から、効果的な活用方法まで包括的な情報を紹介していきます。特に、ホワイトペーパーについて知りたい方、制作を検討している方はぜひ一読ください!
ホワイトペーパーとは?
まず、ホワイトペーパーの定義から抑えていきましょう。
ホワイトペーパーとは、企業が解決すべき課題を分析、解決のための自社ソリューションを紹介する報告書のことです。略してWP(white Paper)と記されることもあります。
よく企業のホームページにお役立ち資料という欄がありますが、そこからダウンロードできる資料のことを言います。
ホワイトペーパーはBtoB(法人向けビジネス)で優良なリードを獲得する自社コンテンツの一つであり、多くの企業で作成されています。
質の高いホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーはダウンロードする際にユーザーの個人情報を入力する欄があります。したがってユーザーは、自分の個人情報を引き替えても読みたいと思うホワイトペーパーならばダウンロードしたいと思ってくれます。
- 見込み顧客を引き付けるようなタイトル
- 見込み顧客の課題を十分に解決できるような解決策
- 見込み顧客の期待に応えられるようなコンテンツ
上記のように見込み顧客に寄り添い、満足度を上げられる内容で作成する必要があります。
BtoBマーケティングで効果的な理由
では、どうしてホワイトペーパーはBtoBマーケティングの現場でよく使われているのでしょうか?その理由に迫ってみましょう!
リード情報を得られる
オフラインの現場で見込み顧客を獲得するには、ショールームや展示会、パンフレットの配布などを行う方法があります。さらに名刺交換をすることで、見込み顧客のリストを作成することができます。
しかしオンラインでは、ネット広告やSNSで幅広く自社の商品・サービスの紹介をして、自社のwebサイトに誘導することがほとんどです。その場合、オフラインと違ってリードの情報を入手しにくいのが難点です。
そんな時に、ホワイトペーパーを利用するのが効果的です。
大抵ホワイトペーパーには、ダウンロードするユーザーの会社名、部署、名前、メールアドレスなどを入力する欄があります。この情報と引き換えにホワイトペーパーをダウンロードすることができるので、リード情報をメールマーケティングなどで活用し、アプローチをかけることができます。
見込み顧客を育成できる
ホワイトペーパーは、自社の見込み客育成コンテンツとして活用することもできます。「お役立ち情報」といわれるような資料なので、ブログなどのほかのwebページよりも内容の質が高く、専門書やガイドブックのような役割を果たします。
またホワイトページのターゲットを段階に分けることもリード育成につなげられます。例えば、興味関心しかなかったユーザーがホワイトページを閲覧したことでもっと詳しい情報を求めて、見込み顧客用のホワイトページをダウンロードしてくれる可能性があります。
自社への印象を向上させる
質の良いホワイトペーパーを作り上げることで、自社を専門性の高い企業と評価してもらうことができます。最近はホワイトペーパーに取り組む企業が増えてきているため、競合他社との差別化を図ったホワイトペーパーを作成することが求められます。
自社と見込み顧客どちらにも利益を得られる
見込み顧客にホワイトペーパーをダウンロードしてもらう行為は、自社にも見込み顧客自身にも利益をもたらすことができます。
上記にもある通り自社にとっては、リード情報の獲得し、見込み顧客の育成でき、さらに自社の印象を向上させることができ、効果的な企業コンテンツの一つと言えます。
一方で、資料を受け取る側の見込み顧客にとってもメリットがあります。それは、少ない個人情報と引き換えに専門性の高い有益な情報を手に入れられることです。特に課題解決のために情報収集をしている見込み顧客にとっては、ホワイトペーパーをダウンロードすることで顧客自身の課題の解決につながり、自社も見込み顧客もどちらも得することができます。
5つの基本的なホワイトペーパーの型
続いてホワイトペーパーの基本的な方5選について紹介していきます!ほとんどのホワイトペーパーは以下の5つの型を利用しています。制作難易度とニーズの高さを確認できるようになっているので、自社にはどのタイプのホワイトぺーパーが効果的なのか検討する際に参考になると思います。
制作難易度 | ニーズの高さ | |
課題解決型 | ★★☆ | ★★☆ |
事例紹介型 | ★★★ | ★★★ |
ガイドブック型 | ★★☆ | ★★☆ |
レポート・アンケート型 | ★★☆ | ★☆☆ |
診断・チェックシート型 | ★☆☆ | ★☆☆ |
課題解決型
一番オーソドックスな形のテンプレートがこの課題解決型のホワイトペーパーです。構成は以下の通りです。
- 課題のピックアップ
- 要因分析
- 解決策の提示
- 自社ソリューションの紹介
この課題解決型では、要因分析でどうしてこのような課題が生まれてくるのか具体的に解説し、この課題を解決するためにはこのような環境構築やシステムが必要であることを記載する必要があります。最後に自社のサービスを扱ったソリューションを紹介していきます。ここでは、サービス内容すべてを紹介するのではなく、あくまで読み手の抱えている課題を解決する一つの方法として紹介してく必要があります。
事例紹介型
事例紹介型は、上記の課題解決型に説得力を持たせるために具体的な事例を付け加えたものです。具体的な解決事例があることで、より問題解決のシチュエーションが浮かびやすいため、需要の高いテンプレートです。
できるだけ既存顧客の承諾を得て実社名入りの事例集を作成し、担当者の体験談のインタビューを作成することで、現実味のあるホワイトペーパーを作り上げることができます。
しかし、取材や許可取りなど作成の手間がかかるので難易度は高めのホワイトペーパーといわれています。高い需要のある記事なので、質の高い事例紹介型のホワイトペーパーはダウンロード率は他のものより高くなる傾向にあります。
ガイドブック型
ガイドブック型は、商品・サービスの関連分野のノウハウを全体的に学べるようにまとめたホワイトペーパーのテンプレートです。初心者でもわかりやすくまとめているのが特徴で、専門用語を避け、写真や図を交えて説明する必要があります。自社が過去に行ったセミナーの資料や提案資料などを転用して作成することもできます。
また、このホワイトペーパーをダウンロードするリードは、広く情報を収集していたり、実際の見込み顧客としてのアクションを起こすには遠い状態が多いです。したがって、このホワイトペーパーで得たリード情報を生かして、リードを育成していく必要があります。
レポート・アンケート型
レポート・アンケート型は、政府団体や業界団体の調査レポートや自社のアンケート調査から、業界動向を要約して紹介するホワイトペーパーの型です。情報価値の高い調査結果は、プレスリリース(メディアの記者がニュース記事として取り上げやすい資料)として発信することで、メディアに取り上げてもらえる可能性が上がります。その結果、メディアでの情報を参考に自社サイトに流入してくるユーザーを増やすことができます。
しかし、このような情報は競合他社や代理店がダウンロードによるダウンロードが多く、ホワイトペーパーとしてのダウンロード数が少ない傾向があります。
診断・チェックシート型
診断・チェックシート型とは、会社の状況に合わせたサービス導入前のセルフチェックシートや、企業の現状のレベルを判断するための診断形式のテンプレートのことです。このタイプのホワイトペーパーをダウンロードするユーザーは、自社のサービスを具体的に検討していたり、目標が明確な人を対象としているため、情報提供をするような上記のホワイトペーパーの型よりもダウンロード数は伸びにくい傾向にあります。
その他
他にも、自社が過去に行ったセミナーや展示会の報告をする形のテンプレートです。制作費用を抑えることができ、また過去の活動を資料にするので作成難易度は比較的優しいです。
制作時に重要なポイント3選
続いて、ホワイトペーパーを作成するときに気を付けておきたい重要なポイント5つを紹介していきます。
社内ヒアリングを行う
社内ヒアリングを徹底して行うことで、実際のお客様とのやり取りの中でよく聞かれること、失敗例などをホワイトペーパーに取り入れられるので、ホワイトペーパーにより自社のオリジナリティを発揮することができます。
営業部に聞く場合
お客様からよく聞かれること→アンケート調査の資料に活かす
よく問題点になること→課題解決方法と一緒にノウハウ資料に活かす
サポート部門に聞く場合
よくつまずくポイント→よくある失敗として課題解決型などに活かす
よく質問されること→「Q&A欄」に活かす
このように、各部署の資料を参考にすることで自社で実際に起きた情報を発信できるので、ホワイトペーパーを作る際に社内ヒアリングをすることはかなり重要です。
ターゲットを明確にする
どんな見込み顧客に見てもらいたいのかによって、専門用語を入れてもいいのか、扱う情報の専門性などが変わってきます。初心者向けのホワイトペーパーならば、わかりやすい言葉で基本的な情報を提供しなければなりません。
また、ターゲットによって必要なコンテンツやターゲットに受けそうなデザインも変わってくるので、ターゲットをあらかじめ明確にしておくこともホワイトペーパーを作るうえで重要です。
ターゲットを明確にするために以下の3つの分け方が効果的です。
認知・インサイト発掘の段階
企業の課題を解決するソリューションを探している段階のターゲットのことです。インサイトとは、見込み顧客自身は気づいていないけれど、どこか解決策を探している状況のことを指します。
このターゲットに対しては、業界や業界の知識を増やすためにガイドブック型のような、包括的な情報を与えることが効果的です。
興味・関心の段階
この層の見込み顧客は、この商品・サービスはうちの会社の問題解決に必要かもしれないと、自社に興味を持ってくれている段階のユーザーを指します。
この見込み顧客に課題解決型や導入事例型を読んでもらうと、実際に見込み顧客の会社が自社のソリューションやツールを活用した場合、どんなメリットがあるのかのイメージを膨らませることができます。
比較・検討の段階
この段階の見込み顧客は、問題解決のために他社の商品・サービスと自社のものを比べたり、実際に購入を検討しています。
そのため、課題解決型や事例導入型で自社独自のソリューションを紹介するとともに、診断・チェックシート型で自社の商品・サービスが見込み顧客の会社に合っているのかを確認してもらうことが大切です。
あくまで一例ですが、この3つの段階にターゲットを分けることによって、それぞれが求めているホワイトペーパーを効果的に作成することができます。
論理的な構成
ホワイトペーパーを作成する際には、見込み顧客に自社のソリューションを参考に問題を解決してもらうため、わかりやすく、また説得力のある説明する必要があります。
そんなホワイトペーパーを作るためにwhy, how, whatの三部構成があります。以下の順番に従って作成すると、見込み顧客に問題解決のプロセスをスムーズに理解してもらえます。
- Why(なぜこの問題が発生するのか)
- How(どのように解決するのか)
- What(そのためにはこの商品・サービスがオススメ)
特にWhyとHowの部分で見込み顧客の共感を得ることが大切です。
まずは、ホワイトペーパーを読む人の目線に立ち、Whyで見込み顧客の潜在的な問題解決への意識を芽生えさせ、自発的に読んでもらえるように促します。
さらにWhyで広げた課題への具体的な解決方法を紹介ため、Howの部分で自社独自のソリューショを解説することにより、顧客に自社のサービスを興味深く感じさせることができます。
最後にWhatの段階で、自社の商品・サービスを利用した事例を紹介することで、さらに購入に近いアクションを検討してもらえる可能性が高めることができます。
さらに効果的な活用方法4選
さらにもっとホワイトペーパーを有効活用していくために、効果的な活用方法を3選紹介していきます。
ダウンロード後のフォロー
ダウンロードして受け取ったリード情報を利用して、メールマーケティングなどに利用することが大切です。まずは、ホワイトペーパーをダウンロードしてもらったことに対するサンクスメールを送るのが良いでしょう。
その後も見込み顧客とコンタクトを取り続け、実際に顧客となってもらうために育成していくことも大切です。
配信先を増やす
基本ホワイトペーパーは自社のホームページに「お役立ち情報」として公開されていることがほとんどですが、ホワイトペーパーを掲載する専用のメディアの「ホワイトペーパーダウンロードセンター」や、「メディアレーダー」などに掲載することもできます。このようなメディアに投稿することで、より多くのリード情報を獲得でき、今後のメールマーケティングに生かすことができます。
ホワイトペーパーダウンロードセンターはこちら
メディアレーダーはこちら
メディア掲載のほかにも、メルマガやweb広告、SNS、SEOを活用してホワイトペーパーを広めることも効果的です。
PDCAサイクルを回す
ホワイトペーパーが完成したら、実際に配信して問題点や改善点を洗い出し、さらに良い施策を提供できるようにしていきましょう。ホワイトペーパーは、デザイン・コンテンツが大切なのはもちろんですが、見込み顧客がホワイトペーパーを読んだ見込み顧客の行動を予測することも大切です。
例えば、ダウンロード時の個人情報の入力項目が多いと、見込み顧客は途中で入力をやめてしまうことがあります。さらに自社の商品・サービスを紹介する場合は、商品・サービス紹介ページに直接移動できるようなリンクを貼ることも、見込み顧客にとっては便利でしょう。
このように、どのようなホワイトペーパーが見込み顧客にとって最適なホワイトペーパーを作成するために、PDCAサイクルを活用して常にベストなものを保つ必要があります。
定期的に更新していく
特に事例紹介型や、レポート型のホワイトペーパーは、新たな成功事例を獲得したり、業界傾向に変化が生まれることがあります。このような最新の情報を見込み顧客に与え、より自社に対して興味を持ってもらうように、時間が経つにつれて情報を更新していくことが大切です。
また、中には何度もホワイトペーパーをダウンロードしてくれるリードもいるため、ホワイトペーパーを更新していくことでリードの育成にもつながります。
最後に
このようにホワイトペーパーを活用した施策は、潜在層のニーズを分析し、自社のノウハウを整理してわかりやすく解説することで資料を作成することができます。
ただし、施策のPDCAをまわし、アフターフォローや見込み顧客の育成を進めながら成果を得るためは、社内体制を調整し、ツールやシステムを導入し、現実的な指標を決定するなどの対応も必要です。目的とプロセスを明確にして、ホワイトペーパーをうまく自社の施策に取り込んでいきましょう!