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MA(マーケティングオートメーション)について調べていると、
「導入するだけでは効果はない」
「それ相応の知識をもって運用しなければ機能しない」
「導入・運用に失敗してメール配信のためだけのツールと化している」
などといったネガティブな言葉を見ることが多くあります。
こういった問題の原因は何なのでしょうか?
また、これらの問題を導入前に回避することはできないのでしょうか?
本ページではこの2つの疑問についてお答えしていきたいと思います。
最後まで読んでいただくことで、
「MAツール導入の失敗の主な原因」
「導入に失敗しないためにどうするべきか」
について理解していただけます。
MAについてまだ詳しくご存じでない方は、下のリンク先で詳しく説明していますので、そちらでご確認ください。
MAとは?主要機能6つを紹介!
MAツール導入失敗の原因は?
MA導入が失敗になってしまうケースの主な原因は、MAについての知識がないまま導入に至ってしまうことにあります。
MAの導入を検討している多くの企業が、MAのことを「マーケティングを自動化してくれるツール」という半分間違った知識を持っていることが多いです。そのため、導入後に「想像していたMA」と「実際のMA」のズレに気づき、より多くの人手とコストを投入せざるを得なくなることや、最悪の場合うまく機能させられないまま放置してしまうこともあります。
そこで、まずは失敗の原因となる「4つの具体例」をご紹介したいと思います。
作業全てを自動化してくれると勘違い
MAという名前から、マーケティング活動の全てを自動化してくれると考えている人も多くいますが、それは違います。
例えば、「一定の条件に適合する顧客全員にあるメールを送信する」などの、定型化された作業を自動化するといった運用は可能ですが、「一定の条件」「あるメール」などの内容は人が決めなければなりません。運用においては、ほぼ全てのプロセスで人の手の操作が必要になることを理解しておきましょう。
導入後、すぐに効果が出ると勘違い
MAは導入後、すぐに効果が出るものではありません。
ターゲットへのアプローチを初めても最初から効果が見られることはまれで、実際にはどのタイミングでどんなメッセージを届けるべきなのか、試行錯誤していかなければなりません。
この試行錯誤するプロセスは、MAの導入により効率化はできますが、解決することはできません。
そのため、効果が出るまでには相応の時間が必要であるということを理解しておきましょう。
営業部門とマーケティング部門の連携が取れていない
「MAはマーケティングにかかる業務の自動化と効率化を図るツール。だからMAの運用に関しては、マーケティング部門が一手に引き受けるべきだ!」
こう考えてはいませんか?
しかし、実際にMAを導入して成果を挙げるためには、他部門、特に営業部門とマーケティング部門の連携がうまく取れなければなりません。
例えば、MAの導入により見込度の高い優良な顧客リストが完成したとしても、そのリストを営業部門がうまく活用できなければ何の意味もありません。
このように他部門との連携がうまく取れていないと、企業としての利益を高めていくことはできません。
MAを導入する前にまずは部門間の連携を高め、部門ごとではなく企業として利益を挙げていくことを目指す体制を整えましょう。
コンテンツが足りていない
MAを導入することで、適切なタイミングでターゲットにアプローチができるようになり、さらにきめ細かなフォローができるようになったとしてもホームページにコンテンツ(※e-Bookやオウンドメディアなど)がなければ意味はありません。
ターゲットはどのような目的を持ってホームページに訪れるのでしょうか?
それは、ホームページにある有益な情報を集めるためです。
この「有益な情報」を継続的・効果的に発信できるようなコンテンツがなければ、ターゲットがホームページに訪れる頻度が減ってしまい、MAの機能を活かすことができなくなってしまいます。
このような事態を避けるためにも、頻繁にコンテンツを更新し、ターゲットが継続的にホームページに訪れてくれるような仕組みを構築しつつ、MAの運用で効率的に見込み顧客の収集と育成を行いましょう。
導入を失敗にしないために必要なこと
MAの導入を失敗にしないためには、MAについての知識を高めること、これに尽きます。
ただ一口に「MAについての知識」とは言っても、どういった知識がどれぐらい必要なのかわからない、という方がほとんどだと思いますので、そういった方のためにどういった知識が必要なのか、5つの意識すべきことを順を追ってご説明します。
自社の課題を認知する
一番初めに行うことは、自社の課題がどこにあるのかを把握することです。
課題が一切ない企業というのは恐らくないと思いますが、課題がなかったり、ハッキリしていないと、先のステップで行う「導入する目的を明確に決める」ということは当然できません。
そのため、まずは自社の課題はどこにあって、どこがボトルネックとなっているのかまで考えてみましょう。
MAで可能なこと、限界を理解する
自社の課題が分かったら、次はMAで何ができるのか、という部分を理解しなければなりません。
次の項で説明する「導入する目的を明確にする」ということをするためには、MAで何ができるのか、また、MAの限界を知っていなければ、「導入の目的」を正しく設定することはできません。
例えば、MAにより自動化できることは、実際の「アクション」の部分であり、「どんな場合にどんなアクションを取るのか」というシナリオの部分は人間が作る必要があります。
このようにMAは幅広いマーケティング活動を効率化してくれますが、すべてを自動化できるわけではない、ということを理解しておかなければなりません。
導入する目的を明確に決める
MAで可能なことがわかったら、その機能が自社のどんな課題を解決してくれるか考えてみましょう。
自社の課題とマッチし、それがコストに見合うものならば次のステップに進みます。
この時に注意しなければならないのは、コストとは金銭的なコストだけではなく、人的なコストも考えなければならないということです。
MAを導入して成果を挙げるには、社内に専任の運用責任者が最低でも1人は必要になります。
また、より広範囲にMAを活用しようとすれば、それだけ必要な人数が増えるので、こういった人的なコストについても計算に含めなければなりません。
最適なMA・CRMなどのツールを選定する
テクノロジーの進化と、効率化が叫ばれる時代背景も手伝って、MAができることはどんどん増えています。
そのため、多くのベンダーがMAの備えるべき基本的な機能を全て備えた、オールラウンドな何でもできるMAを開発していますが、差別化を図るために特徴的な機能を持っていることがほとんどです。
また、この段階で他のツールである「CRM」や「SFA」といったツールで目的を達成することはできないか、比較しながら検討してみましょう。
MAとCRM・SFAはそれぞれ違う特徴を持っているため、導入する目的によっては、CRMやSFAを選んだほうが有益となることもあります。
CRM、MA、SFAの違いについて詳しく知りたい方は下の記事をどうぞ!
※「CRM・MA・SFA」3つのツールの違いとは?
例えば、「見込み顧客の数やその成約率には満足しているが、顧客単価に満足していない」といった場合であれば、CRMで顧客の情報を詳しく管理することで、顧客自身に見えていないニーズを先に発見し、アップセルやクロスセルを狙っていくことができます。
また、「営業ノウハウの属人化が進み、担当者によって売り上げの幅が大きい」といった場合にはSFAの導入で、営業についての様々なことをデータ化し、共有することで問題解決の一助となります。
これらのツールを比較検討することは、ツールの種類やベンダーの多さから手間はかかりますが、自分たちが導入する目的に合ったツール・ベンダーを選定することで、導入の失敗を防ぎ、より効果的にツールを運用することができるようになります。
実際に運用してみる
ここまで自社の課題を認識した後、MAの知識を集めることで、導入の明確な目的を決定し、最適なツールを選ぶ、というプロセスを踏んできましたが、これを行うことで自社に適合した完璧なツールやベンダーを選べるかというと、そういうわけではありません。
多くの企業は製品検討の段階で、ツールやベンダーごとのカタログスペックから機能比較表を作りますが、確認しても使わない機能や、カタログスペックでは分からない細かな特徴の違いから、比較表自体が意味をなさないこともあります。
そういったこともあり、現在では無料や低価格で一部機能が使えるツールなどが多くあるため、実際に一度ツールを導入・運用してみることをおすすめします。
運用してみて、価格や使いやすさ、目的にあったツール・ベンダーなのか、ということを、その使用感から判断しましょう。
MAの運用代行が必要かどうかの判断
MAの運用代行に頼らずに上記のことを全て自社のみで行うことは可能でしょうか。
もちろん不可能ではありません。
しかし、これまで解説してきた全ての段階において適切な判断ができなければ、MAを運用する際に支障が出る可能性は格段に高くなります。
運用に支障が出てしまうと、本来のMAの能力が発揮できないばかりか、場合によってはその原因すらつかめず、解決の糸口も見つけられないといった事態に陥ります。
MAの運用代行を利用することで、上記のポイントをしっかり抑えた上で導入できるため、導入後もスムーズに運用していくことができるようになります。
また、何か問題や疑問があった時にもMAのプロフェッショナルからすぐに回答を得られるという点でも、大きなメリットがあると言えます。
まとめ
MAツールを導入して成果を挙げるには、時間とお金、場合によっては複数の人が必要になります。
正しく運用することでマーケティングの効率化に大きな効果が期待できますが、MAツール導入で成功するためにはしっかりとした準備が必要となります。
具体的に自社の課題を理解・整理し、その解決方法やツール導入の目
的を決めたうえで、導入するツールを探さなければ、最適なツールやベンダーは見つかりません。最適なツールやベンダーが見つからないまま、なんとなくMAを導入すれば、時間とお金だけを使って得るものはただの「メール配信システム」となってしまう可能性もあります。
これらの問題は、MAのプロフェッショナルである企業に運用を依頼することで、ツールやベンダーについての豊富な知識を活かし、MAツールの選定や、適切なタイミングでの導入を正確に行うことができます。
そのため、早期での有効的な稼働につながり、効率的なツールの運用が可能となります。
この運用代行などが必要かどうかの判断のためにも、まずは自社についての分析を行い、MAなどの様々なツールについて、情報収集をしっかり行うことをおすすめします。