目次
- 1 広告効果測定とは?
- 1.1 3種類の広告測定
- 2 広告効果測定で確認しておきたい3つのポイント
- 2.1 広告出稿前後のデータを比較する
- 2.2 外部要因を確認する
- 2.3 市場全体の動向を把握する
- 3 広告効果測定を行う方法3ステップ
- 3.1 広告効果を測定するツールを利用する
- 3.2 GA4を活用する
- 3.3 アンケートを行う
- 4 広告効果測定の基本指標
- 4.1 CV(コンバージョン)
- 4.2 imp(インプレッション)
- 4.3 click(クリック)
- 4.4 CTR(クリック率)
- 4.5 CVR(コンバージョン率)
- 4.6 CPC(クリック単価)
- 4.7 CPA(コンバージョン単価)
- 5 基本指標だけでは真の成果を測れない理由
- 5.1 1つの広告だけではコンバージョンが得られにくくなっている
- 5.2 従来のKPIでは利益ベースの見落としがあり、正確な評価が難しい
- 6 真の成果を測定するための効果測定指標とは?
- 6.1 Total CPA(再配分コンバージョン)
- 6.2 ROAS
- 6.3 LTV
- 7 広告効果測定に活用できるツール3選
- 7.1 アドエビス
- 7.2 WebAntenna
- 7.3 CAMP
- 8 広告効果測定の際に気をつけたいポイント
- 8.1 広告の種類や目的別に効果を測る
- 8.2 アトリビューション分析も同時に実施する
- 8.3 定期的に広告効果測定を行う
- 8.4 広告効果測定だけで終了ではない
- 9 最後に
広告を出稿して売上や利益に結びつけるためには、その効果を正確に把握することが重要です。
単に広告を出すだけではコストがかさむだけで、十分な費用対効果を得ることは難しいでしょう。
とはいえ、広告効果をどう測定すれば良いのか、どの指標に注目すべきか、迷う方も少なくないでしょう。
そこで今回は、広告効果測定の基本ポイントや具体的な方法、おすすめのツールについてご紹介します。
広告効果測定とは?
広告効果測定とは、出稿した広告の成果がどの程度得られたかを評価することを指します。
通常、広告を出す前に設定した目標が達成できたかどうかで、その効果を判断します。
広告効果を測る指標としては、「認知度」「サイト訪問者数」「クリック率」「問い合わせ数(CV数)」などが一般的です。
例えば、広告を出した結果としてWebサイトのPV数や問い合わせ数が増え、売上目標に到達できた場合、広告が十分な効果を発揮したと判断できます。
逆に、広告出稿に多額のコストをかけたものの、WebサイトのPV数や問い合わせ数が増えたとしても、目標に達していなければ効果は低かったといえるでしょう。
効果が得られなかった場合は、問題点を特定し、改善することが必要です。その問題が広告内容にあるのか、それとも出稿プロセスにあるのかを見極めることが重要です。
また、設定していたPV数には届かなくても、問い合わせ数が増えたことで、PV数に対するコンバージョン率が上昇したケースもあります。
こうした予期しない結果も有益な情報として、再現性のある広告戦略につなげるためには、事前に目標を明確に設定することが大切です。
その他の広告効果測定のケースとして、新たに立ち上げたサイトでユーザーの反応を確認するために広告を出し、その反応から逆算して具体的な目標を設定する方法もあります。
3種類の広告測定
広告効果は、一般的に次の3つに分類することができます。
- 接触効果
- 心理効果
- 売上効果
接触効果
広告を通じて商品やサービスの認知度を向上させることを指します。認知度の低い新商品などでは、まずは多くの人に商品を知ってもらうことが重要です。とにかく商品やサービスの認知度を広めたい場合は、接触効果を狙った広告を中心に出稿する必要があります。
心理効果
接触効果の次のステップとして、商品やサービスについての詳細な理解を促し、好意を抱かせる効果を指します。ユーザーが商品を「ただ知っている」状態から、その魅力を感じてもらう段階に進み、購入・申し込みへの関心を高めます。
売上効果
広告効果測定で確認しておきたい3つのポイント
広告出稿前後のデータを比較する
広告効果測定の基本は、広告出稿前後の数値を比較することです。
具体的には、サイトへのアクセス数やCV数の変化、また、それらを組み合わせたCV率の変動を出稿前と出稿後で見比べます。
これらの数値を正確に比較するには、測定期間や対象ユーザーの属性など、出稿前後で同じ条件を維持することが大切です。
たとえば、出稿前に関心の薄いユーザーをターゲットにしていたのに、出稿後に商品やサービスへの関心が高いユーザーを対象にしてしまうと、広告効果を正しく測定できなくなります。
まったく同じ条件にするのは難しいですが、測定において条件を揃えることが重要です。
また、出稿前後で数値に変化が見られない場合は、広告自体の見直しが必要です。どの部分を改善すべきか分からない場合には、複数のパターンを用意してABテストを繰り返し、効果の高い広告を追求しましょう。
このように、同条件で広告出稿前後の数値を比較しながら、必要に応じて改善を行うことで、広告効果を最大化していきましょう。
外部要因を確認する
広告効果測定において、外的要因を把握することも重要です。
季節やトレンド、口コミなどの外部要因は、広告自体の影響とは別に、売上やPV数といった指標に大きな影響を及ぼすことがあるからです。
たとえば、同業他社の商品やサービスがテレビで取り上げられれば、その影響で自社の商品・サービスの認知度が上がる可能性もあります。
このように、タイミングによって広告の効果は変わることがあるのです。
また、新作の水着の広告を出す場合、夏と冬ではターゲットが関心を持つ度合いが異なるため、広告の効果にも大きな違いが生じるでしょう。
このように、外的要因を把握せずに広告効果を正確に測定するのは難しいといえます。
広告を出稿する前に、考えられる外的要因をあらかじめ予測しておくことが、広告効果測定では欠かせません。
市場全体の動向を把握する
広告効果測定では、市場全体の動向を把握することも重要です。
市場の動向によって、広告効果には大きな差が出ることが多々あります。
例えば、音楽ダウンロードサービスが普及している中でCDの広告を出すと、認知を広げることはできても売上に結びつけるのは難しいかもしれません。
市場の動向も外的要因の一つですが、ある程度は調査や予測が可能なので、広告を出稿する前に対策を講じておくべきです。
市場の動向を把握するには、競合調査やアンケートが効果的です。
たとえば、同ジャンルの商品やサービスを展開する競合企業を数十社挙げて、それぞれの売上が伸びているか減少しているか、顧客層に変化があるかなどを調査します。
競合の中で売上に差が見られる場合、その要因をさらに分析することで、市場動向をより詳しく理解することができます。
また、アンケートを実施してターゲット層の意見を集めることで、世間のトレンドを直接把握することも可能です。
収集したデータは、広告のクリエイティブや戦略立案にも役立てられます。
このように、競合調査やアンケートを通じて市場動向を把握しておくことも、広告効果測定において重要です。
広告効果測定を行う方法3ステップ
広告効果を測定するツールを利用する
広告効果測定ツールとは、各媒体に出稿した広告を一元的に管理し、システム上で効果を測定できるツールです。
複数の広告をまとめて管理できるだけでなく、CVに至るまでのユーザー行動の分析、費用対効果の測定、レポート作成のサポートなど、多機能で細かな広告効果の測定が可能です。
多くのツールはWeb広告の効果測定に対応していますが、電話での反響やTVCMの反響を含むツールも提供されています。自社の特性に合った広告効果測定ツールを選ぶと良いでしょう。
GA4を活用する
Googleアナリティクス4(GA4)でも広告効果測定が可能です。Googleが提供する世界最大級の検索エンジンと連携することで、Google広告との接続が簡単にできます。
GA4では、コンバージョン(CV)やCVに至るまでのユーザー経路、クリック単価・クリック数などを管理画面で詳細に分析できます。ただし、Google広告以外の広告を出稿している場合、広告運用やパラメーター設定が複雑になりがちというデメリットもあります。
そのため、「Google広告のみを利用している場合」や「コストを抑えつつ、まずは効果測定を試してみたい」という方におすすめです。
アンケートを行う
広告効果測定ツールやGA4などのシステム・ツールと合わせて活用したいのがアンケートです。システムやツールを用いた広告効果測定では、各項目を数値で評価することが可能ですが、実際のユーザーの声を収集することはできません。
たとえば、広告の出稿によってクリック数が増えた際には、「広告が効果を発揮した」と考えるのが一般的です。
しかし、「この広告を見たとき、どのような印象を受けましたか」「この広告を見た際、どのように感じましたか」といったアンケートを実施することで、クリック数が増加した理由をより深く理解することができます。場合によっては、「好意的にクリックした」というケースだけでなく、「ネガティブな印象を持った」「誤ってクリックした」といった要因が含まれることもあります。
こうしたユーザーのフィードバックを把握し、次回の広告出稿に活かして改善することで、さらに効果的な広告につながります。
広告効果測定の基本指標
ここでは、広告効果測定で活用される代表的な指標を解説します。
CV(コンバージョン)
CV(コンバージョン)とは、Webサイトの最終目標となる行動をユーザーが実行した回数を指します。具体的には、問い合わせ、ホワイトペーパーのダウンロード、会員登録、資料請求、メルマガ登録、商品購入などが該当します。
CV数が多ければ多いほど、売上効果の高い広告であると評価できます。
imp(インプレッション)
impは「impression」の略で、Web広告がユーザーの画面に表示された回数を表すマーケティング用語です。
これはユーザーの画面に表示された回数であり、クリックされた回数ではありません。また、表示されているだけで、実際に目に留まっているかどうかは測定できない点も注意が必要です。
媒体名 | impにカウントされる範囲 |
---|---|
Google広告 | 広告面積の50%以上が画面に表示、ディスプレイ広告は1秒以上、動画広告は2秒以上表示される場合にカウント(視認範囲のインプレッション単価を使用する場合) |
Yahoo!広告 | 広告の50%以上が1秒以上連続して表示された場合(インストリームの掲載では、広告の50%以上が2秒以上連続して再生される必要あり) |
click(クリック)
clickは、表示されたWeb広告がユーザーによってクリックされた回数を指します。
この数値をもとに、クリック率(CTR)やクリック単価(CPC)といった指標を算出します。
CTR(クリック率)
CTR(Click Through Rate)とは、クリック率を指し、広告が表示された回数(インプレッション数)のうち、クリックされた割合を示します。CTRが高い広告は、ユーザーの興味を引きやすい広告であると評価できます。
クリック率は、クリック数をインプレッション数で割って求めます。たとえば、次のように計算されます。
- インプレッション数:100回
- クリック数:5回
- クリック率(CTR):5%
CVR(コンバージョン率)
CVR(Conversion Rate)とは、コンバージョン率を指し、Webサイトに訪れたユーザーのうち、実際にコンバージョンに至ったユーザーの割合を示す指標です。CVRが高いほど、売上効果が高い広告であると評価できます。
計算方法は、コンバージョン数をサイトへのアクセス数で割ることで求められます。たとえば、次のように計算されます。
- CV:100件
- アクセス数:10,000回
- コンバージョン率(CVR):1%
CPC(クリック単価)
CPC(Cost Per Click)とは、クリック単価のことで、1クリックあたりの広告費用を示します。CPCが低いほど、より費用対効果の高い広告といえます。
計算方法は、広告費をクリック数で割ることで求められます。例えば、次のように計算します。
- 広告費:2,000円
- クリック数:100回
- クリック単価(CPC):20円
CPA(コンバージョン単価)
CPA(Cost Per Acquisition)とは、コンバージョン単価を指し、広告費のうち、1件のコンバージョンにかかったコストを示す指標です。CPAが低いほど、費用対効果の高い広告と評価できます。
計算方法は、広告費をコンバージョン数で割ることで求められます。たとえば、次のように計算されます。
– 広告費:60,000円
– CV:6件
– コンバージョン単価(CPA):10,000円
基本指標だけでは真の成果を測れない理由
前章では、広告効果測定の“基本のキ”ともいえる指標をご紹介しました。
中でも「CPA」は、従来の広告効果測定における絶対的な指標として重視されてきたといっても過言ではありません。
しかし、従来の指標、特にCPAだけでは広告の“真の成果”を十分に測りきれなくなっていることをご存じでしょうか。
真の成果を把握するための具体的な指標については後述しますが、その前に“なぜ従来の指標だけでは不十分なのか”について解説していきます。
1つの広告だけではコンバージョンが得られにくくなっている
1つめの理由は「1つの広告だけではコンバージョンが得られにくくなっている」ことです。
その背景には、広告の主流がマスコミ媒体からインターネット媒体に移行していることがあります。
かつて、広告の中心は新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスコミ4媒体でした。しかし、現在ではインターネット広告がマスコミ4媒体を上回る勢いで成長しています。
データは以下のとおりです。
▼ 媒体別広告費(2020年)
出典:電通「2020年 日本の広告費」
マスコミ4媒体広告費:2兆2,536億円
インターネット広告費:2兆2,290億円
新聞・雑誌・ラジオ・テレビの広告と異なり、インターネット広告ではユーザーの行動経路が複雑になりがちで、複数の広告に接触した後に最終的なコンバージョンに至るケースが増えています。
従来のCPAやCTRといった指標では、このような現代のインターネット広告における実態を正確に把握できず、誤った意思決定につながる可能性があります。最終コンバージョンに至る「前段階」のユーザー行動を考慮できないためです。
従来のKPIでは利益ベースの見落としがあり、正確な評価が難しい
2つめの理由は「従来のKPIでは利益ベースでの見落としが生じ、正確な評価ができない」ことです。
“新規顧客獲得の広告に関わる担当者が陥りやすい罠”として、CPAの低さやコンバージョン数をKPIとして重視しすぎる結果、「サービス認知のきっかけになった施策は何か?」「最終的に会社に残る利益はどれだけか?」といった点で、真の成果を正しく評価できないケースが見られます。
広告実施直後にCPAやコンバージョン数が良好な結果を出すと、短期的には成功と判断しがちですが、「利益ベース」で評価すると、投資した広告費を何年経っても回収できず、結果として赤字に陥ることも少なくありません。
「最終的に赤字であることに気付けない」という点は、従来の指標だけで広告効果を測定する大きなリスクといえるでしょう。
真の成果を測定するための効果測定指標とは?
従来の基本指標に加えて、真の成果を把握するために取り入れたい広告効果測定の指標が3つあります。
Total CPA(再配分コンバージョン)
Total CPA(再配分コンバージョン)とは
Total CPA(TCPA)は、イルグルムが開発した指標で、コンバージョンに至るまでに接触したすべての広告を評価するためのものです。
Total CPAと従来のCPAの計算式
指標 | 計算式 |
---|---|
CPA | 広告費 ÷ コンバージョン件数 |
Total CPA(TCPA) | 広告費 ÷ 再配分コンバージョン件数 |
「再配分コンバージョン」とは、最終コンバージョンに至ったラストクリックの広告だけでなく、その前段階でユーザーが接触した広告にもコンバージョンを配分する手法です。
例えば、Aさんが「Twitter広告」「記事広告」「Yahoo!広告」「Google広告」に接触した後、コンバージョンに至った場合、従来のCPAではラストクリックである「Google広告」だけにコンバージョンがカウントされます。しかし、Total CPAでは「1CV」を4つの広告に「0.25CV」ずつ配分します。
Total CPAでわかること:「広告の貢献度を加味した獲得コスト」
Total CPAを見ると「広告の貢献度を考慮したコスト」がわかります。先述のAさんの例で従来のCPAのみを評価している場合、バナー広告・記事広告・Yahoo!広告はコンバージョンに貢献していないとみなされ、逆にGoogle広告が実際以上に貢献していると評価されるリスクがあります。Total CPAはこうした誤った評価を防ぎ、各広告の貢献度を正確に把握できる指標です。
Total CPAを測定するにはアトリビューション分析が必要
Total CPAを測定するには、アトリビューション分析が求められます。アトリビューション分析とは、ラストクリック以外のクリック(アシストクリック)を測定し、コンバージョンに至るまでの各広告の貢献度を可視化する手法です。具体的には、アトリビューション分析が可能な「アドエビス(AD EBiS)」などのツールを使用して分析を行います。
ROAS
ROASとは何か
ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告費に対する回収率を表す指標です。日本語では「広告費用対効果」や「広告費回収率」とも呼ばれます。
### ROASの計算式
ROAS=広告経由の売上高 ÷ 広告費
「広告経由の売上高」の定義は企業によって異なり、よく使用されるのは「その広告で獲得した新規顧客の一定期間の累計売上高」を用いる方法です。
### ROASの計算例
– 広告費:100万円
– 広告経由で獲得した新規顧客の1年間の累計売上高:80万円
– ROAS:80万円 ÷ 100万円=【80%】
ROASが【100%】であれば、“広告費を売上高で回収できた”地点となります。
上記の例ではROAS=【80%】で、1年経っても広告費を完全には回収できていないことがわかります。
ROASを確認することで「広告の収益性」がわかる
ROASでわかるのは「広告の収益性」です。
ROASは、“広告費という投資に対してどれだけの収益を上げたのか”という割合を示し、数値が高いほど収益性が高い広告であると評価できます。
収益性が企業にとって非常に重要であるのは言うまでもありませんが、新規顧客獲得を目標にした担当者の多くがCPAなどの短期指標にとらわれ、収益性を犠牲にしてしまうケースがあるのは前述の通りです。
「広告実施直後の成績が良ければ良い」という短期的な視点は捨て、「最終的にどれだけの収益を上げられたか」を重視しましょう。
そのためにも、ROASを継続的にモニタリングすることが重要です。
LTV
LTVとは何か
LTV(Life Time Value)は、日本語で「顧客生涯価値」と訳され、ある顧客が生涯にわたる購買行動を通じて企業にもたらす利益を表す指標です。
例えば、Aさんが広告をきっかけにあなたの会社の顧客になったとします。Aさんが生涯にわたり、あなたの会社の商品を購入し、もたらす利益がLTVに該当します。
簡単にいえば、LTVが高い顧客ほど優良顧客とされ、企業の売上増加や安定した収益に貢献する大切な顧客です。
LTVを確認することで「獲得した新規顧客の質」がわかる
広告運用の経験がある方なら、広告媒体によって、同じCPAや同じコンバージョン数であっても「獲得できる新規顧客の質」が異なることに気づいているかもしれません。
例えば、次のようなケースです。
- 特定キーワードのリスティング広告経由で獲得した顧客はリピート率が高い
- 激安クーポン配布サイト経由で獲得した顧客は客単価が低い
- 専門メディア経由で獲得した顧客は客単価が高い
このように、CPAやコンバージョン件数だけではわからない「獲得した新規顧客の質」を把握するための指標として、LTVは非常に有益です。
同じCPAであれば、LTVが高い顧客を獲得できる広告のほうが成果が優れていると評価できるでしょう。
広告効果測定に活用できるツール3選
アドエビス
アドエビスは株式会社イルグルムが提供する広告効果測定ツールです。ユーザーの行動を詳細に解析でき、どのような経路でコンバージョンに至ったのかを把握することができます。傾向分析によって効率的なCV導線の設計にも役立ちます。計測漏れ防止や複雑なデータ集計に対応しており、サポートも充実しています。
- 料金体系:基本料金(定額)+従量課金
- 初期費用:0円
- 活用支援プログラム:0円
- サポート:メール・電話サポートは無料
初心者の方や、広告戦略が不明な方におすすめです。
WebAntenna
WebAntennaは株式会社ビービットが提供するツールで、広告だけでなく、メールやSNS、自然流入のデータも一元管理で測定可能です。複数の広告媒体を利用している場合や、流入経路の費用対効果を確認したい際に便利です。
- 料金:
- 基本料金(初期費用):無料
- 月額料金:クリック数に応じて2万円~
- 追加サービス:月額5万円~
導入支援やKPI設定のサポートも受けられるため、初心者でも安心して利用できます。
CAMP
CAMPは株式会社RightSegmentが提供する広告効果測定ツールで、親会社であるサイバーエージェントの信頼と高いブランド力を誇ります。PC、スマートフォン、タブレットなど、複数デバイスに対応しており、デバイスをまたいで広告を一元管理できます。複数デバイス対応のサイトを運営する企業に適しています。
- 料金:
- 初期費用:10万円
- 月額費用:クリック数に応じて1万円~
予算規模が大きい運用案件や信頼性の高いツールを求める方におすすめです。
広告効果測定の際に気をつけたいポイント
広告の種類や目的別に効果を測る
異なる種類や目的を持つ広告を混合して広告効果測定を行うと、正確な測定結果が得られません。
そのため、複数のWeb広告を同時に出稿している場合でも、広告ごとのコンバージョン数を個別に計測し、それぞれを分析する必要があります。これは、出稿期間中のコンバージョン総数で判断しようとしても、施策ごとの成果を適切に評価するのが難しいからです。
さらに、広告が主に狙う効果が接触効果なのか売上効果なのかによっても、適切な指標が異なります。
広告ごとに適した指標を設定し、詳細に情報を収集・分析することが、正確な広告効果測定に不可欠です。
アトリビューション分析も同時に実施する
アトリビューション分析とは、コンバージョンに至るまでの経路において、各広告がどれだけ貢献したかを評価する分析手法です。
コンバージョンは、最終的に売上に結びついた広告だけで実現したとは限らず、顧客がその前に見たメディアや広告も購入の意思決定に影響している可能性があります。そのため、プロセス全体での効果を正しく評価することが重要です。アトリビューション分析の結果に基づき、直接売上につながらない施策も貢献度に応じて評価・実行することで、各広告の改善が期待できます。
アトリビューション分析には、オンライン広告を対象にした「オンラインアトリビューション分析」と、オンラインとオフライン広告の両方を対象とした「統合アトリビューション分析」があります。オンラインに限定せず、オンライン・オフラインを統合した分析のほうが、より実態に近い評価が可能となり重要といえるでしょう。
定期的に広告効果測定を行う
広告効果は、広告の内容だけで決まるわけではなく、競合やトレンドなど外部の影響を受けて変動します。たとえ一度目標を達成しても、周囲の状況によって広告効果が低下し、費用対効果が薄れるリスクがあります。そのため、広告効果測定や分析は一度行えば十分というものではありません。
広告が目標とする成果を維持できているかを確認するには、定期的に効果測定を実施し、広告効果の変化を調査・分析する必要があります。分析結果に基づき、定期的に広告内容や手法を更新していきましょう。
広告効果測定だけで終了ではない
広告効果測定で得たデータを適切に活用しなければ、測定自体の意味が失われてしまいます。得られたデータをもとに改善策を立案・実行し、その結果を再度測定してPDCAサイクルを回し、より良い広告運用につなげていきましょう。
具体的には、次の流れが必要です。
- 事前に目標を設定する(広告の目的や目指す数値を明確にする)
- 広告ごとに効果測定と分析を行う
- 課題を特定し改善策をテストする(目標未達の広告は改善し、達成している広告にはさらなる成果を目指す施策をテスト)
- 費用対効果を確認する
これらの手順に沿って、広告効果測定の結果をさらに生かしていきましょう。
最後に
広告効果測定は、広告戦略を確実に実行するために欠かせないプロセスです。
売上やCV数といった指標に加え、外的要因や測定条件など、さまざまな要素を総合的に考慮しながら正確に広告の効果を測定することが重要です。
経験がない方は、ツールを活用して効果測定を行い、広告戦略に役立ててみてください。