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【初心者必見】HubSpotの基本機能と使い方を徹底解説!初期設定方法と活用ポイント

目次

HubSpotは、Webサイトの構築やリードの獲得、商談管理、サポート管理など、マーケティング、営業、カスタマーサポート業務に必要な機能をひとつに集約した、多機能な業務支援ツールです。

業務にHubSpotを効果的に活用することで、会社全体で安定した売上を継続的に生み出す業務プロセスを構築することが可能になります。

一方で、HubSpotの豊富な機能に慣れるまで時間がかかる、どこから始めれば良いか迷う、といった悩みを抱える方もいるでしょう。

そこで本記事では、HubSpotの各ツールでの基本的な使い方を解説します。HubSpotを使い始めた方や、今後活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

hubspotの基本:概念と特徴

HubSpotは、全世界で20万社以上(2024年3月時点)が利用している、マーケティング、営業、カスタマーサポート業務を統合する「CRMプラットフォーム」です。

HubSpotには次のような豊富な機能が揃っています。

  • HubSpot CRM:顧客情報の取得や管理など
  • Marketing Hub:メール配信やリード獲得に役立つコンテンツの作成・分析など
  • Sales Hub:商談プロセスの可視化や効率化に関するさまざまな機能
  • Service Hub:顧客からの問い合わせに基づくナレッジベースの構築や、ヘルプデスクの対応状況を見える化するチケット管理など
  • Content Hub:ノーコードでのWebサイト制作やブログ記事の投稿管理など
  • Operations Hub:データ品質の管理や外部アプリとの連携による顧客データの同期など

HubSpotの最大のメリットは、各業務に必要なツールを一つのクラウドプラットフォームで「一元管理」できる点です。

ツールの統合により、部門間で情報共有がスムーズになり、作業効率が向上するだけでなく、業績を把握しやすくなります。さらに、業績データに基づいて迅速に戦略を立て、実行することも可能です。

一方、HubSpotのデメリットとしては、機能が多いため使いこなすのに時間がかかる点が挙げられます。システム全体を理解し、効果的に運用するためには、一定の労力と時間が必要です。

これからHubSpotの各機能について詳しく説明しますが、そのうちHubSpot CRMは無料で利用可能です。その他の5つの機能(「Hub」と付くもの)には無料プランと有料プランが用意されています。

HubSpotの初期設定:アカウントセットアップ

HubSpot を利用を始める際に必要なアカウントのセットアップや会社情報の登録方法をご紹介します。

ユーザーアカウントの権限タイプ

HubSpotのユーザーアカウント設定は大きく3つの種類に分かれます。すべての権限を持つ「スーパー管理者」、職務内容に合わせて機能権限が定められた「権限セット」を選択する方法、そして各権限をカスタマイズできる設定方法です。

契約時に発行されたアカウントには、最初に「スーパー管理者」権限が付与されます。必要に応じて、チームメンバーや業務担当者のアカウントを追加し、適切な権限を割り当ててください。

コンテンツマーケティング担当者の権限セット例

CRMでは、コンタクトと会社にのみアクセス可能です。
マーケティングでは、リスト、フォーム、ファイル、マーケティングアクセス、ソーシャルメディアなどにアクセス可能です。
セールスやサービス関連の機能は職務範囲外のため、アクセス制限がかかります。

権限のカスタマイズ設定

HubSpotのアカウント権限は、アクセス可能な機能と範囲、編集権限まで細かくカスタマイズできます。たとえば、コンタクトは全件閲覧可能にし、編集や削除は「担当者のみ」という設定が可能なため、限定的な職務や外部パートナーとの情報共有にも柔軟に対応できます。

ユーザーアカウントの追加と設定方法

新しいユーザーアカウントを追加するには、設定(歯車マーク)から[アカウントのセットアップ]>[ユーザーとチーム]に進み、右上の「ユーザー作成」ボタンをクリックします。

ユーザー追加時には、HubSpotアカウントを作成するメールアドレスを入力します。同じ権限を複数のユーザーに付与する場合、CSVファイルにメールアドレスをまとめて記載し、複数登録することも可能です。

次に、設定したい権限を選びます。職務に適した権限セットを使う場合は「テンプレートを選択」、詳細にカスタマイズする場合は「ゼロから始める」、すべての権限を持つ場合は「スーパー管理者権限を付与」を選択します。

設定内容を確認し、「送信」をクリックすると、登録したメールアドレスに招待メールが届き、メールからHubSpotにアクセスし、アカウント名とパスワードを設定します。

さらに、Professional以上のプランを利用している場合は、チームごとのアクセス権限を管理することもできます。[ユーザーとチーム]内の[チームを作成]でチーム名を設定し、メンバーを選択します。

会社情報の登録

会社情報の登録は、設定(歯車マーク)から[アカウントのセットアップ]>[アカウントの既定値]内の[全般]タブにて行います。ここに登録した会社情報は、顧客向けコンテンツを作成する際などに参照される基本情報となるため、正確に入力しましょう。

また、[タイムゾーン]、[言語]、[通貨]の設定も、この[アカウントの既定値]から設定が可能です。

HubSpotの初期設定:トラッキング設定とプライバシー管理

ユーザー行動を追跡するための「トラッキング設定」

HubSpotでは、Cookieを利用してサイト訪問者を追跡し、見込み客や顧客の関心やオンラインでの行動を把握できます。このデータを基に、メール配信や営業フォロー、データ分析が行えます。ここでは、トラッキングの設定手順を簡単に説明します。

HubSpot のトラッキングコードをコピーする

HubSpotで作成したページにはトラッキングコードが自動で追加されていますが、外部で作成した自社サイトにはコードをインストールする必要があります。以下の手順でコードを取得しましょう。

設定アイコンから[トラッキングとアナリティクス]>[トラッキングコード]に進み、埋め込み用のコードをコピーするか、設定担当者へEメールで送信します。

自社のウェブサイトにトラッキングコードをインストールする

HTMLコードを直接編集し、</body>タグの直前にトラッキングコードを貼り付けます。コードをテストして、正常に機能しているか確認しましょう。

HTMLの直接編集以外に、WordPressやGoogleタグマネージャーを通してインストールする方法については、HubSpotのナレッジページをご参照ください(https://knowledge.HubSpot.com/ja/reports/install-the-HubSpot-tracking-code)。

Cookieに関するプライバシー設定

Cookieを通じた個人情報の収集は、2018年5月にEUで施行されたGDPR(一般データ保護規則)により、本人の同意が求められるようになりました。HubSpotはグローバル対応プラットフォームのため、「GDPR」の表記で設定機能やヘルプが整備されています。

日本でも2022年に施行された改正個人情報保護法により、サードパーティーCookieなどの個人関連情報を第三者に提供する際に同意確認が必要となりました。

Webサイトに「Cookieによるデータ収集に同意するか確認する案内」を見かけることが増えてきましたが、HubSpotでも同様の「同意バナー」を設定し、ユーザーに確認を促すことができます。

設定アイコンから[プライバシーと同意]>[データのプライバシーと同意]>[Cookie]タブにある「Cookieポリシー」から設定を行います。

また、サイト全体でCookieポリシーを表示しない場合でも、HubSpotではフォーム入力時などに個人情報の取扱いに関する同意を確認する設定が可能です。

自社の対応方法については、サイトの利用状況やマーケティング活動に応じて、自社の法務部やコンプライアンス担当者と相談すると良いでしょう。

ハウスリストの活用メリットとインポート方法

HubSpotの初期設定と併せて、まず準備したいのがハウスリストの活用です。
過去に商談に至らず失注したリードや、展示会で名刺交換したリード、サービス資料をダウンロードしたままになっているリードが社内に眠っていないでしょうか。

リード管理が部門ごとに分かれていると、よくある例として、営業が取得した名刺情報を営業担当者のみが管理し、リードの掘り起こしが営業の勘や経験に依存するケースが見受けられます。また、Webフォームから資料ダウンロードをしたものの商談につながらなかったリードがマーケティング部で保持され、営業部へ引き継がれず、メールマガジンの配信は行われているものの、その後のイベントで営業が接点を持ち、重複した案内が行われることもあります。

ハウスリストは部門単位ではなく「会社の資産」としてHubSpot CRMに統合し管理することで、過去のコミュニケーション履歴やサイト訪問履歴、配信メールへの反応を「リード個人」に紐づけて確認できます。これにより、各部門がリードに対してどのようなアプローチを行い、進展がどうなっているのかを部門を超えて共有し、最適なコミュニケーションを取ることが可能になります。

HubSpotのデータ構造の概要

HubSpotで効率よくリード管理を行うために、まずHubSpotで使用される名称とそのイメージについて簡単に説明します。

マーケティングから営業活動まで、HubSpotで頻繁に活用されるデータは大きく3つに分類されます。
1つ目は「コンタクト」で、リードに関する人ベースの情報を管理する項目です。次に「会社」があり、ビジネスに関連する組織単位の情報を保持します。最後に「取引」と呼ばれる案件データがあり、案件に関係する「コンタクト」と「会社」をリンクさせることができます。

マーケティングや営業から送信したメール配信の履歴は、「コンタクト」ごとだけでなく「会社」ごとにも確認が可能です。これにより、同じ部署への重複した営業アプローチを防ぐことができます。

社内で保有するリード情報の統合

ハウスリストの管理が部署ごとに分かれている場合、まずはデータを一箇所に集約することから始めましょう。各部門が利用しているリード管理ツールやスプレッドシートなど、オンライン上のデータだけでなく、営業の引き出しに保管されている名刺情報も見逃せません。

これまで接点を持ったコンタクト情報は、会社にとって貴重な資産です。データの統合には手間がかかるかもしれませんが、それだけ分断されていたリードを一元管理することのメリットを実感できる場面でもあります。各部門に協力を呼びかけながら、順次データを収集していきましょう。

HubSpotに備わる標準プロパティの利用

ハウスリストを集約する際、それぞれが保持する情報やラベルが異なる場合が多いかと思います。HubSpotへのインポートを念頭に置き、リード情報を整理しましょう。

HubSpotであらかじめ設定されているプロパティの中から、よく使用される項目をご紹介します。自社のリードデータに該当する情報があれば、ラベルの統一を行うか、インポート時にHubSpotのどのプロパティに該当するか整理しておくことで、後の作業がスムーズになります。

HubSpotの既存コンタクトプロパティ

  • 姓・名
  • Eメール
  • 会社名
  • 部署
  • 役職名
  • 業種
  • 電話番号
  • 携帯電話番号
  • ウェブサイトURL
  • 都道府県/地域 など
    また、商談を進める際に重要な意思決定者を示す「購入時の役割」などの項目もあります。HubSpotにインポート後は、「前回のアクティビティ」「最近Eメールが開封された日」「クローズまでの日数」などの情報もコンタクトプロパティで管理できます。

HubSpotの既存会社プロパティ

  • 会社名
  • 会社のドメイン名
  • 会社概要
  • 年間売上高
  • 業種
  • 電話番号
  • 従業員数
  • 親会社
  • ウェブサイトURL など
    また、[Facebookの会社ページ]などのソーシャルメディア情報もあります。HubSpotで案件管理を行い、「会社」と「取引」を紐づけていくと、進行中の取引件数や取引金額の合計も確認できるようになります。

※これらの既存プロパティはブログ公開時点の情報であり、名称や設定は変更される可能性があります。

カスタムプロパティの作成による独自の顧客情報管理

HubSpotでは、既存のプロパティに加えて、自社に合わせたオリジナルのプロパティを作成することも可能です。よく使う情報やステータスを整理するために、カスタムプロパティを活用しましょう。

例えば、マーケティングや営業活動の情報として「サービス資料ダウンロード有無」や「セミナー参加日」「テスト導入の有無」などの項目を設定するのも有効です。顧客の業界に合わせたカスタマイズもおすすめで、医療関係の顧客が多い場合は「専門分野」「診療科」「資格登録年」など、頻繁に聞く情報をプロパティとして設定しておくと便利です。

プロパティは、自由記載のテキストや数値入力だけでなく、プルダウン形式も使用できます。あらかじめカテゴリを設定しておくことで、表記の揺らぎを防ぐことができ、情報の統一性が保てます。

ハウスリストの統合は非常に大変な作業になることもあります。会社名の表記が揺れていたり、部署ごとにデータ管理方法が異なるケースも少なくありません。しかし、この工程をしっかり行うことで、今後のマーケティングや営業活動に大きな効果が期待できますので、ぜひ頑張って取り組んでください!

顧客情報をHubSpotにインポートする際の手順と注意点

ハウスリストのデータがまとまったら、実際にHubSpotへインポートしましょう。インポート時には、各プロパティを一意の情報として扱うために必要なプロパティを含めることが重要です。例えば、コンタクト情報ではEメールアドレス、会社情報では会社のウェブサイトドメインが該当します。

重複リードの確認

同じEメールアドレスが登録されているリードは同一人物として処理されます。そのため、Excelなどでハウスリストを準備する際、Eメールアドレスが重複していないか注意しましょう。

上書きオプションの選択

インポート時、各プロパティの情報を上書きするかどうかを選択できます。上書きを選択すると、同じEメールアドレスを持つ重複リードがあった場合、最初の行の情報で新規インポートが行われ、次の行で上書きされます。情報が最新で統一されていることを確認しておきましょう。

HubSpotのインポート手順

  1. インポート画面に進む
    「コンタクト」画面の右上にある「インポート」ボタンをクリックします。
  2. ファイルの選択
    CSVやExcelからデータをインポートする場合は「コンピューターからファイルをインポート」を選びます。
  3. ファイルの種類を選択
    1つのファイルに情報が揃っている場合は「1件のファイル」を選択します。
  4. オブジェクトの種類を選択
    オブジェクトには「コンタクト」や「会社」などがありますが、今回は「1種類のオブジェクト」として「コンタクト」を選択します。
    ※複数のオブジェクトを一括インポートする場合は「複数のオブジェクト」を選び、必要なオブジェクトを選択します。
  5. ファイルのアップロード
    「ファイルを選択」のエリアにファイルをドラッグ&ドロップするか、ファイルを選択してアップロードします。
  6. ヘッダーのマッピング
    インポートしたファイルのヘッダーをHubSpotのプロパティにマッピングします。ファイルのヘッダー名がHubSpotのプロパティ名と一致していれば、自動でマッピングされます。異なる名称の場合は、該当するプロパティを手動で選択します。
  7. 最終確認画面
    「マッピング済み」にチェックマークが表示されたら、右下の「次へ」をクリックし、最終確認画面へ進みます。ここで3つの確認事項が表示されます。

    • 連絡同意の確認
      インポートする情報について、連絡に対する同意があるかを確認します。チェックを入れないと「インポート完了」ボタンが表示されません。
    • リスト作成とマーケティングコンタクト設定
      「リストを作成」と「マーケティングコンタクト」は任意です。
  8. インポート完了
    設定を確認し、インポートが完了します。

マーケティングコンタクトについて

「マーケティングコンタクト」とは、マーケティング活動(Eメール配信、広告オーディエンスの設定、ワークフローでのアクションなど)の対象となるコンタクトを指します。
営業からの1対1のEメールは「マーケティングコンタクト対象外」でも送信可能です。マーケティング施策に含めるかどうかで選択を行いましょう。

HubSpot CRMの機能と基本的な使い方

HubSpot CRMの機能

HubSpotには、マーケティングや営業、サポートに関する多彩な機能が備わっていますが、中でもHubSpot CRMは、マーケティングや営業、サポートの場面で必要となる詳細な「顧客情報の収集・管理」を可能にするツールです。

具体的には、顧客の属性情報の管理、訪問ページのトラッキング、Eメールでのやり取りの追跡、顧客とのミーティングのスケジュール設定、対応履歴の管理など、さまざまな機能が利用できます。

従来のExcelによる管理と比較すると、より幅広いデータを活用することで、潜在顧客や既存顧客との関係を深めやすくなります。

さらに、無料で「最大1,500万件」まで登録が可能です。

HubSpot CRMの使い方

既存のExcelで管理している顧客情報をHubSpot CRMに取り込む手順をご紹介します。

1. 流し込み用の顧客リストの作成

事前に、ExcelでHubSpotにインポートする顧客リストを作成し、保存します。

2. HubSpot CRMへのインポート

HubSpotのナビゲーションメニューから「CRM(顧客管理)」>「コンタクト」をクリックし、コンタクトの管理画面に移動します。画面右上の「インポート」ボタンを選択します。

  1. 「インポートを開始」をクリックし、「コンピュータからのファイルをインポート」を選択。
  2. 次に、インポートするファイル数、オブジェクト数、オブジェクトの種類を選択し、保存したファイルをドラッグ&ドロップします。

3. ExcelファイルとHubSpotのコンタクトプロパティ(属性情報)のマッピング

HubSpotのプロパティとExcelの項目が一致する場合は緑色のチェックマークが表示されるのでそのままにし、一致しない項目については右側のHubSpotプロパティから合致する項目を選択します。

4. HubSpotへのインポート完了

作業が完了すると、HubSpotの管理画面で顧客情報の管理ができるようになります。

Marketing Hubの機能と基本な使い方

Marketing Hubの機能

Marketing Hubは、マーケティングに必要なツールやデータを1つのプラットフォームに集約した統合ツールです。

具体的には、ランディングページ(LP)やブログ、フォーム、CTA(ボタンやバナーなど)の作成、広告のトラッキング、ソーシャルメディアの投稿管理など、リードの獲得から育成(ナーチャリング)、広告効果の分析、データの統合まで対応できます。

Marketing Hubの使い方

Marketing Hubを活用すると、メールテンプレートの作成や一斉送信が容易に行えます。以下に基本的な手順をご紹介します。

1. Eメールテンプレートの作成

  1. HubSpotにログインし、上部メニューから「マーケティング」>「Eメール」を選択します。
  2. 画面右上の「Eメールを作成」をクリックします。
  3. 表示されるテンプレート一覧から目的に合ったテンプレートを選択し、メールの内容を編集します。

テンプレートの選択や編集に関しては、HubSpotの公式ガイドが参考になります。

2. 送信先の設定

  1. メールの編集が完了したら、画面右上の「次へ」をクリックします。
  2. 「送信先」セクションで、送信対象のリストやセグメントを選択します。
  3. 必要に応じて、送信スケジュールを設定することも可能です。

送信先の設定方法については、HubSpotのナレッジベースに詳細が記載されています。

3. Eメール配信結果やパフォーマンスの確認

  1. メール送信後、「Eメール」ダッシュボードで該当のメールを選択します。
  2. 「パフォーマンス」タブで、開封率、クリック率、配信率などの詳細な分析結果を確認できます。

これらの分析データを活用することで、今後のメールマーケティング戦略の改善に役立てることができます。

Sales Hubの機能と基本的な使い方

Sales Hubの機能

Sales Hubは、営業活動を可視化し効率化するためのツールです。

具体的には、パイプライン(商談プロセス)の管理、商談ステータスの追跡、ドキュメントの管理、ミーティングの設定、営業タスクの管理、顧客との対話履歴の記録といった機能が備わっています。

営業活動をデータとして一元化することで、上長への進捗報告や数字の共有、他の担当者への案件引き継ぎなどの「情報共有」がスムーズになり、営業戦略の立案にも役立てることができます。

Sales Hubの使い方

Sales Hubの基本的な使い方として、自社のビジネスに適したパイプライン(商談プロセス)を設定し、取引(商談情報)を作成・管理する方法をご紹介します。

パイプラインの作成(Starterプラン以上で利用可能)

  1. HubSpotにログインし、設定アイコンをクリック。
  2. 「オブジェクト」→「取引」を選び、「パイプライン」からドロップダウンメニューで「パイプラインを作成」を選択します。
  3. パイプライン名を入力し、「作成」をクリックして完了です。

ステージ名やステージの順序、取引確度など、自社のプロセスに合わせてカスタマイズが可能です。

取引の作成

  1. ナビゲーションメニューの「取引」から「取引を作成」をクリック。
  2. 必要な情報を入力し、取引を保存します。

取引ステータスの管理

  1. HubSpotにログイン後、「CRM(顧客管理)」→「取引」をクリック。
  2. 取引のステータスはリストビューやボードビューで確認できます。

Service Hubの機能と基本的な使い方

Service Hubの機能

Service Hubは、カスタマーサービス業務を支援し、顧客満足度の向上を目指すツールです。

主な機能には、チケット管理(問い合わせ対応)、ナレッジベースの構築、チャットボットの活用、アンケートページの作成などがあります。

ナレッジベースや自動応答型のチャットボットを導入することで、顧客が自己解決しやすくなり、企業への問い合わせが減少し、カスタマーサービス担当者の負担を軽減できます。

さらに、チャット機能によるリアルタイムなコミュニケーションも可能なため、迅速な回答が提供でき、顧客満足度の向上に寄与します。

Service Hubの使い方

ナレッジベースの構築

  1. HubSpotにログイン
    メニューから「コンテンツ」→「ナレッジベース」→「ナレッジベースをセットアップする」の順に進みます。
  2. テンプレートやカテゴリーの選択
    コンテンツ作成では、カード1枚に1つのカテゴリーを表示する「カード」や、各カテゴリーごとに5件の記事を表示する「コンテンツリッチ」などのテンプレートから選択可能です。カテゴリーは9種類から選べます。
  3. 記事の作成
    カテゴリーに合わせてFAQやガイドを作成し、顧客が問題を解決しやすいナレッジベースを整備します。

ウェブチャットの作成

  1. HubSpotにログイン
    「自動化」→「チャットフロー」→「チャットフローを作成」の順に進みます。
  2. チャットフローの設定
    ウェブチャットのオプションを選択し、「次へ」をクリックして設定画面に移動します。
  3. カスタマイズ
    チャットの動作、ユーザーへのメッセージ、言語、表示位置、外観などをカスタマイズできます。

このように、ナレッジベースやウェブチャットを通じて顧客が自己解決できる環境を整えることで、問い合わせ対応を効率化し、顧客体験を向上させることが可能です。

Content Hub(旧CMS Hub)の機能と基本的な使い方

Content Hubの機能

Content Hubは、コーディングの知識がなくてもWebサイトの作成や更新ができるツールです。ニュースやブログ記事などの投稿も、管理画面から簡単に行えます。

さらに、SEO最適化機能を活用することで、SEO対策も可能です。

Content Hubの使い方

テンプレートを使って新規ページを作成

「コンテンツ」から「ランディングページ」を選び、「作成」をクリックします。テンプレートを選択し、タイトルを入力したら「ページを作成」をクリックします。

ページの編集

編集したい箇所をクリックすると編集画面が開きます。新しいテキストや画像などを追加したい場合は、+マークをクリックしてモジュールを選択し、ドラッグ&ドロップで簡単に追加できます。

ページのプレビューと公開

プレビュー機能を使ってページを確認し、問題がなければ公開ボタンを押してページを公開できます。

ランディングページやContent Hubでのページ編集については、さらに詳しい記事もご参照ください。

Operations Hubの機能と基本的な使い方

Operations Hubの機能

Operations Hubは、さまざまなアプリと連携して顧客データを同期・整理できるツールです。これを活用することで、業務プロセスを自動化し、顧客満足度の向上にもつなげることができます。

Operations Hubの使い方

Operations Hubを利用すると、ワークフローにカスタムコードを追加して、より高度なフローを作成することができます。

この方法は難易度が高いため、システム開発に強いベンダーなどに依頼することをおすすめします。

Hubspotを使いこなすためのコツとは?

導入目的と活用目標を明確にする

HubSpotの導入目的を関係者間で共有し統一しましょう。目的と目標とは、HubSpotで解決したい課題や達成したいゴールを指します。これを明確にすることで、優先的に活用すべき機能や必要なデータが把握でき、環境が整えば成果に結びつけることが可能です。

運用ルールの設定

HubSpotでさまざまな業務を自動化するには、運用ルールの設定が必要です。例えば、Sales Hubで取引を管理するためには、営業プロセスを整理し、パイプラインで取引を管理するタイミングや、次のステージに進む条件を決めておく必要があります。また、データの入力形式や問題発生時の対応方法も事前に決めておきましょう。特に複数のソフトウェアを導入する場合、細かい運用ルールがなければ部署ごとに独自ルールが増えてしまい、管理が難しくなる可能性があります。

簡単な機能から始める

HubSpotに慣れていない企業が高度な機能に取り組むと挫折する可能性があるため、まずは簡単に使える機能から始め、成果を出しやすいものに取り組みましょう。例えば、Marketing HubではマーケティングEメール機能がおすすめです。通常のメール配信に加え、特定ページの閲覧をトリガーにした見込み客へのメール配信などが効果的です。まずは基本機能で操作に慣れ、徐々に高度な機能に挑戦していきましょう。

自動化を最大限に活用する

HubSpotにはさまざまな自動化ツールがあり、これらを活用することで手作業を減らし、業務効率を高めることができます。例えば、ワークフローを活用すればリードの割り当て、取引の作成、タスクの自動化などが可能です。こうした繰り返しの作業を自動化することで業務が効率化され、メリットを実感しやすくなります。自動化機能はメンバーの負担を大幅に軽減するため、積極的に活用することでHubSpotの定着にもつながります。

HubSpotを効果的に活用するためのツールやリソース

HubSpot ナレッジベースの利用

HubSpotナレッジベースでは、アカウント設定から高度な自動化機能まで、幅広い記事を閲覧できます。画像付きの解説があるため、分かりやすく、使い方に関する疑問が生じた場合にまず確認してみると良いでしょう。

HubSpot Academyでの学習

体系的で深い知識を身につけたい方には、HubSpot Academyが最適です。ここでは、HubSpotのスキル向上を目的とした短期集中型の実践的なコースから総合的な認定資格まで、幅広い無料コンテンツが提供されています。

例えば、「Marketing Hub Starterでマーケティングキャンペーンを作成する」コースでは、広告アカウントの連携やEメール作成など、Marketing Hubを使った基本的なキャンペーン構築方法を動画で学べます。インバウンドマーケティングやセールス、カスタマーサービスに関するコースもあり、認定資格を取得すれば、知識の向上と専門性の信頼性も高まります。

HubSpot コミュニティーへの参加

HubSpot コミュニティーには、ユーザーや開発者、パートナー、専門家が集まっており、HubSpotアカウントを持っていれば誰でも参加可能です。コミュニティーでは、ナレッジベースで解決できなかった課題を専門家に質問したり、事例やユーザーのベストプラクティスを通じて新たな使い方を学んだりすることができます。

インターネット、動画、書籍の活用

HubSpotの使い方をインターネット検索や動画、書籍で学ぶことも有効です。ただし、HubSpotの公式情報ではない場合、情報が古かったり、信頼性に欠けることがあるため、利用する際は慎重に確認が必要です。

HubSpot大百科

株式会社100が出版した「HubSpot 大百科」は、実務者に向けてHubSpotの基本設定や各種Hubの使い方を解説したガイドブックです。フライホイールやインバウンドマーケティングなどの考え方も含まれ、画像を交えながら分かりやすく解説されています。総ページ数500ページ以上と充実した内容で、長く活用できる一冊です。

Solution Partner プログラムの利用

Solution Partner プログラムを通じて、HubSpot認定パートナーの支援を受けることができます。認定パートナーはHubSpotを深く理解しており、自社のビジネスや課題に適した使い方をサポートしてくれるため、HubSpotを本格的に活用したい企業や、専門的なサポートが必要な企業におすすめです。

最後に

HubSpotは優れたインターフェースを備えており、約1週間で使い慣れることができます。ただし、最初から高度な機能に取り組むのではなく、まずは本記事で紹介した基本機能から始めることをおすすめします。HubSpotには無料版もあるため、操作性や機能を試してから有料版にアップグレードするのも良い方法です。

また、HubSpotはユーザー向けにさまざまな無料コンテンツを提供しているため、これらを活用し、少しずつ学びながら機能を最大限に引き出せるようにしていきましょう。HubSpotの活用についてお困りの際は、どんな小さなことでもぜひ弊社にご連絡ください。

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