目次
- 1 フォーム営業とは
- 1.1 メール営業との違いとは?
- 1.2 フォーム営業に向いている企業と向いていない企業の違いとは?
- 2 フォーム営業の4つのメリット
- 2.1 閲覧率が高い
- 2.2 連絡先を知らなくても担当者・決裁者にアプローチできる
- 2.3 質の高い見込み顧客の獲得も可能
- 2.4 より短い時間で対応が可能
- 3 フォーム営業の4つのデメリット
- 3.1 送信内容によっては悪い印象を持たれる
- 3.2 クレームに繋がる可能性がある
- 3.3 必ず返事をもらえるわけではない
- 3.4 送信に係る工数が多い
- 4 フォーム営業の実施手順4ステップ
- 4.1 ターゲットリストの作成
- 4.2 送信内容の作成
- 4.3 問い合わせフォームへの入力と送信
- 4.4 反響への対応
- 5 フォーム営業の文章構成
- 5.1 自己紹介
- 5.2 フォームを送った目的
- 5.3 自社の製品やサービスが実現できること
- 5.4 活用しない場合の不利益やリスク
- 5.5 求めているアクション
- 6 フォーム営業における5つのポイント
- 6.1 件名に工夫をこなす
- 6.2 文章を常に改善し続ける
- 6.3 反応がない企業にはアプローチを避ける
- 6.4 ホームページ上のサイトポリシーを確認する
- 6.5 カスタマー専用窓口などには送信しない
- 7 フォーム営業をさらに効率化するツール4選
- 7.1 APOLLO SALES
- 7.2 GeAIne
- 7.3 問い合わせにょーる
- 7.4 ホットアプローチ
- 8 さいごに
- フォーム営業ってどんな営業方法なの?
- どんなプロセスで営業を進めていくの?
この記事ではフォーム記事とはどんなものなのか基本的な概要を踏まえつつ、実際のフォーム営業をするときの実施手順やポイントも紹介していきます。
フォーム営業とは
企業が自社のウェブサイトなどに用意した「お問い合わせフォーム」を通じて、営業活動を展開する手法がフォーム営業です。お問い合わせフォームにはいくつか種類がありますが、フォーム営業では主に「総合窓口」が活用されます。顧客が送信したメッセージは企業が確認し、適切な担当者や部門に割り当てられ、必要な対応が行われる仕組みです。このプロセスを利用して、セールスレターのような内容で問い合わせを行い、潜在顧客にアプローチしていくわけです。
メール営業との違いとは?
メール営業は、すでにメールアドレスを入手している見込み顧客に対して展開される営業手法です。これには、メルマガなどで有益な情報を提供したり、新製品やサービスの発表、商談アポの調整などが含まれます。
フォーム営業と共通する側面もありますが、大きな違いはメールアドレスが既に得られた見込み顧客に対して行われるという点です。したがって、見込み顧客は既に企業を知っており、フォーム営業とは異なり、対話がより個別化されていると言えます。フォーム営業では通常、面識のない企業からの突然のアプローチが一般的であり、この特性が大きな違いとなります。
フォーム営業に向いている企業と向いていない企業の違いとは?
フォーム営業が適している企業や商品には次のような特徴があります。
- 訪問営業やテレアポに代わる新しいアプローチを模索している
- 製品やサービスの知名度を急速に広めたい
- 情報が決裁者に達すると案件化率が高まる商品
企業の成長に直結するのは、特に認知度を拡大し、アプローチの数を増やすことが重要です。そのような企業にとって、フォーム営業は特に適しています。
次のような企業や商品はフォーム営業には向いていません。
- ごくわずかな企業がターゲットとなるニッチな商品
- 長い信頼関係が重視され、おおくの場合は個人の商品
- 信頼性が最優先される商品
フォーム営業は相手方に悪い印象を与えることがあるため、信頼性が重要な商品には適していません。ただし、アプローチの具体的な内容によっては、特例も考えられます。
フォーム営業の4つのメリット
閲覧率が高い
最初に挙げられる利点は、「閲覧率の高さ」です。メール営業やダイレクトメールなどの手法では、開封されずに削除されたり、ゴミ箱行きになることがよくあります。
対照的に、問い合わせフォームは企業にとって重要な顧客との接点となるため、そこから届いたメッセージは高い確率で確認される傾向があり、フォーム営業の閲覧率は非常に高いと言えます。
連絡先を知らなくても担当者・決裁者にアプローチできる
連絡先の情報を知らない担当者や決裁者に対してアプローチできる点も、メリットと言えます。
メール営業などでは、相手のメールアドレスを把握しなければアプローチすることが難しいですが、フォーム営業は企業のホームページに問い合わせフォームがあればアプローチが可能です。特に中堅・中小企業では、決裁者が問い合わせフォームからの情報を確認することが一般的であり、決裁者に直接アプローチする手段として効果的です。
質の高い見込み顧客の獲得も可能
同時に、高品質な見込み顧客を獲得できるという点も見逃せません。
フォーム営業へのレスポンスを示す見込み顧客は、既にニーズが顕在化している可能性が高く、その結果、購買に繋がりやすくなります。これにより、商談から成約までのプロセスを円滑に進めることができるでしょう。
より短い時間で対応が可能
時間の短縮もメリットの一環です。
飛び込みや電話営業と比較して、フォーム営業は1件あたりの対応時間が非常に短いです。特に事前に用意されたフォーマットで文章を送れば、時間の節約が一層進みます。これにより、一日にアプローチできる件数も大幅に増えることがあります。
フォーム営業の4つのデメリット
送信内容によっては悪い印象を持たれる
フォーム営業は営業側にとって効率的な手法ですが、受け手である企業にとっては、突然面識のない企業からのアプローチがあります。
同じ連絡を繰り返し行ったり、自社には関係のない営業をされると、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
クレームに繋がる可能性がある
良くない印象だけでなく、クレームにつながる可能性もある点に留意する必要があります。
たとえ問い合わせフォームに「営業お断り」などの注意書きがあっても、それを無視して連絡してくる場合、クレームの原因となります。例えば、「このフォームは商業的な連絡を受けるためではない」といったクレームが発生する可能性があるでしょう。
必ず返事をもらえるわけではない
前述の「閲覧率の高さ」は重要ですが、注意が必要なのは、閲覧されたからと言って必ずしも返答が得られるわけではないという点です。
フォーム営業は、相手の課題やニーズを事前に把握せずに仮説を立てて行われるアプローチ方法です。そのため、送信する内容を適切に調整することが極めて重要です。
送信に係る工数が多い
同様に、メールとは異なり、個々の問い合わせに対して一件ずつ送信する必要があるという点も欠点として挙げられます。
メールでは、メーリングリストなどを活用して一斉送信が可能ですが、フォーム営業はそのような方法が使えません。企業の問い合わせフォームに対して、手動で一つずつ情報を入力していかなければならず、これが増えると作業量も増えると言えます。
フォーム営業の実施手順4ステップ
ターゲットリストの作成
まず最初に対象リストを作成する必要があります。
企業ごとに問い合わせフォームを調査し、一つずつアプローチするのは非効率です。そのため、事前にリストアップしておくことが重要です。ここで注目すべきは、問い合わせフォームの存在だけでなく、業種や規模などを含めて、自社の目指す顧客層を明確に選定することです。
送信内容の作成
次に送信内容を準備していきます。
ターゲットリストができれば、直ちに対象企業の問い合わせフォームに情報を入力していく段階に入りたいところですが、まずは送信すべき内容を具体的に定めておきます。
送信内容は企業の業種などによって一定のカスタマイズが必要ですが、全体的な流れは共通しているため、ある程度のフォーマットを事前に作成しておくのです。実際の構成については、後で詳しくご紹介します。
問い合わせフォームへの入力と送信
送信の際は、事前に用意された内容を問い合わせフォームに入力し、送信します。
この際には、自社の情報が正確に記載されているか、宛先に誤りがないかなどを細かく確認してから送信するようにしましょう。特に、フォーマットをコピー&ペーストしている場合は、企業ごとに変更が必要な箇所を正確に変更できているかを慎重に確認することが肝要です。
反響への対応
送信が完了したら、残るは送信先からの反応を待つのみです。
もし反応があれば、できるだけ早く対応していくよう心がけましょう。フォーム営業において企業からの反応がある場合、それは購買意欲が高い可能性があります。したがって、商談を進めつつ、具体的なニーズや予算感、納期感などを事前に確認することで、効果を最大化できるでしょう。
フォーム営業の文章構成
自己紹介
構成要素の最初に挙げられるのは「自己紹介」です。
まずはじめに、自分が誰であるかを明らかにします。無断で問い合わせから営業をかけることは相手にとって失礼であるため、丁寧に自分の身元を必ず明かすようにしましょう。
【構成要素の例文】
問い合わせフォームからの突然のご連絡で、大変申し訳ございません。
私は、○○株式会社の□□と申します。
フォームを送った目的
次に、連絡の目的を簡潔かつはっきりと示しましょう。
文章全体を読まなくても、「なぜ連絡しているのか」が理解できるようにしないと、企業が無視する可能性が高まります。企業が反応する可能性がある場合でも、「何に関する問い合わせか?」が不明確だと、実際の返信が得られる確率が低下するので注意しましょう。
【構成要素の例文】
貴社のビジネスについて調査させていただき、弊社の○○サービスが貴社に価値を提供できるかもしれないと考え、フォームから連絡いたしました。
自社の製品やサービスが実現できること
次に、当社が提供する製品やサービスの実現可能性を明確に説明します。
この際、注力すべきなのは「この機能があることで、お客様にどういった利益や効果がもたらされるか」という視点です。スペックや性能を単にアピールするのではなく、読み手に考えさせる要素を強調することが大切です。また、ここで数値や実績を引用する場合は、単に約○○という抽象的な表現よりも、具体的な数字を提示することで信頼性を高めることが重要です。
【構成要素の例文】
当社の提供する「○○」を導入いただくことで、最大28.7%のコスト削減が実現でき、お客様にとっての具体的なメリットが生まれます。
活用しない場合の不利益やリスク
次に、自社の製品やサービスを利用しない場合のデメリットやリスクなどを伝えるようにします。これは絶対に必要な要素ではないものの、巧みに組み込むことで反応率を向上させることも可能です。人は得られるものよりも失うものに注目する傾向があるため、この点を利用しています。
【構成要素の例文】
現在、1か月間の無料キャンペーンを展開していますが、次月からはこのキャンペーンが終了となります。したがって、ご興味をお持ちいただけるならば、少なくともお話しの機会だけでもいただければと思います。
求めているアクション
最後に、このオファー内容を確認した相手に対して、具体的なアクションを明示します。
アクションを提示しないと、相手は情報を読んで終わりにする可能性が高まり、結果的には返答が得られないかもしれません。
従って、問い合わせフォームに送信するオファーの最後には、特定の行動を促す要素を必ず組み込むようにしましょう。
【構成要素の例文】
もし少しでもご興味をお持ちいただけましたら、直接お話しできる機会を頂戴できれば幸いです。以下はご都合の合う日程の例です。
<日程候補>
・〇月〇日(〇曜日) 14:00~15:00
・〇月〇日(〇曜日) 午前中
・〇月〇日(〇曜日) 16:30~17:30
もし上記の日程が都合が悪い場合は、ご都合の良い日時をお知らせいただければ助かります。
フォーム営業における5つのポイント
件名に工夫をこなす
最初の重要な要点は、件名を工夫することです。
問い合わせ内容が読まれるかどうかは、ほとんどが件名次第であると言っても過言ではありません。例えば、「サービスのご案内」とだけ書かれた場合、多くの場合、「売り込みか…」と判断され、無視されることがあります。
よって先の構成要素にも示されたように、自社が実現できることなど、相手の視点から興味を引くような内容を件名に盛り込むことが肝要です。人は基本的に、自身にとってのメリットや新しい情報に敏感であり、その視点から件名を工夫することが効果的です。
文章を常に改善し続ける
オファーの文章を絶えず改善していくことも重要な要点です。
一度作成したオファー文を長期間使い続けるケースも見受けられますが、もし文面が効果的でない場合は改良が必要です。また、一度に使用するオファー文を一つに限らず、広告におけるA/Bテストのように比較可能なバリエーションを用意して、効果を評価することも有益です。このようなオファー文の効果検証を通じて、絶え間ない改善を進めることで、フォーム営業の成果を向上させることができます。
反応がない企業にはアプローチを避ける
次に注目すべきポイントは、反応がない企業に何度も送信しないということです。
先ほど述べたように、フォーム営業は相手から不快な印象を受けやすく、最悪の場合はクレームに繋がる可能性もあります。そのため、一度送信しても反応がない企業に対して、繰り返し送信することは避けるべきです。
反応がない場合、相手が否定的な印象を持っている可能性も考慮されるため、再度のアプローチは注意深く検討すべきです。
ホームページ上のサイトポリシーを確認する
さらに、重要な要点としてホームページ上のサイトポリシーの確認が挙げられます。
企業のホームページには一般的にサイトポリシーが掲載されており、そこでホームページの利用に関する規定を確認することが重要です。特に問い合わせフォームを利用した営業活動が禁止されている可能性がある場合、フォーム営業を中止すべきです。
もし禁止事項を知らずにフォーム営業を行った場合、クレームやトラブルの原因となりかねないため、確認は怠らないようにしてください。
カスタマー専用窓口などには送信しない
フォーム営業を行う際には、絶対にカスタマーサポート専用窓口や注文専用窓口などに送信しないように慎重にするということです。
最初に述べた通り、お問い合わせフォームには総合窓口やカスタマーサポートなどさまざまなタイプが存在します。これらの窓口に送ってしまうと、クレームなどに発展する可能性が高まります。そのため、フォーム営業を実施する際には、主に総合窓口などに対象を絞り、注意深く進めるように心掛けましょう。
フォーム営業をさらに効率化するツール4選
自社でフォーム文章を作成するよりさらに効果を高めるため、プロの手を借りるフォーム営業ツールを活用することも一つの手です。そこで、フォーム営業に効果的なツールを4つ紹介していきます。
APOLLO SALES
150万社のリストから特定の条件に基づいて営業リストを効率的に作成し、フォーム投稿まで一括で実現できるフォーム営業ツールがあります。このツールにはフォームだけでなくメール配信機能も備わっており、営業以外の用途にも適用可能です。使いやすいデザインのダッシュボード上で、送信した問い合わせやメールの開封率、本文中のURLのクリック率などを確認できる効果測定機能も備わっています。
このツールの導入を容易にしてくれるのは、専門のサポート体制です。各企業には導入に関するコンサルティングを行う専任担当者が付き、操作方法からアポイント取得、営業メールの文面の提案までサポートしてくれます。これにより、安心してツールを始めることができます。月額数万円から始めることができ、営業経験が少ない中小企業やベンチャー企業に特におすすめです。
料金:要問い合わせ
詳しくはこちら:https://apollosales.co/
GeAIne
アポ獲得に特化したセールスサポートシステム。これまでの受注(顧客)リストをアップロードすると、AIが判断して受注しやすい企業の特徴を明確に示します。優先度をつけて送信作業が簡単に行えるため、これまでの営業履歴を最大限に活用することが可能です。複数の営業文章のパターンを登録し、ABテストを行ったり、開封率やクリック率が表示される簡易レポートなど、効果の測定ができる機能も装備しています。
その他にも、問い合わせフォームの仕様に柔軟に対応し、途中までの入力を自動化する半自動の機能や、営業文章内の自社サイトへのリンクがクリックされた場合に、どの企業がクリックしたかを通知する機能など、営業リストの作成だけでなく、成果を最大化するための多彩な機能が提供されています。
料金:月額70,000円(営業リスト付プラン・ビジネス)、初期費用は別途です。
詳しくはこちら:https://the.geaine2.jp/
問い合わせにょーる
同社はデータ・リストの販売と調査代行を中心に据え、長年培った680万件の法人電話帳を利用して提供されるフォーム自動投稿サービスを主軸としています。このサービスでは、会員登録など煩わしい手続きは不要で、依頼方法も専用サイトに「エリア」「業種」、返信先の自社「メールアドレス」を入力するだけで完了します。残りの手続きは、法人電話帳の中から条件に合ったかつURLを備えたターゲットを自動で選定し、HPの問い合わせフォームに一括投稿が可能です。このサービスは送信件数に応じた従量課金制度を導入しており、コストを簡単に試算できるのが特徴です。
料金:50円〜65円/件
詳しくはこちら:https://www.navit-j.com/
ホットアプローチ
ハンモックが提供する新しいフォーム営業ツールは、クラウド型名刺管理ツール「ホットプロファイル」を運営する企業です。
このツールは、営業リストの元となる企業データベースに470万社以上の登録があり、業界、エリア、従業員数、上場区分、連絡先の有無などの条件を指定して細かくターゲットを絞り込んだ営業リストを作成できる特長があります。これにより、目指す企業にピンポイントでアプローチすることが可能です。
また、営業文章の内容には複数のひな形が用意されており、業種ごとに最適なアプローチを簡単に作成できます。送信後の機能として、「行動ログ」が含まれており、営業文章内のURLを通じて自社HPへのアクセス状況を把握できます。これにより、訪れたページや閲覧時間などの情報を確認し、営業活動に有益な情報を得ることができます。
料金:月額40,000円〜
詳しくはこちら:https://www.aspicjapan.org/asu/service/18001
さいごに
お問い合わせフォームを営業活動に活用することで、質の高い顧客を獲得でき、さらに営業活動の工数を減らすことができます。さらに閲覧率が高く、連絡先を知らなくでも営業活動ができるというメリットもあるため、貴社の営業活動にお問い合わせフォームを活用してみてはいかがでしょうか?