目次
- 1 kintoneとExcelを連携させたい理由
- 1.1 Excelの方が情報入力しやすい
- 1.2 取引先からExcelでの情報共有を指定されている
- 1.3 ◆デザインされたExcel帳票への出力が必要
- 2 Excelからkintoneへ移行するメリットとは?
- 2.1 複数人でのデータ管理が可能
- 2.2 統一されたフォーマットで情報を操作できる
- 2.3 コメントを通じて円滑なコミュニケーションが行える
- 2.4 変更の履歴が記録され、データの復元が可能
- 3 Excelをkintoneに取り込む際の気をつけるべきポイント
- 3.1 「ファイルの読み込み」と「アプリの管理」の権限
- 3.2 取り込む前にはバックアップを取る
- 3.3 読み込み不能なフィールドが存在する
- 3.4 ルックアップフィールドの取り込みには注意
- 4 Excelとkintoneを連携させるサービス・プラグインとは?
- 4.1 CData Excel Add-In for kintone
- 4.2 楽々Excel-kintone連携ツール
- 4.3 kintone 楽々帳票
- 4.4 krewSheet
- 4.5 Smart at tools for kintone Excel入力
- 4.6 RepotoneU Pro
- 5 結局どのエクセル連携サービスがおすすめ?
- 6 さいごに
数式が複雑で属人化してしまっているエクセルファイルや、ファイルが重くて開くのに時間がかかる、複数のファイルに情報が散らばっているエクセルデータでお困りではありませんか?
また、すでにkintoneを活用している企業様でも、次のような理由でエクセルを完全に手放せない場合が多いのではないでしょうか:
- 「エクセルは豊富な関数機能があって便利だから使い続けたい」
- 「社内で使い慣れたエクセルフォーマットをkintoneに移行するのは難しい」
エクセルで管理していたデータをkintoneへ移行することで、複数人でデータの編集・共有・管理が一元化できるようになります。
さらに、便利な連携サービスを活用すれば、エクセルの利便性を保ちながらkintoneの強みも活かすことが可能です。
そこで今回は、エクセルデータをkintoneへ移行するメリットや、エクセルとkintoneのおすすめ連携サービスをご紹介します!
脱エクセルを進めて、社内データを一元化してみませんか?
kintoneとExcelを連携させたい理由
Excelの方が情報入力しやすい
Excelはセル単位で帳票を自由に設計できるうえ、関数や多様な入力補助機能を活用できます。
その結果、ユーザーが入力しやすいフォームを簡単に作成可能です。
kintoneもある程度の自由な設計が可能ですが、Excelほどの柔軟性には及びません。
そのため、業務で入力しやすいフォームを使いたい場合、Excelの利用を完全にやめることは難しいと言えます。
取引先からExcelでの情報共有を指定されている
Excelはどの企業でもやり取りが可能な汎用的なファイル形式です。
取引先とのデータ共有にExcelが使われるケースは非常に多く、取引先から送られてくるデータがExcel形式の場合、kintoneへ業務を完全移行するのは困難です。
◆デザインされたExcel帳票への出力が必要
例えば、見積書や報告書など、取引先に提出する帳票はデザインされた状態で提供する必要がある場合があります。
しかし、kintoneでは帳票デザインができないため、レコード印刷機能を使って印刷用データを出力することは可能ですが、デザインがシンプルで取引先提出用には不十分な場合があります。
Excelからkintoneへ移行するメリットとは?
複数人でのデータ管理が可能
エクセルでは、データを社内で共有するためにサーバーやメール、クラウドストレージを使う必要があります。しかし、kintoneを利用すれば、データ更新や追加をリアルタイムで共有できます。
kintoneでは共通のアプリ内でデータを同時に編集・追加・削除が可能です。
アクセス権限を設定すれば、ユーザー単位や部署単位で細かい閲覧・編集制限も行えます。さらに、スマートフォンアプリを利用することで、外出先からでもkintoneの情報にアクセスでき、出先での業務効率が大幅に向上します。
統一されたフォーマットで情報を操作できる
kintoneでは、フォーマットを社内で簡単に共有できるため、データの一元管理が容易に行えます。これにより、エクセルで起こりがちな部署や支店ごとにフォーマットがバラバラで集計ができないといった課題も解消されます。
また、kintoneでは計算式が管理画面で設定されるため、編集ミスで計算式が壊れる心配がありません。エクセルのように、不注意で計算式が削除されたり、変更されたりするリスクを未然に防ぐことができます。
コメントを通じて円滑なコミュニケーションが行える
kintoneには、レコード(1データ単位)にコメントを残せる機能があります。これを活用すれば、データ更新の経緯や注意点、具体的な指示などを管理画面上で簡単に共有できます。
従来、他のチャットツールやメールで行っていた指示や確認作業をkintone上で完結できるため、コミュニケーションにかかる時間を短縮し、指示伝達の確実性を向上させることができます。
変更の履歴が記録され、データの復元が可能
kintoneでは、データの変更履歴が自動的に記録されます。これにより、エクセルのようにマクロを組み込む必要がなく、誰がいつどのようにデータを変更したのかを確認できます。
さらに、過去の状態にワンクリックでデータを復元できるため、不意のミスやトラブルにも柔軟に対応可能です。
Excelをkintoneに取り込む際の気をつけるべきポイント
「ファイルの読み込み」と「アプリの管理」の権限
データを共有するメンバーには「ファイル読み込み」権限と「アプリ管理」権限を付与する必要があります。
これらの権限がない場合、データの読み込みや操作ができません。
特に、作成者や更新日時などのフィールドを指定してファイルを読み込む場合は「アプリ管理」権限も必要です。
権限設定はkintoneの設定画面から簡単に行えます。
取り込む前にはバックアップを取る
kintoneでは、データを一括で取り込むことはできますが、一括で取り込み前の状態に戻すことはできません。
そのため、エクセルデータを取り込む前には、既存のレコードをファイルに書き出してバックアップを取っておくことをおすすめします。
なお、バックアップを行うには**「ファイル書き出し」権限**が必要ですので、事前に確認しておきましょう。
読み込み不能なフィールドが存在する
以下のフィールドは、エクセル取り込み時に対応していないため注意が必要です。
- 計算フィールド(他のフィールドの値を元に計算されるため)
- 添付ファイルフィールド(取り込み・書き出しともに不可)
- ルックアップフィールド(コピー元に「値の重複禁止設定」がない場合)
- レコードの作成者/作成日時/更新者/更新日時(既存レコードでは不可)
さらに、ドロップダウンフィールドの選択肢にない項目や、チェックボックスやラジオボタンフィールドのデータ形式が合わない場合も、取り込みに失敗する可能性があります。
ルックアップフィールドの取り込みには注意
kintoneのルックアップフィールドは便利な機能ですが、エクセル取り込み時には特に注意が必要です。
ルックアップ元のアプリで「値の重複禁止」設定がされていない場合、ルックアップフィールドを取り込むことができません。
さらに、エクセルに入力されている内容がルックアップ元のアプリのデータと完全一致していない場合もエラーが発生します。
例:
- 「株式会社」が「㈱」になっている
- 全角と半角の違い
これらを防ぐため、事前にデータの表記揺れを確認・修正しておくことが重要です。
次のステップでは、「エクセルからの移行が難しい」「計算式が複雑で移行できない」といった課題を解決するための連携サービスやプラグインをご紹介します!
これらを活用すれば、エクセルデータを引き続き活用しながら、kintoneでの効率的な管理が可能になります。
Excelとkintoneを連携させるサービス・プラグインとは?
CData Excel Add-In for kintone
「CData Excel Add-In for kintone」は、kintoneのデータをエクセル上でリアルタイムに操作・加工できる外部連携サービスです。
主な特徴:
- 大量データの一括読み込みが可能。
- グラフや分析ツールを使ったデータ分析をAPI不要で実現。
- 非エンジニアでも簡単に操作でき、専門知識が不要。
エクセルでのデータ分析や加工を頻繁に行う企業に特におすすめです。
楽々Excel-kintone連携ツール
「楽々Excel-kintone連携ツール」は、エクセル上でkintoneのデータを簡単に操作できるツールです。
主な特徴:
- プログラミング不要で、ボタン操作だけで利用可能。
- kintoneアプリと連携したエクセルシートを自動生成。
- そのエクセルシートから、kintoneデータの編集・更新が可能。
非エンジニアや現場スタッフが気軽に使えるツールとして、業務効率を大幅に向上させます。
kintone 楽々帳票
「kintone 楽々帳票」は、kintoneのレコードをエクセル形式の帳票として出力するアプリです。
主な特徴:
- 写真付き帳票の作成にも対応。
- 買い切り型で初期導入費用以外のコストがかからない。
- kintone内のデータを活用し、取引先に提出する帳票の作成が可能。
帳票のデザインやフォーマットを重視する企業に最適です。
krewSheet
「krewSheet」は、Excelライクなデータ編集が可能なプラグインです。
主な特徴:
- kintone上でExcelのような操作感でデータ編集が可能。
- Excelデータをコピー&ペーストで転記できるため、簡単にkrewSheetへデータを移行可能。
- Excel操作に慣れた方でも使いやすい設計で、無理なく“脱エクセル”が目指せます。
利用料金:
- 100ユーザーまでのプランで月額23,000円(税抜)、または年額250,000円(税抜)。
- 無料お試し版も提供されており、導入前に気軽に試すことが可能です。
特徴的な利用シーン:
Excel操作が中心の業務からkintone移行を検討している企業にとって理想的なソリューションです。大手企業にも多数導入されており、その使いやすさと実績が評価されています。
Smart at tools for kintone Excel入力
「Smart at tools for kintone Excel入力」は、Excelのシートをkintoneに取り込むことができるプラグインです。
主な特徴:
- Excelの情報入力のしやすさをそのまま活かせる設計。
- kintoneの添付ファイルフィールドにExcelファイルを添付するだけで、データが自動的にkintoneに登録されます。
- Excelでの入力やデータ共有を続けながら、kintoneを活用した業務が実現可能。
利用シーン:
「Excelの方が入力しやすい」「取引先からExcelでの情報共有を指定されている」といった理由で、kintoneへの完全移行が難しい企業に最適です。
RepotoneU Pro
「RepotoneU Pro」は、kintoneのデータをExcel形式の帳票に出力できるプラグインです。
主な特徴:
- デザインされたExcel帳票をそのまま出力可能。
- 現在利用しているExcelフォーマットをそのまま使えるため、馴染みのあるデザインを維持しつつ出力が可能。
- 見積書や報告書など、外部提出が必要な帳票の作成に特に便利。
利用シーン:
「デザインされたExcel帳票でなければならない」という場面が多い企業に最適です。
帳票出力が必要な場合、手間を減らしながら業務効率を向上させることができます。
これらのプラグインを活用することで、Excelの利便性を維持しながら、kintoneを活用した柔軟な業務管理が可能になります。
結局どのエクセル連携サービスがおすすめ?
以下は、これまでの情報を基にした6つのkintone連携サービスの比較表です。
連携サービス | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
CData Excel Add-In for kintone | – kintoneに直接アクセスしてデータの取得・更新・挿入・削除をエクセル上からリアルタイムで管理可能。 | 35,000円〜100,000円(年度・永久) |
楽々Excel-kintone連携ツール | – 複雑な計算式や条件設定の連携が可能。 – クラウド上で情報共有ができる。 | 18,000円(年額) |
kintone 楽々帳票 | – 多彩な帳票デザインが可能。 – VBAを使用して高度な出力にも対応。 | 50,000円〜150,000円(初期費用) |
krewSheet | – kintone上でExcelライクな操作感でデータ編集が可能。 – Excelデータをコピー&ペーストで転記可能。 | 月額23,000円(税抜) 年額250,000円(税抜) |
Smart at tools for kintone Excel入力 | – Excelシートをkintoneに自動取り込み可能。 – Excelの入力のしやすさを維持しつつkintoneを活用可能。 | 要確認(利用事例により異なる) |
RepotoneU Pro | – デザインされたExcel帳票を出力可能。 – 現在使用中のフォーマットをそのまま活用できる。 | 要確認 |
この表を参考に、それぞれのツールが提供する機能や価格を比較し、自社の業務に最適なサービスを選んでみてください!
さいごに
脱エクセルを目指して社内業務のDX化を進めるためにkintoneを導入した企業の中には、「一部の業務はkintoneに移行できたものの、操作性や機能の理由でエクセルを完全に手放せない」という声もあるのではないでしょうか。
本記事では、そんなお悩みを抱える企業様向けに、kintoneとエクセルを連携する方法や、kintoneにエクセルのような操作性や機能を追加できる外部ツールをご紹介しました。
この記事を参考に、ぜひ社内データの一元管理を実現し、高度なデータ分析やスピーディーな情報共有に活用してみてください!