目次
- 1 Salesforceでできることとは?
- 2 Salesforceの使い方の前に知っておきたい用語集
- 2.1 オブジェクト
- 2.2 レコード
- 2.3 項目
- 2.4 リード
- 2.5 取引先・取引先責任者
- 2.6 商談
- 2.7 キャンペーン
- 2.8 レポート
- 2.9 Chatter(チャター)
- 2.10 ロール
- 3 Salesforceの使い方4ステップとは?
- 3.1 運用ルールを決める
- 3.2 最低限のデータを投入
- 3.3 レポート・ダッシュボードを作成して営業効率化
- 3.4 インサイドセールス・マーケティングの効率化
- 4 Salesforceを効果的に使うためのコツ
- 4.1 推進チームを設ける
- 4.2 具体的な目標を設定する
- 5 Salesforceの使い方を学ぶ4つの方法
- 6 まとめ:Salesforceの使い方をマスターして業務効率を向上
Salesforce(セールスフォース)はどのように活用できるのかを詳しく解説します。基本的な使い方や機能について、特に営業支援・顧客管理・CRMツールとしてのSales Cloud(セールスクラウド)の導入を検討されている方に向けて、わかりやすくご紹介します。
Salesforceでできることとは?
まず、セールスフォースが提供する代表的なサービスである**営業支援・CRMツール「Sales Cloud」**について解説します。
Sales Cloudは、営業進捗管理や顧客関係管理を統合的に実現し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の促進や情報の管理・共有に寄与するクラウドサービスです。
Sales Cloudを使えば、以下のような活動に役立ちます。
- 営業活動情報の記録
- 営業活動の進捗とタスクの管理
- 売上予測
- 目標と達成率の管理
- 売上分析やレポートの作成
- 営業テレワーク
Sales Cloudには、営業DXを推進するために必要な機能がすべて内包されています。営業チームワークの向上や業務効率化はもちろん、企業の働き方を変えるためにも有用なツールです。
「Marketing Cloud Account Engagement (旧Pardot)」、コールセンターなどのカスタマーサービスに特化したService Cloudを組み合わせて使えば、潜在顧客から見込み顧客、既存顧客の顧客体験すべての最適化が可能となります。
Salesforceの使い方の前に知っておきたい用語集
Salesforceでは、独自の専門用語が数多く使用されます。ツールを効果的に利用するためには、これらの用語とその意味を理解しておくことが重要です。以下は、特に重要な用語とその解説です。
用語 | 意味 |
---|---|
オブジェクト | データが格納される入れ物 |
レコード | オブジェクトに保存される個々のデータ |
項目 | レコード内のデータを表すラベル |
リード | 見込み顧客 |
取引先・取引先責任者 | 商談に関係する企業・担当者 |
商談 | 進行中の案件 |
レポート | データを抽出・整理した表やグラフ |
Chatter(チャター) | Salesforce内蔵のチャットツール |
キャンペーン | マーケティング活動の追跡・分析機能 |
ロール | アクセス権限を付与する機能 |
オブジェクト
Salesforceにおける**データの分類や管理を行うための「入れ物」**です。
たとえば、以下のオブジェクトがあります:
- リード:見込み顧客の情報
- 取引先:取引する企業や組織の情報
- 商談:進行中の取引情報
これらは「標準オブジェクト」と呼ばれますが、**業務に応じた「カスタムオブジェクト」**を作成することも可能です。
レコード
「レコード」は、オブジェクトに格納される具体的なデータそのものを指します。
例えば、リードオブジェクトに保存された「A株式会社」の会社名や連絡先が1つのレコードです。レコードには一意のIDが付与され、管理がしやすくなります。
項目
項目は、レコード内のデータを構成するラベルです。
例として、リードの項目には以下のようなものがあります:
- 企業名
- 住所
- 電話番号
項目には標準項目とカスタム項目があり、業務内容に応じて柔軟に設定できます。
リード
「リード」は、商談前の見込み顧客を指します。
具体的には次のような行動を取った顧客です:
- 資料請求や問い合わせをした顧客
- イベントやセミナーに参加した顧客
これらのリードを商談につなげることで、成約の可能性を高めます。
取引先・取引先責任者
- 取引先:自社と取引を行う企業や組織
- 取引先責任者:その企業内での担当者
例として、取引先には「顧客企業」や「パートナー企業」などが該当します。これらを分けて管理することで、営業活動を効率的に進めることが可能です。
商談
「商談」とは、進行中の取引や交渉案件に関する情報を指します。
Salesforceでは、商談の進捗状況を共有し、売上予測や営業活動の分析が行えます。商談履歴を詳細に記録することで、次のアクションを効率的に計画できます。
キャンペーン
「キャンペーン」は、マーケティング施策を管理・分析する機能です。
展示会やメールマーケティングなどの結果を追跡し、費用対効果の測定や次回の施策に活用できます。
管理項目には以下があります:
- イベントの日程
- 予算や目標
- ターゲット顧客情報
レポート
Salesforceのデータを表やグラフ形式で整理・分析する機能です。
営業状況の可視化や課題の抽出が可能で、カスタマイズして独自の分析指標を作成することもできます。
Chatter(チャター)
「Chatter」は、Salesforce標準搭載のチャットツールです。
テキストメッセージやファイル共有、タスクの割り当てが可能で、社内外でのコミュニケーションを円滑にします。
主な活用例:
- 営業チーム間の情報共有
- 進捗報告やタスク管理
ロール
「ロール」とは、Salesforce内での権限設定機能です。
アクセス制限をかけることで、情報漏洩や不正アクセスを防ぎます。また、初心者ユーザーによる誤操作のリスクを軽減できます。
Salesforceの使い方4ステップとは?
Salesforce導入から活用までの手順は、以下の4つのステップで進めていきます。
1・2の準備ステップをしっかり行うことで、3・4の活用ステップの精度が大幅に向上します。
運用ルールを決める
Salesforceの運用開始にあたり、まず**「運用ルール」**を明確に設定しましょう。
運用ルールは次の2つの構成から成り立ちます:
- 運用フロー:誰が、いつ、どの目的で入力やチェックを行うか
- 入力・更新ルール:どの情報をどのように入力・更新するか
現場で実際に使用する営業メンバーや顧客サポートメンバーの意見を反映させることが重要です。これにより、現場の負担を軽減し、ルールの定着率を高められます。
また、運用中には細かな疑問が発生するため、運用方法が統一されるよう、事前に詳細なルールを作成しておきましょう。
最低限のデータを投入
運用ルールの策定後は、運用に必要な最低限のデータを投入します。以下の情報が特に重要です:
- ユーザーとアクセス権
- 会計年度
- 取引先企業名や顧客データ
- 商談状況
- TODOや行動スケジュール
特に、取引先企業名や役職などの顧客データは最新の状態を保つことが重要です。情報が古い場合、集計や連携に余計な手間がかかるため、担当者の変更などがあれば迅速に更新しましょう。
レポート・ダッシュボードを作成して営業効率化
データの入力が完了したら、レポートやダッシュボードを作成して業務効率化を進めます。
- ダッシュボードでは、売上や予算の進捗がグラフや色分けデータで表示され、一目で状況を把握可能です。営業会議の資料作成にも役立ちます。
- レポートでは、詳細な状況分析やデータ比較が行えます。出力したデータは簡単に共有でき、組織内の認識統一にも役立ちます。
インサイドセールス・マーケティングの効率化
Sales Cloudは商談化以降の営業プロセスをカバーしますが、マーケティング活動全体を単体で対応することはできません。そのため、Account Engagement(旧Pardot)などのMAツールとの併用をおすすめします。
Account Engagementを活用することで次のような効率化が可能です:
- Webサイトからのお問い合わせや展示会で得た見込み顧客を、興味度に応じて分類・対応
- 自動シナリオに基づいたパーソナライズされたマーケティング活動の実施
これにより、有力な見込み顧客を効率的に発掘・育成し、Sales Cloudでの商談管理にスムーズにつなげることができます。
Salesforceを効果的に使うためのコツ
Salesforceは非常に優れたツールですが、その成果は使い方次第で大きく変わります。導入時に重要なポイントを押さえておくことで、ツールの可能性を最大限に引き出し、効果的に活用することができます。以下の2つのポイントを意識しましょう。
推進チームを設ける
導入時に強く推奨されるのが、推進チームの創設です。このチームの役割は以下の通りです:
- 運用ルールの策定
- 運用状況の監視
- 現場の意見を集約し、業務の実態に基づいた改善を継続的に実施
推進チームを設けることで、現場の声や企業特有の運用ノウハウを集約でき、将来的な改善活動の基盤が築かれます。
また、推進チームが継続的に改善を行えば、Salesforceの業務適合度は時間とともに向上します。一方、改善が伴わない場合、導入効果は時間の経過とともに低下するため、長期的な視点で運用を進めることが重要です。
具体的な目標を設定する
Salesforce導入時には、数値を用いた具体的な運用目標を設定しましょう。
「案件管理を行う」などの抽象的な目標ではなく、以下のような具体的な目標を掲げることがポイントです:
- 月間〇件の商談成約を達成する
- 顧客情報の入力率を100%にする
- レポート活用で営業会議準備の時間を50%削減する
ツールはあくまで目標を達成するための手段です。そのため、導入によってどのような成長を期待するのか、未来図を明確に描き、共有することで、組織全体が一丸となって運用を進められます。
Salesforceの使い方を学ぶ4つの方法
サクセスナビを利用する
サクセスナビは、Salesforceの公式サイトで、導入手順や活用のヒントがまとめられた情報発信プラットフォームです。以下のようなコンテンツが豊富に揃っています:
- 導入ステップの解説
- 活用例やコラム
- 最新情報の提供
特に「はじめてガイド」では、Salesforceの導入初期に役立つ内容をステップ形式で学べます。さらに、活用事例やインタビュー動画が集まったコミュニティサイトもあるため、定期的に情報をチェックすることで、新たな知識を得ることができます。
Trailhead(トレイルヘッド)で学習する
Trailheadは、Salesforceが提供する無料のオンライン学習ツールです。カリキュラムに沿って、基本的な用語や機能の使い方を学べるだけでなく、実践的な演習が可能です。
主な特徴:
- デモ画面を操作しながら学べる
- 学習完了後にポイントやバッジを獲得し、達成度を把握できる
- スキマ時間を活用して効率的に学習可能
Salesforce初心者から、さらなるスキルアップを目指す上級者まで幅広いレベルに対応しています。
イベントに参加する
Salesforceでは、不定期でセミナーやイベントが開催され、初心者から上級者まで参加できる内容が用意されています。主なイベントの例:
- トレーニングイベント:基本的な使い方を学べる
- ユーザ会:ユーザ同士の情報交換が可能
- セールスフォースジャパン主催のウェビナー
ウェビナーは、録画が視聴可能なものも多く、社内研修の一環としても活用できます。これらのイベントに参加することで、最新の機能や実際の活用方法に触れることができます。
コンサルティング会社に相談する
Salesforce導入や運用に不安がある場合、専門のコンサルティング会社に相談するのも効果的です。
コンサルティング会社のメリット:
- 専門的な知識と経験を活かした導入サポート
- 社内の問い合わせ窓口を代行してもらえる
- 運用状況の定期モニタリングにより問題を早期発見
特に、Salesforceのカスタマイズや高度な設定を行う場合は、ITリテラシーが必要となるため、専任者や専門会社に依頼することでスムーズな導入・運用が実現します。
まとめ:Salesforceの使い方をマスターして業務効率を向上
Salesforceは、豊富な機能と高いカスタマイズ性を持つプラットフォームです。効果的に活用するには、導入の目的を明確にし、利用定着までしっかり促進することが重要です。
Salesforceをうまく活用することで、営業活動の効率化や顧客満足度の向上を実現できます。今回ご紹介したポイントを参考に、Salesforceを最大限活用してください。導入・運用には専門知識やノウハウが必要な場合もあるため、知識豊富なコンサルティング会社に相談するのも良い選択肢です。
GENNE株式会社では、Salesforceを含めた営業改善ツールの導入運用サポートを行っております。Salesforceの導入を検討されている方、運用しているが効果がうまく出ていない方など、Salesforceの活用に対してお悩みがある方は是非弊社に一度お問い合わせください。