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営業戦略の立て方|企業が目標を達成するための5つのステップとは

「営業戦略を立てよう」「営業戦略のプレゼンをしてほしい」といった表現は、営業部門を中心に非常に頻繁に使われています。しかし、「営業戦略」という言葉が具体的に何を意味するのか、はっきり理解していない方も少なくないのではないでしょうか。

例えば「売上高を10%アップしよう」「新規顧客を2倍にしよう」といった目標を立てることを営業戦略と呼ぶこともありますが、それは本質的な意味での戦略とは言えず、ただの目標設定に過ぎないかもしれません。

私たちが考える営業戦略とは、営業が達成すべき目標やミッションを明確に定め、それらを達成するための道筋(ストーリー)をしっかりと描くことです。例えば「売上高を10%アップする」という目標を掲げた場合、どのような施策を実施し、どのツールを活用し、社内のリソース(人材、設備、時間)をどう配分するのかといった、具体的なアクションプランを決める必要があります。

営業戦略を立てるためには、自社の製品やサービスの強み、社内リソースの把握、営業上の課題を理解するだけでなく、市場状況や競合分析も欠かせません。本記事では、営業戦略の定義に加え、営業戦略の立て方、代表的なフレームワーク、そして具体的な事例について解説します。

営業戦略とは:営業目標の達成に向けた基本計画

営業戦略とは、利益の増加や事業拡大といった目標を達成するための基盤となる計画を指します。

これは経営方針やブランディングとも深く関連しており、営業担当者だけでなく、経営者や管理職にとっても欠かせないものです。

しっかりとした営業戦略を策定することで、目標に向けて効率的に行動することが可能になります。効果的な戦略を立てるには、実行可能性を考慮し、過去の営業データを活用しながら、長期的かつ全体的な視点で計画を練ることが重要です。

営業戦略と営業戦術の違いとは?

「営業戦略」に似た言葉として「営業戦術」があります。

営業戦術とは、「営業戦略で立てた計画をどのように実行していくかを具体的に決めること」を指します。一方、営業戦略とは「営業目標を達成するための基盤となる計画」のことです。

つまり、目標を達成するために策定された計画が「戦略」であり、その戦略を実現するための具体的な手段が「戦術」です。戦略なしで戦術に頼っても、期待通りの成果を得るのは難しいでしょう。

適切な戦術を構築するためには、しっかりとした戦略が土台として必要になります。

営業戦略を立てる5つのステップ

営業戦略の構築方法は、企業の体制や直面する課題によって異なります。また、必ずしも段階的に進めるものではなく、同時に進めるべき項目も存在します。ここではその一例をご紹介しますが、多くの企業に共通する要素をまとめたものであり、あくまで参考としてお考えください。

目的を特定する

営業戦略を構築する際に最初に行うべきことは、営業戦略の目的を明確に定義することです。ここでの「目的の定義」とは、「何を・いつまでに・どの程度の水準で」達成すべきかを決めることを意味します。

例えば、「6ヶ月後に売上高を現状の120%に引き上げる」「1年後に受注数を現状の200%に増加させる」といった目標の設定が該当します。

現在の問題点を明確にする

現在の営業活動において、具体的にどこに問題があるのかを明確に洗い出すことが重要です。

例えば、受注数の増加を目標とした場合、マーケティング部門が獲得しているリードの数が不足しているのか、それともリードは確保できているが受注に繋がる質の高いリードではないのか、などの課題が考えられます。リードの数が少なく質も低い場合、マーケティング部門と連携して戦略を練る必要があり、逆に受注率が低いのであれば、営業トークや顧客へのアプローチ方法を根本的に見直す必要があるでしょう。

このように、目標とする姿と現状を比較し、何が不足しているのか、どうすればその不足を補えるのかを明確にして、目標達成に向けて最も重要なポイントを特定することが大切です。

顧客を徹底的に把握する

営業戦略を構築する上で最も重要なのが顧客理解です。このステップを抜きにしては、営業戦略の成功は望めません。顧客の属性(年齢、性別、地域、役職、業種など)に加え、顧客のニーズ、つまり自社の製品やサービスに興味を持った理由や契約に至った理由(あるいは契約に至らなかった理由)を分析していくことが求められます。

顧客を理解する際にぜひ取り組んでほしいのが、ペルソナの設定とカスタマージャーニーマップの作成です。

ペルソナとは、サービスや商品を利用する具体的なターゲット像を表します。ペルソナを設定することで、顧客の課題や問題点を明確にし、ユーザー視点での施策立案に役立てることができます。

カスタマージャーニーマップとは、ペルソナ(具体的なターゲット像)が自社のサービスや製品と出会い、購入やリピートに至るまでのユーザーの行動や心理的・感情的な変化を言語化し、一つのマップにまとめたものです。このマップを通じて、各段階のユーザーに対してどのような施策を取り、どのようにコミュニケーションを取るべきかを明確にすることができます。また、顧客理解を深めるためには、顧客データの分析が非常に重要です。たとえば、「マーケティングオートメーションツール(MA)」や「CRM(顧客管理システム)」を活用して、メルマガの開封状況やセミナーの参加、電話への反応などの顧客アクションを記録し、受注確度の高い順にスコアリングすることが可能です。

これにより、今まで無計画に行っていた営業活動に優先順位をつけてアプローチできるようになり、営業効率の向上が期待できます。

内部および外部環境を評価する

内部環境分析とは、営業活動において利用可能なリソースを具体的に把握することを指します。たとえば、実際に顧客と対面して商談ができる営業担当者の人数、四半期ごとに投入できる予算、利用可能なツールなど、自社の人材・資源・資金・情報に関する理解を深めることが含まれます。

一方、外部環境分析とは、市場における自社のポジションや、市場全体の成長性を把握するための分析です。わかりやすい例として、新型コロナウイルスによる営業環境の変化があります。

日経BPコンサルティングが2020年8月に行った「新型コロナウイルス感染拡大による影響とデジタルシフトの現状と課題に関するアンケート」では、「新型コロナウイルスの影響でどのような営業課題が発生しているか」という質問に対し、48%の回答者が「顧客訪問を断られる」と答えています。

(画像)

このように、外部環境の変化を捉えることで、既存の営業活動を見直し、オンライン商談をメインにするなどの対策を講じることができます。

新型コロナウイルスは顕著な例ですが、それ以外にも、競合他社が新製品を発売したり、価格やプランを変更したりするなど、外部環境は常に変化しています。

施策の実施と成果の評価基準をはっきりさせる

戦略は、立てるだけでは効果を発揮しません。必ず具体的な施策の実行に移すことが重要です。そのため、戦略に基づいて、誰が担当するのか、いつから実施するのか、どのくらいの期間行うのかといったスケジュールをしっかりと設定しましょう。

さらに、施策を実行した結果として、どのような状態であれば成功と判断できるのか、その評価基準を明確にしておくことも大切です。

営業戦略を立案する際の7つのポイント

営業戦略の目標設定は、企業ごとに大きく異なります。戦略を構築する際には、自社のバリュープロポジション(自社独自の強みであり、顧客の本質的なニーズを満たす価値)を明確にすることが重要です。これから、営業戦略において重要な7つのポイントをご紹介します。

市場を調査して現状を把握する

対象とする市場の状況やターゲット層の動向に加えて、競合他社がどのような営業戦略で新規および既存顧客を獲得しているのかを調査・分析しましょう。

また、自社の製品やサービスについても、現状の課題を以下のように数値化して可視化することが重要です。

  • 価格
  • シェア
  • 売上金額

このように可視化することで、自社の現状がより明確になり、具体的な改善策や対策を講じることができるようになります。

問題点を特定する

分析結果から今後の課題を明確に洗い出しましょう。課題が特定されたら、それを解決するために何をすべきか、具体的な対策の立案に進むことが重要です。

たとえば、以下のような課題が考えられます。

  • オンラインストアでソフトのパッケージ版とダウンロード版を同時に購入できない
  • 事業成長のスピードにシステムが追いついていない
  • 顧客全体の把握ができていない

こうした課題を明らかにすることで、どのような戦略を策定するべきかが見えてきます。

中心となる能力を理解する

自社の強みを活かした営業戦略を立てるためには、自社のコアコンピタンスを把握しておくことが重要です。コアコンピタンスとは、他社が真似できない優位性のことを指します。

コアコンピタンスを見極める際には、以下の5つの視点が大切です。

  1. 模倣可能性(他社が容易に模倣できない)
  2. 移動可能性(多分野に応用できるか)
  3. 代替可能性(他社が模倣しにくい技術)
  4. 希少性(市場での希少価値)
  5. 耐久性(長期間にわたって競争優位を保てる)

コアコンピタンスを見極めるためには、後述するSWOT分析が役立ちます。自社の強みを明確にしてから、戦略の立案に取り組みましょう。

営業戦略を展開できるようにフレームワークを使う

営業戦略を成功させるためには、フレームワークの活用が効果的です。フレームワークを使うことで、営業担当者が戦略をより深く理解し、スムーズに実行に移せるというメリットがあります。

特に、部下に戦略を納得させて実行してもらう場面で活用できます。戦略を一方的に教える前に、部下自身に考えさせることで、納得感を引き出しやすくなるでしょう。

フレームワークは思考の整理に役立つため、戦略立案に不慣れな人でも取り入れやすく、部下の思考力向上にも役立ちます。

重労働となる業務を特定する

実現性の高い営業戦略を展開するためには、負担の大きい業務を洗い出し、それを効率化することが重要です。

まず、各業務について1ヶ月の工数をリスト化して、負担となっている業務を明確にします。その中で、営業担当者が必ずしも対応しなくてよい業務があれば、適切な対策を考えましょう。

例えば、他のスタッフに移行できる業務については、マニュアルを作成・共有することで、担当者以外でも対応可能にすることができます。

PDCAサイクルを迅速に運用する

リアルタイムで計測されるデータを活用して、PDCAサイクルを迅速に回すことで、営業戦略の課題を常に可視化することができます。課題を解決するための行動を取ることで、売上の向上につなげることが可能です。

さらに、全社共通のデータを活用することで、週次・月次・四半期ごとに各KPIを振り返ることができ、部門内だけでなく関連部門とも連携することで、施策の検討やアクションへの展開を迅速に進めることができます。

SFAツールを利用する

SFAのデータを最大限に活用することで、迅速な意思決定が可能となり、営業戦略の策定がスムーズに進みます。

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムを指します。これを導入することで、基幹戦略や個人目標の設定、報酬制度の検討が容易になり、業務の効率化に役立ちます。

SFAには、チーム全体の売上予測をリアルタイムで確認できる機能があり、売上予測の調整や、チームの全体状況を把握することができるため、より最適な組織づくりが可能です。

また、外部データだけでなく、現場の営業やマーケティング活動に基づくデータも重要な検討材料となります。リアルタイムのビジネスデータを活用することで、顧客ニーズに即した客観的な経営判断ができるようになるでしょう。

営業戦略に活用できる7つのフレームワーク

ここからは、営業戦略の立案に役立つ7つのフレームワークを紹介します。ただし、これらのフレームワークは必ずしも使用しなければならないものではありません。内外部環境の分析や具体的な施策の立案に行き詰まったときに、それぞれの目的を理解した上で、参考にしていただければと思います。

3C分析

3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つを分析し、外部環境や競合、市場における自社の立ち位置を理解し、成功要因(KSF)を導き出すために使われるフレームワークです。これは、マーケティング戦略や経営戦略の構築でよく用いられますが、営業戦略にも十分応用できます。

例えば、競合他社の製品について、価格や機能、顧客からのイメージを分析することで、自社製品の強みを把握するのに役立ちます。価格競争で劣っている場合でも、品質や購入後のフォローアップの充実をアピールするなど、営業トークに生かすことができます。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略は、弱者と強者の視点から分析を行い、自社に適した戦略を構築する手法です。「弱者の戦略」とも呼ばれ、中小企業や個人事業主でも実践しやすく、自社の価値を高めるのに役立ちます。

業界全体でシェア1位、つまりトップ企業を目指すには、資金力や開発力、人材など豊富な経営資源が必要です。これは中小企業にとっては難しいことですが、細分化された「限られた市場」であれば、その可能性が開けます。

たとえば、高級食パン専門のベーカリーや、バリアフリー工事に特化した工務店など、特定のニーズに応える専門性を強調し、ブランドと認知度を高めた成功例が多く見られます。大手企業がその資源の豊富さを十分に活かしにくい、限られた小さな市場でトップを狙う戦略です。

パレートの法則

「80:20の法則」とも呼ばれるパレートの法則を分析に活用することで、選択と集中の判断材料とすることができます。

例えば、パレートの法則を通じて以下のような事実を発見し、それを分析することで、利益向上のために取るべき行動を把握できます。

事実 分析した結果
売上の8割が、全体の2割のリピーターによって得られている 2割のリピーターの特性を分析することで、ターゲットを絞ったマーケティングを展開し、効率を向上させることができる。
2割の営業成績の8割が、全体の2割の営業担当者によってもたらされている 成績上位の2割の営業担当者のノウハウを抽出し、これをチーム全体に共有することで、営業力全体の強化が図れる。

パレートの法則を活用する際は、次のポイントに注意が必要です。

  1. 分析対象に、この法則が当てはまっているかを確認する
  2. なぜその法則が成り立っているのかを明確にする

この2点を意識すれば、さまざまな業務において効率化やパフォーマンス向上を目指すことができます。

SWOT分析

SWOT分析とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素を指し、それぞれの頭文字を取ったものです。3C分析と同様に、内部環境(自社の強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を分析することで、営業戦略の構築に役立てることができます。

SWOT分析では、各項目を個別に見るだけでなく、それらを組み合わせたクロス分析も行います。例えば、全国に営業拠点が少ないという「弱み」に対して、新型コロナウイルスの影響で対面営業が減少しているという「機会」を掛け合わせ、オンライン営業ツールの導入によって全国規模で営業機会を拡大するリカバリー施策を導き出すことが可能です。

4P分析

4P分析とは、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの要素を指し、それぞれの頭文字を取ったものです。このフレームワークを使って、どのような製品を、いくらで、どこで、どのように販売するかを決めていきます。

主にマーケティング戦略の立案に用いられますが、自社製品が顧客にどのようなメリットを提供するのかや、市場における自社製品の価格が妥当であるかどうかを客観的に理解するためにも活用できます。

ファイブフォース分析

ファイブフォースとは、「5つの脅威」を意味し、自社や自社製品・サービスを取り巻く5種類の外的脅威を特定し、分析することで、自社の競争優位性を見出すための手法です。

この5つの脅威には、以下の要素が含まれます。

  • 業界内での競争
  • 業界への新規参入者
  • 代替品の存在
  • 売り手(サプライヤー)の交渉力
  • 買い手(顧客)の交渉力

これらの脅威を深く掘り下げて分析し、どうすれば収益を確保できるかを明確にすることで、具体的な戦略の構築につなげることができます。

PEST分析

PEST分析とは、以下の4つの要素を分析する手法です。

  • 政治(Political)
  • 経済(Economic)
  • 社会(Social)
  • 技術(Technological)

PEST分析は、外部環境の変化を把握するために最初に行われることが多く、その結果、外部の変化に敏感になり、将来のビジネス展望を予測するのに役立つというメリットがあります。

営業戦略の2つの具体例

具体例①:営業活動の範囲を広げて、粗利益を75%向上させる

都心部に拠点を構えるSaaS商材を扱うA社は、地方にも顧客となり得るターゲットがいるにもかかわらず、営業リソースの制約や移動交通費の問題から、営業活動が首都圏に限られるという課題を抱えていました。

この課題を解決するために、A社はインサイドセールス部門の立ち上げを決定し、2名のメンバーをアサインして施策を開始しました。マーケティング部門が月に500件のリードを獲得し、マーケティングオートメーションツールを活用してターゲットをセグメント化(選別)しました。

興味や関心が高いターゲットには、インサイドセールスが電話をかけ、訪問アポイントの取得や地方で定期的に開催されるセミナーへの参加を促し、フィールドセールスへと引き継ぎました。

また、セミナーが開催されていない地域の一部ターゲットに対しては、インサイドセールスが直接商談を行い、受注を獲得する役割も担いました。インサイドセールス部門の立ち上げ前、5名の営業メンバーは月に約20件の受注を獲得していましたが、インサイドセールス部隊の導入によって新たに月15件の受注を生み出すことに成功し、従来の粗利益と比べて75%の増加を実現しました。

具体例②:オンライン商談ツールの利用により、営業コストを大きく削減

企業の福利厚生サービスの導入支援を行うC社では、商材の説明がやや複雑なため、対面での営業が基本となっていました。

しかし、認知度の向上に伴い需要は増加したものの、フィールドセールスの訪問数に限界があり、売上機会の損失が課題となっていました。

そこで、オンライン営業ツールを活用したインサイドセールス部隊を立ち上げることにしました。資料を共有しながら営業ができるため、複雑な説明が必要な場面でも対面と同等の質で対応することが可能となりました。

プレゼンテーションがどうしても必要な場合を除き、インサイドセールスで受注まで完結する仕組みを構築。これにより、1日の商談数が約3倍に増加し、外回りの負担が軽減されたことで社員の満足度向上にも貢献しています。

営業戦略と一緒に考えると良いこと

ここまで営業戦略の立て方やフレームワーク、具体的な事例について解説してきましたが、営業戦略はあくまで自社の売上を最大化するための一つの手段に過ぎません。

営業担当者がいる現場に目を向けると、クロージングスキルの向上や業務の効率化に取り組むことが有効でしょう。

クロージングの強化

営業での売上を最大化するためには、各営業担当者の成約率を上げるために、クロージングスキルを磨くことが欠かせません。

例えば、成約率が異なる2名の営業担当者(Aさん・Bさん)がいた場合、それぞれが5件の成約を獲得するまでに必要な集客人数を考えてみましょう。

  • Aさんの成約率が 50%であれば、5件の成約を得るために必要な集客人数は10人です。
  • Bさんの成約率が25%であれば、5件の成約を得るためには20人の集客が必要です。

つまり、BさんはAさんと比べ、2.5倍もの集客人数が必要となっており、それだけ稼働数が多く、Aさんと比較した時に生産性が低くなっているのです。

このように、成約率が高ければ、それだけ少ない集客人数で目標の成約件数に達することができるため、効率的な営業活動が可能になります。したがって、クロージングスキルを向上させることは、営業担当者のパフォーマンス向上と売上最大化のために非常に重要です。

作業効率の改善

各営業担当者のクロージングスキル向上の重要性についてお伝えしましたが、さらに現場の状況に目を向けると、営業担当者が本来多くの時間を割くべき顧客との対話に十分な時間を確保できていないという問題があります。

Sales Force Researchが2018年に公開した「全世界2,900人以上を対象にしたセールスの動向に関する調査結果」では、営業担当者が本来の営業業務に割ける時間は全体の平均で約34%に過ぎないという結果が示されています。

営業担当者が顧客とのやり取り以外の業務に時間を割かれている原因として、事務作業や資料作成などが挙げられます。

この問題を解決するためには、営業の分析やレポート作成、顧客・案件管理を効率化できる営業支援ツール(SFA)の導入や、マーケティングチームとの連携を円滑にするマーケティングオートメーション(MA)の導入を検討してみましょう。

もちろん、予算や自社の状況を考慮する必要はありますが、これらのツールを活用して業務効率を高めることで、営業担当者の生産性が向上し、売上の増加にもつながる可能性が高まります。その結果、より強固な営業戦略の実現が期待できます。

最後に

本記事では、営業戦略が何を意味するのか、戦略と戦術の違いといった基本的な定義から、成功へ導くためのポイントや具体例について解説しました。

改めて営業戦略が重要な理由を一言で表すと、「企業のリソース(ヒト・モノ・カネ・時間)は限られている」からです。

予算の規模に関わらず、どの企業も限られた予算や人員の中で目標を達成しなければなりません。そのため、営業戦略をしっかりと構築することが重要です。これにより、目標やミッション達成に向けて必要な施策や具体的な行動、各施策に割り当てるべき予算が明確になります。

結果として、成果から逆算したアクションを優先順位をつけて実行することができ、自社の事業成長に大きく貢献するでしょう。

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